【旅レポ】舞鶴と天橋立と特急
夏頃にやっていたサイコロきっぷというキャンペーンを利用して旅行へ行った。
往復5000円でサイコロの出た目の行き先に行けるというキャンペーンだが、私たちの出た目、つまり行き先は京都の舞鶴。
恥ずかしながらはじめて耳にする場所だったのだが、天橋立と聞いてようやくピンときた。
なんにせよ旦那とはいちども行ったことのない旅行。楽しみすぎて居ても立っても居られない。
ついには旅のしおりをつくって念入りに準備した。
しおり制作についてはこちらの記事をぜひ!▼
しおりは張り切ってつくったのに、特急券の予約が遅くなり、予定していた時間の席が埋まってしまうというハプニングが発生。
早朝の席を取ることでヒヤリハットを解決したものの、まさかの4時起きという、朝が弱い人間にとって「もう寝ないほうがいいんじゃ」という白目をむく課題が立ちはだかった。
ひとまず早く寝るしかもうやれることはないと速やかにベッドにイン。
参った。ウキウキしすぎて眠れねえ…
昔から遠足など楽しみなイベントの前はいつもこうだ。結局ほとんど眠れず、血走った目で旅行が幕を開けた。
電車を乗り継ぎ、京都から特急『きのさき』に乗る。京都駅で駅弁を調達。無性にのり弁が食べたくなってシンプルなのり弁を買った。
チラリと見えるのはサッポロ黒ラベル。起きてから時間が経っているので昼の気分だったが、この時点でまだ8時台という現実。正月でもこんな時間には飲まない。最高です。
ゴトンゴトンと揺られながら、景色はしだいに緑豊かになっていく。10月はじめはまだ暖かさも残り、紅葉の気配もない。
「楽しみだねえ」という言葉もそこそこに、家でも爆睡していたはずの旦那が隣で眠り始め、かたや未だ眠れない私は川や緑をアテにのんびりビール。
何かにつけて真逆をいく私たちらしい過ごし方だ。
ぼうっと車窓をながめているとあっという間に綾部に着き、乗り換えていちど西舞鶴へ。そこからさらに京都丹後鉄道に乗り換える。
この鉄道がまたレトロで、なんとも雰囲気がいいのだ。
しばらく列車が進んだ頃、不意にまわりの人がソワソワと外を見始めた。そして次の瞬間には小さく歓声が上がり、木ばかりだった景色がぱあっと開けていた。
座っていると片側しかよく見えなかったが、両側が水に囲まれていたときもあったように思うので、もしかしたら座席の間に立っている方は列車が水に浮いているような気持ちを味わえたのかもしれない。
感動もひとしおに、ここでようやく私に強烈な睡魔が到来し、意識喪失。
次に目が覚めると目的地の天橋立駅で、今にも寝過ごしかけていた。なんで旦那はいつも寝てるんだ!
天橋立周辺にはレンタサイクルがたくさんあり、自転車で天橋立を渡ることができる。私達もそのようにしようと計画していたが、いい雰囲気のカフェがあったので小休止をしていくことにした。
天橋立にかかる橋の手前で水を近くに眺めながらお茶することが出来る。
旦那が頼んだ黒豆タルトには名前のとおりゴロゴロと黒豆がつまっていて、上品な甘さで想像以上においしかった。
天橋立は全長3.6km。自転車で渡るとおよそ20分ほどで渡れる。途中には茶屋のようなところや、休憩するベンチやトイレもあったので、休みながらゆっくり渡ることもできる。
道の脇から砂浜に出れば、いくらでも写真どうぞと言わんばかりのきれいな景色が広がっている。
渡ったあと、すぐに見えてくる元伊勢籠神社を参拝。神聖な場所だと思っているからなのだろうか。なんだか自然に背筋が伸びるような気持ちになった。
国家でおなじみのさざれ石もここにある。突然現れるので通り過ぎそうになるが、立ち止まってみると思っていたよりも大きかった。
大阪に引っ越す前に伊勢神宮へ参拝しに行き、御朱印をもらっていたことから、こちらでも御朱印をもらいたいと思っていた。
本来伊勢神宮は外宮から回らなければならないところを回れておらず、やや心残りではあるが、並んでいるのがなんだかうれしい。
