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Netflix映画『6アンダーグラウンド』

 こういう作品、嫌いではない。
 007やミッション・インポッシブルやワイルド・スピードや、スナッチやオーシャンズイレブン、そしてアルマゲドン等、他にも多くの映画の要素をごちゃ混ぜにして、とにかく時間を忘れて娯楽に浸ってくれと言わんばかりの作品だ。

 普通はこんなコンセプトの映画を作ったら超B級映画になること請け合いだが、そこはマイケル・ベイ監督含めた制作陣の料理の旨さだろう。
 
 世界を股に悪党をやっつけるチーム。記録上は何処にも存在しない、死んだことになっているメンバーが死にそうになりながら活躍する。
 ど派手なカー・アクション、高所アクション、銃撃戦、船や戦闘機にスナイパー。もちろんロマンスもメンバー同士の諍いもあって、他にもてんこ盛りだから中身もへったくれも無いが息つく暇も無い(褒めているつもり)。
 どこまでが実写でどこがCGなのか考えていたりしたら置いてけぼりを食う。
 チームメンバーにはそれぞれの過去が色々ありそうだが、あまり掘り下げないのが潔い(少しは説明されている)。
 そして何より、何でこの人達のような存在が許されているのか……なんて考えてはいけない。
 そう、この映画は考えても感じてもいけないのだ。人がバタバタと殺されるのを見ていちいち描写が残酷なんて言っていてはいけない。心の痛みも身体の痛みも感じてはいけない映画なのだ。

 本当なら大きなスクリーンと爆音で観たい映画だからNetflix限定なのは勿体ない。映画館上映なら2019年の大ヒット映画に名を連ねたであろう。
 映画館で観れば金返せとは絶対ならないだろうが、小さなテレビで小さな音で見たとしたら、もしかしたら暇潰しとしてはいいけどね、くらいの評価になってしまう可能性はある。Netflixが映画よりもドラマに重心がある様に思えるのはそんな理由もあるのだろう。

 見終わった後に何も残らない映画もあって良いのだ。アクション映画なのに感動を強要する必要は無いのだ。
 いろいろな意味で今どきは流行らない映画なのかもなと思いつつ、不覚にも人を名前で呼び合う事の意味について考えてしまった。
 しまった。隙を突かれた。

おわり

 

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