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タイムマシン

H.G.ウェルズの『タイムマシン』を読んだ。

80万年後の未来にタイムリップした話だが、
まず自分の想像力のなさが悔しかった。

ウェルズがせっかく80万年後の未来を克明に書いているのに、想像力が追いつかず、
頭の中でその世界をイメージすることができなかった

富裕層と労働者層の逆転が起き、食糧難から労働者が富裕層の人間を食用として管理するようになる。

このように簡単に書くととんでもない妄想だと思えてくるが、
ウェルズの『タイムマシン』1ページ1ページ読んでいくと、
なんだかとんでもない妄想とも思えなくなってくる。


ウェルズは、人類の滅亡という未来を描いたが、
ウェルズ自身は政治の世界に飛び込むため選挙に立候補したり、
晩年には世界人権宣言の起草に携わっている。

人類の未来を案じ、
いたずらに人々の不安を煽る批判的作家ではなく、
実生活において人類がより良い選択ができるように身を捧げた行動的作家の一面が垣間見えた。
だからこそ『タイムマシン』は、一時代にあった一空想小説に終わらず、
時代を超えて読みつがれる名著になったのではないだろうか。


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