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夏の風物詩オカルト話

おはようございます。谷口純也です。
7月ももう少しで終わりが見えてきたのですが、夏はまだまだこれからです。
そんなまだまだ続く夏に必ずと言って話題になるのが、オカルトですね。

そもそもオカルトとは?


一般的には心霊現象や怪談、ホラーなど、人に恐怖を与える怪異現象のことや、それに加えて超能力や未確認モンスター、UFOなどの「非科学的」とアカデミズムから否定されている超常現象全般を含めたジャンルを指し、通常そのような意味で使われています。また、たとえば最近のSNSなどの言論空間では、科学的に根拠の乏しい民間療法や、ある種の稚拙な政治的・社会的信念に対して烙印を押す、ネガティブな言葉としても使用されています。

しかし本来は、オカルト(occult)は、ラテン語の「隠されたもの、秘密」を意味するoccultus、古イタリア語の occulō を語源としています。つまりオカルトとは人間の感覚や思考が感知、認知し得ない、あるいはまだ認知する術を得ていないがゆえに知ることができず隠されているもの、を意味します。そしてそれを探求することをオカルティズムと言います。「世界の隠された秘密を追求する(解き明かす)」ことがオカルトの意味なのです。

オカルト」の歴史を紐解けば、幾何数学の祖とされるピタゴラス(Pythagoras)は、古代の秘密教団の教祖であり、現代でも占いに使われる数秘術の生みの親。
ヘレニズム時代(B.C3世紀~1世紀)にヘルメス・トリスメギストス(Hermes Trismegistus)によってあらわされたとされるヘルメス文書に解かれた錬金術は、後の化学の基礎となっています。
18世紀、かの不可知主義者 (人間が知ることのできる物事には限りがあり、世界の全てを認識することはできないという考え方) の代表とでも言うべき哲学者カントにも一目置かれた大神秘思想家エマヌエル・スヴェーデンボリ(Emanuel Swedenborg)は、後のゲーテやノヴァーリスなどの文学者、美術家に大きな影響を与えています。
人類は常に「世界の隠された秘密」について探求し、その封じられた秘密の扉をこじ開けようと努力してきたのです。

そして産業革命以降、物質文明が拡大する中でも、19世紀には一大心霊ブーム、新たなオカルティズムのブームが到来します。イギリスでは、フリーメイソンリーの結社の一つである薔薇十字団から組織の刷新を図った黄金の夜明け団(Hermetic Order of the Golden Dawn)の活動を通じて、アレイスター・クロウリー、ダイアン・フォーチュンら、「近代魔術」と呼ばれる著名な魔術師、神秘思想家が輩出され、後の占星術やタロット占い、ハードロックなどの若者文化などに発展します。

オカルトの歴史に則して見てみても、様々な文化形成をされる段階でオカルトの在り方も変わってきたようです。
国によってもオカルトに対するイメージも異なるのも面白い点ですね。
いつになってもオカルトの世界が人々の興味としてあり続けるのではないでしょうか。

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