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Netflix『サルベーション』

 数カ月後に地球に巨大な小惑星が衝突する。
 誰がどうやって人類を救うのか。

 使い尽くされた舞台設定だが、人類の存亡に関わるほどの自然の危機と言えば氷河期の襲来か隕石衝突だろう。
 他にも似た舞台設定としては巨大地震や火山の噴火、ハリケーン、トルネード、そして津波や洪水が挙げられるが、災害規模としては小惑星衝突を超えるインパクトを持つものは無い。

 小惑星が地球に衝突することは空想だけの話と言うことではない。日本沈没よりも実現可能性は高いだろう。だから、例えドラマとはいえもし実際にそんな事が起きたらどんな気分だろうかと考えてしまう。
 地球が滅びる位の規模の大災害ということは、逃げるという選択肢は無い。つまり、死を受け容れる事が必要になる。地球上の全員が。
 ドラマや映画のように小惑星を破壊して衝突を回避するなんて言うことは非現実的なことで、イーロン・マスクですら無理であろう。

 『サルベーション』はドラマだから、当然のように小惑星を破壊する事を模索する。世界中の天才科学者・技術者が集められて検討される。
 しかし、世界の死を目前にしてもなお人には逃れられない性がある。それがこのドラマのテーマだろう。
 何故そんな時に世界が結束出来ないのか、悪が暗躍するのか、私利私欲を尽くそうとするのか。でもまあ、そんなものだろう。足掻いても無駄だと分かっていても、無意味な戦いだと分かっていても、人は「正しい」選択をするのが難しい。

 いつ隕石が降ってくるか分からないし、それで人類が滅びる可能性は十分にある。だから、今のうちから予習しておいても損はないだろう。
 絶滅を受け容れるために。

おわり


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