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【本を要約】『スタンフォード式 最高の睡眠』

知人が睡眠時間が短い状態が続いているというので、以前読んだ良書の内容をまとめました。

睡眠時間を増やすのがむずかしければ、睡眠の質を高めるほうにかじを切るべき

と、本書にもあり、私も睡眠時間が短くなるときは本書の内容を心がけている本です。

本書の著者は「世界最高」の呼び声高いスタンフォード大学で睡眠研究を行っている現役日本人教授・西野先生。

西野先生が30年近く睡眠を研究してたどり着いた、「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」をもたらす最高の睡眠法が、本書では明かされています。

本書で紹介されているのは、睡眠の質を高めるための手法であり、心がけ。

すぐに実践できる内容ばかりなので、自分がとっつきやすいと感じたところから、手をつけてみるのがいいと思います。

早速、内容に入ってきます。

睡眠時間が長すぎても短すぎても、脳と体にダメージをあたえてしまう。

睡眠の質を高めるうえでもっとも重要なのが、入眠後すぐに訪れる90分間のノンレム睡眠である。

スムーズに入眠するためには、深部体温と皮膚温度の差を縮めることが肝要

覚醒と睡眠は表裏一体である。良い目覚めは良い睡眠をもたらしてくれる

睡眠負債を抱えた人は、マイクロスリープ(瞬間的居眠り)に陥ってしまう。これは1秒未満から10秒程度の眠りを指しており、脳の防御反応ともいわれている。睡眠負債によるマイクロスリープが問題なのは、ほんの数秒であるがゆえに、本人も周囲も気がつかない点だ。仮に時速60キロで運転しているときに4秒意識が飛べば、70メートル近く車が暴走する計算になる。

死亡率が一番低かったのは、平均値に近い7時間眠っている人たち

眠らないと食べすぎを抑制する「レプチン」というホルモンが出にくくなり、食欲を増す「グレリン」というホルモンが出やすくなるからだと考えられる。同時に、「インスリン」の分泌も悪くなることから、血糖値が上昇し、糖尿病を招くおそれもある。

さらに、睡眠負債は精神状態の悪化にもつながる。眠らないと交感神経の緊張状態が続くため、高血圧になりやすくなる。うつ病、不安障害、アルコール依存、薬物依存の発症率も上昇するし、認知症にかかるリスクも出てくる。

眠りすぎるのも危険だ。1日1時間以上の昼寝は、認知症や糖尿病のリスクを高めてしまう。加えて、平均以上に眠っている人たちの死亡リスクは、睡眠時間が短い人たちと同様に高い。

最初の90分のノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでもっとも深く、「眠りのゴールデンタイム」と呼ばれている。睡眠の質を高めるうえでは、この「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかに意識を向ける必要がある。

最初の90分の眠りが改善すると、以下のようなメリットが得られる。
まず、自律神経が整う。最初の眠りが深いほど、交感神経の活動が弱まり、副交感神経が優位になるため、自律神経のバランスが良くなるのだ。
また、成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのもこのタイミングである。最初の90分を深く眠れば、80%近くの成長ホルモンは確保できる。
さらに、脳のコンディションが良くなるというメリットもある。最初に深いノンレム睡眠ができれば、その後のレム睡眠も整う。すると、全体のスリープサイクルも改善される。

1つめのスイッチ:「体温」
寝つきを良くして深く眠るためには、毎日同じ時間に就寝するのが望ましい

子どものようにすぐに眠れる、2つのスイッチがある。これらのスイッチを押せば、体と頭はスリープモードに切り替わり、睡眠の質が飛躍的に改善するはずだ。

ひとつは「体温」である。

体温を調整するための有効な手段は以下の3つだ。
(1)就寝90分前の入浴
0.5℃上がった深部体温がもとに戻るまでの所要時間は90分なので、寝る90分前に入浴をすませるようにすればよい。