ちょうど昼食の時間になったので、予約していた『よし乃や』で、あらかじめお願いしていた地イカの贅沢丼を。
じつは今回の旅ではこれをかなり楽しみにしていた。
ご飯よりも圧倒的に多いイカ!まったく臭みがなく、するすると食べてしまう。名前のとおりの贅沢丼だ。お吸い物もアサリの味がしっかりとしていて染みる〜。満腹で大満足。
店のすぐ近くにケーブルカー乗り場があるので、そこからリフトに乗って『天橋立傘松公園』へ。
この日はとにかく天気が良く暑いくらいだったが、おかげで大満足の景色が拝めた。
お決まりの股のぞきもしっかりやってきたが、昔の人ほどの想像力はなく、「うぅん、まあ違った感覚で見れるね」くらいの凡人感想に終わった。
お土産を買いながら来た道を戻り、途中で天橋立ワイナリーに寄り道。ついでに行こうくらいに思っていたが、これが自転車では意外に遠く、残り少ない体力にヒヤヒヤ。
ここ最近歩くようにしているにも関わらず疲労困憊だったので、もしまったく運動せずに行ってたらと思うとゾッとする。
体力的にはオーバーだが、時間的には予定どおり西舞鶴の宿『銀水閣』に到着。民家のような外観に少し戸惑いながら入ったが、あたたかく迎え入れていただけた。
案内された部屋での夕食は地酒のついた豪華な和食!
とくにサバの燻製が珍しく、興味津々。箸を入れると脂がぶわっと出てきて、口に入れてさらにびっくり。スモークチーズのような香りがしっかりと香るのだ。その濃厚な味に、瞬く間にごはんが消えていった。
お酒は『大辛口 酒呑童子』という京都丹後の地酒。これが辛口なこともあり、クセもなく食事に合う。うっかりグイっと飲むと後悔しそうだが、セーブするのが大変な飲みやすさだった。
温泉は各部屋ごとに時間で分けて貸切。温泉というより、大きなお風呂という表現がしっくりくる落ち着く浴場で、ゆったりと疲れが癒された。
客室やお風呂をはじめ、館内すべてが今までに泊まったどこよりも清潔できれいにされていた。
旅館の方も親切に声をかけてくださり、また泊まりに来たいと心から思える宿だった。
2日目は冒頭の特急券取り忘れ問題から、早い時間の特急で帰らなければならず、少しだけでも観光をと急ぎ足でバスに乗り、東舞鶴へ向かった。
目的地は赤れんがパーク。
ずらりと並ぶ赤れんがの建物の中にお土産屋さんがあり、そこでサッと買い物をした。
宿のスタッフさんが案内してくださった観光協会のキャンペーンで、お土産の購入時に使えるクーポンをいただいたので、かなりお得に買い物ができた。
全体で見ても、そもそもサイコロきっぷというキャンペーンで交通費も抑えられているのに加え、宿泊代も地域のキャンペーンで数千円安くしてもらえたりと、いいのかしらと思うほど旅行代が安くなった。
時間が迫っていたので、赤れんがの奥に見える軍艦を眺めて旅のフィナーレ。
と、思っていた私たち。
帰りの特急は東舞鶴から京都駅まで乗る特急『まいづる』。観光のことばかりでとくに何も調べていなかったが、
「ん?なんかオシャレじゃない?私たちこれに乗るの?」
「え、なにこれ?」
「なにこれぇぇぇ!!!」
最後にしてテンション爆上がり。どうやら『丹後の海』という特急列車らしく、JR九州の『ななつぼし』の列車デザインをされた方がリニューアルを担当されているとのこと。
ひとしきり興奮して落ち着いたあと、発車したあとに眩しかったので日除けを下げると
「ブラインド、お前もか」
また来たときにも絶対これに乗らせてくれよな、と思いながら舞鶴を後にしたのだった。
帰ったあとに自分たちへのお土産にと天橋立ワイナリーで買ったワインを開けて乾杯。
ハプニングがあったりへとへとの旅だったが、「やっぱり旅はいいな」とあたり前の着地点に落ち着いたのだった。
この記事が参加している募集
最後までお読みいただきありがとうございます! サポートまでしていただけたら、飛びます🚀 学びのレベルUPに使わせていただきます!ウォァァ!🔥