小説をとるか映画をとるかドラマをとるか
これだけ溢れかえっていると選ぶに困る。
それでも、タイパなどと言って早送りなどしたくはない。
「もうドラマはいい、私の時間を奪われたく無い」という名言を吐いた人(私の連れだ)もいたが、時間と引き換えに楽しめるのだから私はそれでも構わない。
問題はこれらのどれか一つを選ばなければならないことだ。小説を読みながら映画を見る様な芸当は私には出来ない(連れと違って、音楽を聞きながら勉強は出来る)。だから読み始めたら後悔したくはないし、見始めたらのめり込みたい。
一体どこから面白くなるのだろうと邪念を抱きながら映画やドラマを見続けるというのはゴメンだ。だから、かなりの時間を掛けて選別をすることになる。気がついたら物色に半日以上を費やしていたということもある。ドラマなら3,4話は消費出来る時間だ。それはそれで少し損をした気になる。だったら、最初に気になったあの作品を見ておけば良かったと思う。
思えば、物色に時間をかける癖は昔からあった。
本屋に行けば棚という棚の間を巡るのが好きだった。目に飛び込んでくるタイトルや表紙で気になったものを手に取ってパラパラを眺める。読むのではなく眺める程度だが、何かを感じ取っては棚に戻さず左手に持つ。何も感じ無ければ今はお別れだねと棚に戻す。立ち読みをする訳でも無いのに、気がつけば1,2時間、同じ本屋の中にいたということはよくあった。
CDショップでもレンタルビデオ店でも同じだった。
あれこれと眺めながら良い作品との出遭いを探しているその時間は、濃密で豊かだった。
それに対して、日用品の買い物はすこぶる早い。予め買うもののリストを頭の中に用意して、店の配置と照らし合わせて一番効率的なルートでカゴに入れていく。
衣類や装飾品の場合も早い。いくつも手に取ったら切りがないし、だいたい最初の直感が正しかったりするからだ。
だから連れからは、買い物が早すぎる人と思われている。本屋やCDショップに行かなくなった今では、そう思われても仕方がない。
さて、今日はどうするか。
天気が悪くて、寒くて、少し体調が良くない今日みたいな日には、途中で眠ってしまっても構わないような作品を流すのも悪くない。溜まっている本を消化するのもいい。逆に、あまりダラダラとせずに、あえて少し身体を動かすのがいいのか。ずっと放置している部屋の整理をした方がいいのか。それとも気になっている仕事を先に片付けるか。
こうして今日やることを物色している時間は何も生まない。
けれど、何も生まないのも悪くはない。
おわり
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