(2)足湯には驚異の「熱放散力」がある。足湯で足の血行を良くして熱放散を促せば、入浴と同等の効果が得られる。これなら寝る直前でも大丈夫だ。逆に、寝るときに靴下を履いていると、足からの熱放散が妨げられてしまうので注意が必要

(3)室温も重要視すべきである。日本ではコタツなど、局所だけを温める文化が根強い。だが、体温のスイッチとして効果的なのは快適な室温だ。睡眠に悩んでいるなら、室温も整えてみていただきたい。

2つめのスイッチ:「脳」

すぐに眠りにつくための、もうひとつのスイッチが「脳」だ。どんなに良い環境でも、脳が働いていたら眠ることはできない。だからといって「何も考えない」というのはむずかしい。

そこで、「モノトナス」(単調な状態)になるように習慣づけることが大事になる。「退屈」は普段あまり歓迎されないが、睡眠にとっては「良い友」だ。いつもどおりのベッド、時間、パジャマ、照明、室温で寝ることが、眠りのスイッチを押してくれる。

入眠の直前には、脳が眠りを拒否する「フォビドンゾーン(進入禁止域 Forbidden Zone)」がある。そのため、「今日は1時間早く寝よう」と思っても、うまくいかないことが多い。その場合、「いつもどおり寝て、睡眠時間を1時間削る」ほうが、すんなり眠れて質が確保できる可能性が高い。「後ろにずらすのは簡単、前にずらすのは困難」というのが、睡眠の性質なのだ。

そのため、たとえ最初は無理やりでも、まずは起きる時間を決めてしまうべきである。そうすれば、寝る時間も次第に固定できるようになり、黄金の90分もパターン化される。パターン化されてしまえば、睡眠の質は確実に向上する。

熟眠をもたらす覚醒戦略
「光」と「体温」が覚醒のスイッチ

朝は太陽の光をかならず浴びるようにしよう。数分程度でかまわない。雨や曇りで太陽が見えなくても、体内リズムや覚醒に影響をあたえる光の成分はちゃんと脳に届いている。

覚醒時はしっかりと体温を上げてスイッチオンにしておくのが、良い覚醒を保つうえで大切になる。

アラームは20分間隔で2つだけかけるのが正解

スリープサイクルには個人差があるため、前もって予測することはむずかしい。一般的に言われている「90分の倍数」という説は、あまりにも大ざっぱすぎる。

アラームを20分間隔で2つセットし、「起床のウインドウ(余白)」を設けることをお薦めしたい。朝方であれば、レム睡眠の時間が長くなっており、20分前後でノンレムからレムへの切りかえが行われるため、レム睡眠時に気持ちよく起きられるようになる。

実行にあたっては、1回目のアラームを「ごく微音で、短く」セットすることが肝要だ。レム睡眠は覚醒しやすいので、小さい物音でも目覚めやすい。1回目でアラームに気づけば「レム睡眠で起きた」ということなので、目覚めは良いはずである。逆に、もしそれがノンレム睡眠のときでも、小さいアラームであれば気づかないため、ひどい目覚めを経験することもない。そして、2回目のアラームのときはレム睡眠に移行している可能性が高いため、無理なく起きられるようになるはずだ。

ここ数年は睡眠時間を最低でも6時間確保するようにしていますが(ピンチのときは・・・)睡眠時間を確保しようと思った最初のきっかけは貴重な会議での講演、外部セミナーでウトウトしてしまい、気づいたら終わっていたことでした(汗)

良い仕事をするには良い睡眠から。

持論ですが、健康経営において最短で成果を上げるのであれば、社員に正しい睡眠方法を教えることがことなのでは?と思っています。(その次は糖質を減らし、食物繊維とタンパク質を正しく摂ることを教えることじゃないかと思います)

最新の科学に基づいた最高の睡眠を教えてくれる本書。

睡眠で悩んでいる方は一読されることをオススメします。

最後までお読み頂き、有難うございました。

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