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まるでFF7の世界 逆から読む海外仕様の『Levius-レビウス-』は読んでるだけでカッコいいメカ格闘漫画

とうとうファイナルファンタジーⅦ(FF7)のリメイクが発売されました!

いままでDSやスマホ向けにリメイクされた作品はありましたが、FF7は初。20代後半から30・40代まではど真ん中の世代なので、あの世界(というかティファ)がポリゴンじゃなく滑らかな3Dになるなんて・・・と期待している人も多いハズ。FF7にハマった理由はティファとか、ティファとか・・・、もしくはティファとか色々あると思いますが、やっぱり何よりもあの人と機械と魔法が織りなす世界観ですよね!というわけで、今回は個人的にFF7の世界観を落とし込んだようなクールなバトルマンガを紹介したいと思います。

『Levius-レビウス-』の世界における一大エンタテイメントのひとつが「機関拳闘(ボクシング)」。このスポーツに携わる選手はみな、体のどこかのパーツ(主人公・レビウスの場合は右腕)を機械に替えて戦います。
とにかく相手を戦闘不能にさせれば勝ち!というルール自体は非常にシンプルな格闘技なのですが、普通のボクシングよりも過激で残虐で、試合後の生存率の低さから「最後の檻」と呼ばれています。

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『Levius-レビウス-』(中田春彌/小学館)一巻より引用

主人公であるレビウス=クロムウェルは、この「機関ボクシング」の選手。
イケメンなので女性からの支持も多いという、これだけ見ればまぁまぁありそうな設定なのですが、このマンガはとにかくオシャレ!スタバでMacbook開いちゃうような、洗練された感じと言えばいいのでしょうか。
このマンガを読んでいるオレ、カッコいい……てな感じでドヤ顔できちゃうくらいオシャレです。※もちろん、マンガの中身もめちゃくちゃ面白いです。

というわけで、このマンガのオシャレポイントを早速ご紹介しましょう!

① コマの順番がオシャレ

『Levius-レビウス-』を読み始めると、まず最初に違和感を感じるはず。なぜならこのマンガ、普通の日本のマンガと違って、海外のマンガのように左から読むんです。だから、文字も横書き。

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全編横書き&左開きのグローバルスタイル※『Levius-レビウス-』(中田春彌/小学館)一巻より引用

大暮維人×舞城王太郎の『バイオーグ・トリニティ』も横書きっていうことで話題になりましたが、やっぱり画は右から読むのに文章は左からっていうのがちょっと違和感あったんですよね~。(disってません。私は成人向けコミックも全部コレクションしてる、大暮維人さんの大ファン。)

『Levius-レビウス-』は最初は違和感を感じるんですが、読んでいると全然気にならなくなり、むしろ自然に思えてくるほど。これならすぐに海外版も出せそう。ていうかぜひ海外で流行ってほしい! Cool Japanの底力を見せてほしいです。

ちなみにこの作品、休刊してしまったIKKIで連載されていて、いまはウルトラジャンプで『Levius/est-レビウス エスト-』として連載されているのですが、ウルトラジャンプでもこの作風が継承されてて、このマンガだけ末尾のほうから逆向きに読む設定になっています。

② 超キレイな画がオシャレ

なんか、他で見たことない感じの画、強いて言えばRPG風とでも言えばいいんでしょうか。『Levius-レビウス-』のカラーページは息を飲む美しさで、本当にほれぼれします。これもどことなく日本っぽくないというか、渋カッコいい。

白黒ページも落ち着いた街中のシーンと、激しい機関拳闘のシーンとで描き分けがはっきりしていて、すごくいい感じ。画が綺麗なマンガが好き!という人にはホントおすすめです。

③ 悲痛な物語設定がオシャレ

これまでコマとか画とか、見た目について語ってきましたが、一番の魅力はやっぱりこの世界観です。魔法は出てこないんですが、FF7っぽいな~と思うのは私だけじゃないハズ。

さらっとあらすじを書くと、『Levius-レビウス-』の世界では、昔大きな戦争があり、多くの人が犠牲になってしまったんですね。戦争は終結したものの、多くの傷跡がいまだ残っていて、主人公・レビウスも激しい戦闘に巻き込まれたことが原因で右腕を失い、さらには母親も何も反応がない寝たきりの状態になってしまっています。その後、レビウスは天才的な機関拳闘士として、このスポーツの最上位カテゴリである「Grade Ⅰ」に上りつめようとしていたのですが、対戦相手がアメジスト社の機械を装備していることに気がつくのです。このアメジスト社というのは民間の軍事企業で、戦争請負会社として殺戮兵器を戦場に送り込み、この世界を牛耳っている存在。


対戦相手は、レビウスとその母親を巻き込み街を壊滅させた部隊の兵士です。普通なら仇を討つところ、実はこの兵士、年端もいかない悲痛な過去を背負った少女。彼女もまた、アメジストによって虐げられた被害者なのでした。レビウスは序列戦を勝ち抜き、Grade Ⅰに進むことができるのか。そして少女の運命はいかに――。

IKKIが休刊してどうなることかと思いましたが、ウルトラジャンプでの新連載が始まってホント一安心。安心するとともに、めちゃくちゃ楽しみでもあります。新章となる『Levius/est-レビウス エスト-』を楽しむ為に、そしてFF7リメイク版をプレイする前に、ぜひ。

WRITTEN by 苅田 明史
※「マンガ新聞」に掲載されていたレビューを転載
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