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むくろ人形の不思議な話1【赤い光】

『赤い光』

怖い話とラベリングするほどではないけど、どうにも不可思議な話をまとめるシリーズです。

2019年3月17日にした話。

私が幼少期、多分小学一年か二年の時に体験したであろう朧げな記憶の話です。

今や記憶なのか想像なのかあやふやなんですけど、たまにフッと思い出して「なんだったんだろう…」となって、気がつくと忘れているんですよね。

もうみんな死んじゃってるんですが、私母方の親戚が東京近郊の海よりの県に住んでまして、当時はよく父と母と私の3人で車で泊まりに行っていたんです。

その時も、秋頃だったと思うんですけど、色々荷物持っておじいちゃんとおばあちゃんの家に3泊くらいしたんですよ。

最終日の昼頃、みんなでコタツ入ってて「最後の晩飯何にしようか?」ってなって、秋も深まってもうそろそろ冬、というくらい寒かったので「じゃあお鍋にしようか」と。

おじいちゃんは家に残り、グルメのおばあちゃんが「良い材料を揃える!」と私ら家族連れて車で行ったんですよ、買い出しに。

でもおじいちゃんは行かなかったんですよ。

いつもは車運転するのおじいちゃんなのに。

で、出かける直前、みんなが買う物確認しに台所行ったり、父は車回しに外出たりしている時に、コタツに座るおじいちゃんがなんかのアルバム見てるのが気になって声かけたんですよね。

「何見てるの? 行かないの?」

「今日はいいや。これはアルバムだよ。お前も写ってるよ、ホラ」

見たの、おじいちゃんに連れられて数年前に行った公園で撮った(と思う)写真で、おじいちゃんの腕に抱かれた私が目つぶって寝てて、隣に全然知らないおばさんとか沢山いるんですよ。

でも、この写真撮ったときのことは、数年前のことなんでしっかり覚えてたんです。

その時、おじいちゃんと2人でそのデカい公園に車で行って、入り口にある変なデカいオブジェを俺が見上げてたら、嘘つきで評判だった悪戯好きのおじいちゃんに「アレはダイダラボッチなんだぞ」って言われたふざけた記憶もしっかり覚えてる。(それもこわい)

でも、その写真に写る人たちはマジでこれっぽっちも見覚えがないんですよ。

それが超怖くて固まってたら、おじいちゃんが普通の感じで「ほい、あげるよ」って写真くれて、近くで見ると余計その知らない人たちが怖くて、私、「いらない!」って写真グシャっとやってゴミ箱捨てて走り去ってしまったんですよね。

で、申し訳ない気持ちと怖い気持ちで車の後部座席でうなだれていたら、おばあちゃんに気づかれて「どうした落ち込んで。帰りにおもちゃ屋寄るか?」って。

で、私アホなんですぐ持ち直しました。
(今はなきハローマックでマイティマックスシリーズを買ってもらったんですわ)

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で、諸々の買い物終わって、おもちゃも手に入れた俺はホクホクで家帰ったんですよ。

で、ここから謎で話自体も支離滅裂になるんですけどね、おばあちゃん家戻ってみんなが台所で買い物袋開けてる時、私コタツで早くマイティマックスを開けてブンドドしたくて、走って木造の家の薄暗い廊下走って、石油ストーブの匂いがするあったかい居間にバッと入ったんですよ。

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そしたら、おじいちゃんいないんですよ。

テレビついてて部屋もあったかいのに。

で、「トイレ?」ってなりつつもコタツ入って、おもちゃ開けようとコタツの上のアルバムどかそうとした時に、出かける前のこと思い出したんですよ。

急にドキッとして、嫌なら止せばいいのにアルバム開いたんですよ私。

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そしたら、出かける前にグシャっと丸めて捨てたはずの写真が、きれいに収まっているどころか、片ページ全部その写真になってたんですよ。

意味わかんなくて泣きそうになっていたら、おじいちゃんが「戻ってるよなぁ、変だよなぁ」って笑いながら部屋入ってきて、最初怖かったんですけど、ちゃんといたずら好きのいつもの知的でカッコつけのおじいちゃんだったので、少し安心して「なんで⁉︎」って聞いたんですけど、「わかんないんだよ〜」って教えてくれませんでした。

で、そっから記憶途切れてて、覚えてるのはもう帰路に着いてて、車の後部座席で、高速乗りながらラジオ聞いて横になってる記憶なんですよ。

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鍋の記憶とか一切ない。

で、東京の家着いたんですよ。夜の23時過ぎくらいに。

で、家マンションだったんで親父が私に「荷物下ろして行くから鍵開けて中で待ってな」って鍵渡してくれて、「1人ちょっと怖いな…」ってなりながらエレベーター乗って、二階着いて、鍵開けて、リビング抜けて、自分の部屋の扉開けたんですよ、そしたら

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私の部屋の中が真っ赤で、ブーンブーンブーンって何かの機械音みたいのが充満してて、クラァーって、なんていうんですか、こう立ちくらみみたいな感じになって、ドアノブ掴んで膝着いちゃったんですよ。

よく見ると赤いのはブラインドの隙間から真っ赤で強烈な明かりが漏れて部屋照らしてたんですよね。

一瞬、外の車のテールランプかと思ったんですけど、鍵渡されて行く段階でもうエンジン切ってたはずだし、外に救急車とか停まっていた記憶ないんですよ。

で、固まってたら背後から人来る気配して、でも玄関開ける音しなくて、その瞬間、振り向くか部屋入るか脳内で天秤にかけて、部屋選んだんです。

ブラインドに背を向けて目つぶってドアノブギューーッと握りしめて開けられないようにしてたら、フッとブーンブーンという音が止んでることに気がついて、振り返ると部屋普通で、恐る恐る扉開けると、父と母がもう普通にテレビ見てお茶飲んでて。

「えっ」ってなって。

20分位経ってた。

混乱して、わけわからなくなりながらリビング入ると、父はテレビの前で横になってイビキかいてて、母は泣いて変な顔になってる私見て「閉じこもって返事もしなかったと思ったら…どしたの?」って。で、言っても「?」な感じで。泣きながら寝ました。

意味不明だけど、これでおわり。

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