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「ロリコンは殺すしかない」怪獣化するロリコンを少女たちが殲滅する『はじめての虐殺』

「こいつらロリコンだから ロリコンは殺すしかないんだよ」

第一話の冒頭から少女たちのこんなメッセージと共に大虐殺を開始する漫画があります。

タイトルの『はじめての虐殺』というキャッチーな印象とは裏腹に、もうこれでもかという勢いで少女たちがロリコンの大人たちを虐殺していくシーンは圧巻です。

この作品世界では、ロリコンとは病気に侵された特殊な人々のことであり実際にロリコンの因子を持つ者はまるで『仮面ライダー』に登場するような怪人へと姿が変貌していきます。ロリコンが人ではなく、本当に虐殺しなければならない対象となっているところが面白い。

ヒーロー物とスプラッターとサスペンスアクションを織り交ぜたちょっと変わった物語構造ですが、全三巻できっちりと完結していて私は思った以上に楽しめました。

この作品の作者である稲光伸二先生は『性食鬼』という作品を連載されていて、コッチは完全に18禁のほぼエロ本です。『はじめての虐殺』は、物語としての起承転結が私の好みですね。

一応『性食鬼』の方も物語は当然ちゃんとありますが、やっぱりエロ&コメディなので『はじめての虐殺』とは全然内容が異なります。

私は、この稲光伸二先生が全作品を読み続けているほど好きで、個人的にも応援しています。

私が先生を推しているポイントは、まずとにかくエロい。そして女性のキャラクターの身体の表現の柔らかさへの執着が異常。さらに、CGを駆使することで作品のクオリティを一定以上に保つ技術を、アシスタントスタッフ含めて共有している点です。余談ですが、その昔ビッグコミックスピリッツで麻雀漫画『ナイトクレイバー竜一』を連載されていたとは思えない!

ここ数年すごいスピードで進化し続ける漫画業界の中でも、ここまでCGを上手く活用できている作家はそうはいないと思います。

『性食鬼』の方は良い子のみんなは大人になるまで読めないと思うので、今回は稲光伸二作品の中から『はじめての虐殺』をオススメさせていただきます。

全三巻なのでパッと読めて気持ちいいですよ!

WRITTEN by 松山 洋
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