見出し画像

思い切って飛び込んだら意外と泳げたりするのかも / 書く習慣1ヶ月チャレンジ Day21

これまでで1番のチャレンジ


私の地元は静岡だ。転勤族ではなかったので、生まれてから高校生までを静岡で過ごした。

静岡は本当に住みやすい。静岡出身の人は、けっこう地元愛が強めな気がする。高校の同級生も、静岡の大学に進学する子が多かった。

私もなんとなく、「このままずっと静岡にいるんだろうなあ」と思っていた。高校1年の三者面談までは。

特に進路について考えていなかった私は、ふわふわしたまま面談に臨んだ。「農業が今のところ1番興味ありますかね〜」なんて話していると、先生が大学のパンフレットを持ってきてくれた。

「農業だったら北海道で勉強するっていう手もあるよね」

急な進路候補に戸惑いを隠せない私よりも、母の方が食いついて話を聞いていた覚えがある。

家に帰ると、「北海道見に行ってみようよ」と言い出し、その年の夏に北海道での家族旅行が決まった。

それぞれ仕事やら部活やらで予定が合わず、私は1人で行って現地集合することになった。

通学は徒歩や自転車だったし、まして飛行機なんて乗ったことがない。携帯もまだガラケーだったので、時刻表を印刷して持っていった。

空港からアウトレット行きのシャトルバスに間違えて乗り、本来乗るはずだった2時間に1本のバスを乗り過ごした。2時間後にやっと家族と合流できたときは、心底ほっとしたのを覚えている。

そんな思いをしてたどり着いた北海道で、大学のキャンパスに足を踏み入れた瞬間、私の心は決まった。

親鳥を初めて見たひな鳥みたいなことかもしれない。素直なひな鳥だった私は、ろくに他の大学を調べもせずに志望校を決定した。

今だったら一旦色々調べて比べて決めると思うが、当時のこの思い切りの良さがいい。実家を出ることも、知らない場所へ行くことも、別の土地で育った知らない人達に会うことも、私にとってほぼ初めての大きなチャレンジだった。

初めて目の前の景色が大きく開けた感じがしたのだ。

そんな未知の世界だった北海道も、6年もいると日常になる。雪が降らないところで育ったけれど、意外と生活できるもんだ。

だから、今「チャレンジ」だと思っていることも、やってみたら馴染んでくるんじゃないだろうか。取り掛かっていないからしり込みするけれど、一旦飛び込めば意外と泳げるもんかもしれない。

最近「チャレンジ」という言葉自体にも抵抗を感じるようになってしまっていたけれど、飛び込んだ後の水の中は意外と穏やかだってことは忘れずにいたいなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?