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言葉はアナログデジタルコンバータ
会社でよく議論をする。ぼくは弁証法(ここでは触れない)というのが大好きなので、必死で議論して真理に近づくことを目指すが、やり方を間違えると徒労に終わる。
以下のミスが非常に多いので気を付けたほうがよい。
まずは「付き合ってる」と「友達」は、どこから付き合ってるでどこから友達だろうか。その閾値は観測できそうにない。
なので、みんな好き勝手に主観で「ちゅ~したら付き合ってる~」とか「何を破廉恥な、手をつないだらもう付き合ってるでごわす」とか言っているわけだ。
皆この話大好きだから、いろんなところで議論がおき、多数決で勝った閾値が社会通念化していくのだろう。
そもそも恋愛とはグラデーションだ。お互いだんだん好きになっていったりするわけだから、きっちりどこからが「付き合ってる」と言えるかなど決められやしない。
結婚はハンコをついたときから結婚してそうだが、厳密にいうと、ハンコをつき始めて判子が紙にちょこんと触ったときからなのか、がっつり判子が押された時なのか、受理されてからなのか、微小区間に寄ればやはりグラデーションでわからない。
僕たちの住むマクロの世界はすべてグラデーションで、アナログだ。万物を構成する最小単位、つまり、1粒1粒が観測出来ない。分子の中の原子の中の量子の中までは見えない。
アナログなパラメータが複雑に絡み合い、僕たちは難しすぎて何も考えられないし、相手に伝えることもできないから言葉というデジタルコンバータを発明した。
祖先の雄:(うーん、どこから好きでどこから嫌いとかわかんねえけどとりあえず)好き!
祖先の雌:(なんとなく伝わったわ)わたしも好き!
みたいな感じだ。結構無理やりだったもんだから弊害もある。
例えば朝まで生テレビとかで、
大学教授A:「チューは付き合ってからだよね~」
専門家B:「いや、そんなことないね、付き合う前でもチューあるでしょ」
みたいなディベートをしたとき、実はこの二人は議論も佳境の明け方くらいに、
大学教授A:「付き合ってるというのは手をつないだら付き合ってるという定義でお届けしてますが」
専門家B:「え、やることやっちゃったらじゃないの!?」
っていうお互いの定義の違いに気が付く。
おんなじこと言ってたんかい!っていう落ちで今までの議論が水泡に帰す。
議論が意味なかったばかりか、今にも取っ組み合いを始めんばかりの形相で、確実に仲悪くなっている。
世の中の言い争いや巷の議論は、結構これがある。
言葉の定義はなるべくしっかりしよう。
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