名文引用箱

《「反日常」的な「異常」を、一見「平凡」な「日常」の形に「異化」する方法は、日常そのものを、そういったグロテスクなファンタジーの構造に組立てる方法だったと思う。ファンタジー(幻想的な世界)は、別にわれわれの生きている「日常」の外側に、別な世界としてある必要はない。「日常」の世界の事物(人間)と事物(人間)との関係、組合わせ、配列というものを一つの構造としてとらえ直してみれば、「日常」そのものがすなわちファンタジーだということなのである》(後藤明生『笑いの方法――あるいはニコライ・ゴーゴリ』)

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