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不条理短篇小説

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現世に蔓延る号泣至上主義に対する耳毛レベルのささやかな反抗――。
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2022年5月の記事一覧

短篇小説「芝生はフーリッシュ」

短篇小説「芝生はフーリッシュ」

 どうやらわたしは公園のベンチで、サングラスを掛けたまま眠り込んでいたらしい。おかげで昼か夜か、起きてすぐにはわからなかった。サングラスを外すと、これまでに見たことのないような、色とりどりの世界が目の前に広がった。色とりどりにもほどがあった。それはつまり自動的に、夜ではないということになる。

 正面にフーリッシュグリーンの芝生が広がり、それを囲い込むように配置されたオールドスクールレッドのベンチ

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