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愚痴を言い出したらおしまい

 会社への愚痴や不満を口にしだしたらおしまいだと個人的には思っている。
 想像の産物でしか無い『会社』への文句は、自分自身への不満が投影されたものだからだ。
 そんな私もかつては密かに愚痴っていた。

 不満を口にする人に、その不満を解消するために何か努力をされましたかと聞くと、していると言う。前の上司にもその前の上司にも、ずっと言い続けていると。
 上司なる人に不満を告げることと、改善に向けた工夫や動きをすることは根本的に違う。
 不満の解消は個人が主体で、問題点の改善は組織が主体だ。不満に思っていることが解消されることが自分のためになるのか、誰かのためになるのかの違いと言っても良い。

 会社は社会や顧客のためにあるのと同時に社員のためにある。けれどそれは特定の個人のためにあるということではない。全体としての機能を支える存在として社員を大切に扱うとしても、誰か一人を優遇する余地はない。
 不満を言う人は自分のためというより他の社員のことも考えて言っているのかも知れないが、そう聞こえないことの方が多い。

 差別の話などであれば別だが、個人的な処遇についての不満を言ったところで上司は何も出来ない。その人の処遇だけを変える必然性が無いし、まして成果が上がらない理由を処遇のせいにして他部署に行けば成果を出せると言われても、成果を出してみてから言ってみようと思われるだけだ。

 何か上手く行かないことがあると自分以外のせいにするのは人間の特性だからある意味仕方が無い。愚痴を言いたくなる性質が人間に残されているということは、きっと何か理由があるのだろう。進化の過程で淘汰されなかったのだから。
 それでも、少なくとも会社においては愚痴が何かを解決してくれることは無いから、愚痴りたくなった時は、難しいかも知れないが自らを省みるしかない。
 上手く行かないのはもしかしたら自分の考え方のせいなのかもしれないと。会社のせいで自分がこんな目にあっていると思っていたが、自分を虐める意志を持っている会社という生き物がいるなんて訳もなく、自分が置かれている環境には何らかの理由や意味があるのだろうと。
 どうしたら自分がこの状況から脱却出来るかではなく、どうしたらこの状況で自分が最大限貢献出来るのかを探るように切り替えて考えられれば、結果として自分にもメリットがあるのではないだろうか、と。

 まぁ、それが出来ないのも人間だけれど。

おわり

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