⑨ 「何を教えるか」は明確に決まっている

⑧まで長々と小学校の国語科の授業で何を教えるかについて述べてきました。実は「何を教えるか」については、私が申し上げるまでもなく明確に決まっているのです。これは、日本国中どこにおいても、公立や私立の別なく同じものなのです。
「何を教えるか」について書いてあるものが『学習指導要領』です。文部科学省の告示ですから当然法的な拘束力を持つものとなります。⑧までで私が述べてきたものは、この『学習指導要領』に書かれていることを私の観点で整理したものとなるのです。
学校教育法30条では、学力とは「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「主体的に学習の取り組む態度」がその要素として示されています。国語科で育成する学力について言えば、「知識及び技能」とは「母語として『自然と身についてはこない』」ものであり、漢字や言葉の意味、ことわざや慣用句、敬語などがそれにあたります。「思考力、判断力、表現力等」とは「母語として『自然と身についてくる』」ものでありますが、さらに学び直して意図的・計画的、効果的に活用できるように高めていく必要があるものです。そして、それは「物語的思考」と「論理的思考」という大きく二つの思考の在り方を基にしたものとなります。
学習指導要領では、国語科の「思考力、判断力、表現力等」を、さらに「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の三つの領域に分けて示しています。母語を用いる場面を三つに分けて考えていくということになります。

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