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思考実験②

前回のつづき。
前回のを読んでいない方は下のリンクを参照ください。

ここで取り上げているのは架空のウィルスについて。
クイズのように思えるかもしれないが、前回記事で記した前提条件に基づく思考実験という建付け。


クイズ形式

(1)次のうち間違っているものはどれでしょう。

(A)感染者はマスクをしていても会話は控えるべきだ
(B)マスクをしていれば感染者と一緒に過ごしてもうつされることはない
(C)外をひとりで歩く時にマスクをする必要はない

(2)次のうち正しいものはどれでしょう。

(A)手の消毒は10分おきにやった方が良い
(B)手洗いうがいは意味がない
(C)アルコールでなくても石鹸で手を洗えばOK

(3)次のうち正しいものには○を間違っているものには✕をつけなさい。
 ただし、発症を低減することが出来るとされる薬剤の接種のことをワットソンと記します。

(A)抗原検査が陰性だったので感染していないと分かりホッとした
(B)濃厚接触者とされたためPCR検査を受けたが陰性だったので感染していなくて良かったと思った
(C)ワットソンを2度受けたが、感染しても発症しにくいのでこれまでより注意が必要だ
(D)ワットソンを受けた人は感染しないのでアルコールを含む飲食が許可されなければおかしい
(E)ワットソンを受けていない人は、こまめに抗原検査を受けて陰性証明が貰えれば感染しないのでワットソンと同じと言っていい
(F)ワットソンを受けた人は重症化しないので安心だ
(G)感染していない人しかいない環境でアルコールを伴う飲食をしながらワイワイやっても問題ない

クイズ形式の答え

(1) (B)
(2) (C)
(3) (A)から順に、✕✕○✕✕✕○

例文1

次の例文で間違っているのはどこだろうか。

「発症を低減することが出来るとされる薬剤の接種が進み、報道される今日の感染者数も順調に下がってきた。これは巷の感染者が少なくなったことを意味しているのだから、発熱などの症状が無ければそろそろみんなで居酒屋に飲みに行きたい。ちくしょー、何で9時までしか営業しないんだよ!」

順に解説すると、まずは「報道される今日の感染者数」について。前提条件として感染して数日は無症状期間があるので、感染者数は分からない。従って、感染者数ではなくてPCR検査陽性者数とするのが正しい。行政の発表はPCR検査陽性者数と正しく表記されているはず。

発症を低減することが出来るとされる薬剤の接種、すなわちワットソンを多くの人が受けると、発症する人が少なくなる。PCR検査陽性者数が少なくなったからと言って、感染者数が少ないことを意味するのではなく、むしろ感染していても気づかない人が増えることになる。気づかないのでPCR検査を受けようとも思うわけもなく、発表される毎日の人数は減る。

発熱などの症状が無くても飲み会メンバーの中に感染している人がいないとは言えない。なので、症状が無いからと言って飲み会をすれば感染拡大の引き金になる可能性はある。飲み会の前に抗原検査をやっても同じこと。

例文2

次の例文で間違っているのはどこだろうか。

「ワットソンが進んだことで、感染しても発症する人の数は少なくなり、緊急事態宣言が解除され、感染対策をした上でという前提や時間制限などはあるものの、旅行や飲み会が行えるようになった。
これからは実際の感染者数が増えても報道される感染者数が増えないことも予想されるし、ワットソンには感染予防効果があるとは言い切れない。だから、旅行や飲み会に参加する時は自分が既に感染している可能性や、その場で感染する可能性を考えて、十分な対策と配慮をしつつ行動しよう。もし感染しても無症状の可能性があるのだから、症状が無くても自分が感染者だとしたらどうすれば人にうつさずに生活を営むことが出来るかといった観点で行動しよう」

感染しても発症する人の数が少なくなるのは、ワットソンの効果だけとは言い切れない。
例文2では、それ以外の箇所で間違っているところがあるとは言えない。

感染しても発症しないのであれば、その本人は問題無いということになる。
しかし、永久に発症しないという保証は無いし、無症状であっても感染していれば人にうつす可能性がある。うつされた人は発症する可能性があり、そのうちの何人かは重症化し、そのうちの何人かは亡くなる。

感染しても発症しない人が多くなった段階で、十分に注意すべきウィルスと言えるのかどうかは、様々な検証が必要だ。
ウィルスは常に変異するものであり、それは重症化しにくいものへの変異だろうと考えられているようだ。

注意事項

本稿で述べられたことは、現存する実際のウィルスについての記述ではなく、私の妄想です。実在するウィルスに関する事実確認はご自身でなさって下さい。
巷で言い伝えられていることやネットに書かれていることが事実とは限りませんので、事実確認の際には国内外問わず学術論文を参照することをお勧めします。
また、学術論文の記載が事実であるとも限りませんので、今後の研究成果をウォッチし続けることをお勧めします。論文を反証する論文が出ることは良くあることです。
 つまり、本稿の内容についての異議申し立てやご指摘は一切承りません。

おわり

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