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開いたノートに彩を|キャリア開発体験談#8

全7回に渡って私のキャリア開発体験談を綴ってきました。
今回はまとめの記事になりますので、体験談をお読みでない方は以下のマガジンからご覧ください(無料です)。

第8話 キャリア開発とは


それまでの自分は、「会社に所属しながら社会問題を解決したい」という考えで生きていました。
だから、悲惨な現実や社会問題に触れるたび「何とかしなくちゃ」という気持ちでいっぱいでした。それが気が付けば、自分のやりたい事や生き方を見失う事に繋がっていました。

自分棚卸はキャリア開発の最初の一歩になります。
これによって、「自分には何ができるか」を知ることになります。
これが、自分を客観視することに繋がり、自分のやりたい事と今おかれている状況とのギャップに気づくことができます。

社会問題を解決する事は素晴らしいことです。
ただ、自分にできることは限界があります。
自分にできる範囲で社会問題を解決すればいい、そう思えるようになりました。


そしてキャリアバランスシートで、自分の資本を見える化します。
ここは十人十色の様相になると思いますが、流動資産が少ないと感じる方が多いと思います。
この流動資産とは、少し汚く言うと「どれだけ富や名声の稼ぎ口があるか」になります。副業と騒がれる昨今、誰しも稼ぎ口を増やしたいというのが本音でしょうから、キャリアバランスシートは富と名声という欲求と向き合うきっかけにもなります。

欲求に素直な人ほど、自分との闘いが始まります。
先ほどの「自分にできる事」が柱になり、流動資産を増やすための手段を考える事になります。

難しいのは、この段階で心が折れる人もいることではないでしょうか。
見える化するということは現実を直視すること。流動資産が現在勤めている会社の給料しかない・・・という事実から、自分の人生は今まで何をしてきたんだろうと落ち込む可能性があります。
ここで行動を起こすかどうか、分岐点になります。


最後のキャリアパーツでは3人の自分の顔・肩書を作ることになります。
ところが、一途な人ほど苦痛を感じる要素じゃないかと思います。

例えば、趣味でやってる釣りは、自分だけの世界観で楽しみたい人だっています。釣りを広める為に初心者レクチャーしたり、動画を公開したり、釣り具の評論をしたりと、「稼ぎ口」になる可能性を秘めています。しかし、趣味を進化させたり他者と共有する必要を感じない人も多くいるでしょう。
そんな方に、キャリアパーツ論を説いても、苦痛を与えるだけかもしれません。
社会や他人に見せたい・広めたい、という意思の有無がキャリアパーツを良いと感じるか悪いと感じるかの分岐点になります。承認欲求の有無と言い換えても良いかもしれません。

たまたま私は多趣味で多様な物を取り入れたい人生観があるのでキャリアパーツの考え方は受け入れることができました。

承認欲求は捨てるものだ、という風潮があります。私も概ね同意見ですが、内側に秘めていれば逆に行動を起こすための動力源になると思ってます。


結局のところ、欲の強い人にはハマるものではないでしょうか。
(欲と書かず進化とか成長とか充実した人生と言えば聞こえが良いかもしれません)
欲と言えば、かの有名な『マズローの5段階欲求説』のイメージが浮かびます。人間の本質的な欲求に間接的に語り掛けるものが、このキャリア開発の真の姿なのかもしれません。

しかし私はあらゆる人達が「燦燦と輝くキャリアモデルを構築したい」と考えてはいないと思います。
慎ましく、自分と近くにいる家族の幸せが満たされていればそれでいいという人も大勢います。
ですから、キャリア開発を絶対にやるべきだ!という「すべき論」は極力避けています。

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人は誰しも心の中にノートを持っている。
それが、漫画の人も、抒情詩のような人も、写真でいっぱいな人もいる。
中には味気ない単語だけの人も、真っ白に近い人もいるでしょう。
人それぞれのノートに彩を与えてくれるものだと思ってます、キャリア開発って。

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