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【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】 ドキュメント漫画家・吉本浩二が描く現代夫のリアル『定額制夫のこづかい万歳』

【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】は、漫画を愛する堀江貴文氏が超多忙を極める合間に読んでおもしろかった作品を毎月レビューするコーナーです。長文レビューもあれば超短文レビューもありますが、そこはご愛嬌。本当におもしろいと思ったものしかレビューしませんので、どうぞお付き合いください。(編集部)

作者の吉本浩二さんは私とガチ同世代。彼の漫画は割と売れてる方だと思う。

だが、子供二人いるとこんな感じになるのだろうか。

お小遣い制という謎の制度にかねてから疑問を持っている私からすると、完全にドMとしか思えない暮らしを47歳(編集部注: 作中では45歳)にもなってやってるのは不思議としか思えないが、おそらくこの生活が快適なのだろうか。

『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』におけるとあるエピソードには、制限があるからこそ喜びが大きいなんて書いてあったけど、私は使える額が制限されていた子供の頃や刑務所の中に戻りたくはない。たしかにちょっとしたことで喜びは大きいのだけど、それはあくまでもその制限の中でのことだ。

とはいえ、お話は非常に面白い。

オーガニックだのトレーサビリティだの、遺伝子組み換えNGだの言わなきゃ現代は格安でほぼ自動のシステムが我々の衣食住を激安にしてくれている

厳しすぎる賞味期限などのせいでむしろタダでもらってくれたらいいくらいに、食料の価格は落ちてきている。コンビニやスーパーの冷凍食品は下手な居酒屋などより美味しい。そして、メルカリなどのリサイクルショップの台頭、スマホブロードバンドの普及で娯楽まで激安化している。つまりお小遣いレベルでも十分楽しめるということなのだ。

新型コロナ騒ぎでこの現象はますます加速するように見える。移動への付加価値が下がってきている気がする。大金を使う機会がどんどん減ってきている。正確には大半の人がそうなっている。もちろんお金持ち層は違う。

しかし、大きく違うライフスタイルかといえばそうじゃない。年代物のシングルモルトウィスキーに高級な氷とソーダを使ったハイボールと、コンビニで買える角ハイボールにどれだけの違いがあるだろうか。酔っ払ったら一緒じゃないのか?

これまでの人類の歴史であり得なかったくらいお金を使わなくていい未曾有の時代を楽しむ一つの回答が、この漫画にはある。

WRITTEN by 堀江 貴文
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