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「好き」の賞味期限 / 書く習慣1ヶ月チャレンジ Day20

これまでで1番の後悔


毎日小さな後悔をしている。ああすればよかった、ああ言えばよかったなど、反省は尽きない。

しかし、大きな選択で後悔していることはないかもしれない。全部自分の意思通りに選択してこれたわけじゃないけど、今は「あれはあれでよかったな」と思えている。

強いて挙げるのであれば、好きな人に好きだと言えなかった経験だろうか。

「あのとき付き合えていたら」とかそういう訳ではなくて。勇気を最大限振り絞るという経験ができていたらよかったなと思うんです。

今回は、人にもほとんど話したことがない過去の恋愛について振り返ってみたい。


小5のとき、北海道から転入生がきた。その子がクラスに入ってからすぐに、泊まりの自然体験教室があった。

転入生に興味津々だった私は、バスに乗り込むと、しれっと近くの席に座った。

同じ考えで近くの席に座ったクラスメイトたちと一緒に、彼を質問攻めにした覚えがある。北海道の話が新鮮で面白くて、もっと話したくなった。

転入生がクラスに馴染んでからも、ちょくちょく話しかけに行っていた気がする。少しシャイな彼が、だんだん自分に慣れてくれているのが嬉しかった。

中学校の1,2年も同じクラスになった。周りから「仲いいよね」と冷やかされることもあった。

でも、好きなのかと言われると首を傾げてしまうような感情だった。他の子が言う「ドキドキ」は感じていなかったから。

そんなこんなしているうちに、高校受験の時期になり、彼が県外受験することを知った。正直実感はあまりなくて、「そうだよな、転勤族だもんな」とぼんやり思いながら、詳しいことは聞けずに卒業した。

最後に彼と会ったのは春休み。ご丁寧にお母さんがプレゼントを用意してくださったとのことで、「公園で渡すわ」と連絡をくれた。

公園でプレゼントをもらって、ちょっと話して、あっさり別れた。案外こんなもんか、と思ったけれど、帰り道で急に涙が溢れてきた。


私はやっとこのときに「好き」という感情を自覚した。気づかないふりをしていただけかもしれないけれど。

あのとき、「好き」と言えていたらよかったな。

鮮明に覚えている恋ではあるけど、もう当時のような気持ちはない。過去の素敵な思い出だ。

中学生の私が、中学生の彼に、好きだと伝えられていたら、という後悔なんです。「あのとき好きだったんだよ」っていうのは違うんだよな。

「好き」は、その感情があるときに1番真っ直ぐ伝わるものだと思うから。好きでいるときに、「好き」と言える人でありたい。

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