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井上智公
2020年3月17日 01:46
《「反日常」的な「異常」を、一見「平凡」な「日常」の形に「異化」する方法は、日常そのものを、そういったグロテスクなファンタジーの構造に組立てる方法だったと思う。ファンタジー(幻想的な世界)は、別にわれわれの生きている「日常」の外側に、別な世界としてある必要はない。「日常」の世界の事物(人間)と事物(人間)との関係、組合わせ、配列というものを一つの構造としてとらえ直してみれば、「日常」そのものがすな
2020年3月17日 01:37
《『変身』は、悪夢小説といわれているとしても、決して夢を書いたものではない。しかしそこには、夢の方法が用いられている。つまり『変身』は、夢を書いたのではなく、夢の方法によって書かれているわけだ。夢の論理によって書かれた現実なのである》(後藤明生『笑いの方法――あるいはニコライ・ゴーゴリ』)