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僕の彼女は障害者#15

精神障害福祉手帳を取得することになって以降、医療との連携や年金の申請など外堀を固める動きは非常にスムーズに進んでいた。
まだ、家の中で暴れることはあったもののピークに比べれば良い方だと感じていた。

■地獄の誕生日

彼女の誕生日がやってきた。
実家の様子を聞くとあまり誕生日を祝ってもらったと言うことはないらしく、お友達関係ではあるけど、、、、と言うイメージらしい。
ただ、まだ体調も万全ではないし私もサポートと仕事の両立で疲れていたこともあったが、良くなかった。

明確な予定も立てずに、どこで食事をしようか?と言う感じで出掛けてしまった。そして、ショッピングをしながら1日を過ごしたら良いかなと考えていた。

車で移動中に不穏な空気になっていた。
出掛けてから彼女が待ったく話さない。
「どうしたの?」
と何回聞いても返答なし。

1時間ほど移動した途中で彼女が話始めた。
「せっかくの私の誕生日なのに何にも予定がないの?」
「何にも考えてないの?」
「もう最悪な誕生日だ」
それに対して、今の状態や自分の精神状況を話して今日はこうしたいんだよと伝えた。
すると、
「違う!!!!」
「誕生日のお祝いは1ヶ月前からレストランを予約してクルーズ船に乗って綺麗な景色を見てお祝いするんだ!!!!!!!!」
「それで指輪のプレゼントをもらうもんなんだ!!!!」
と車中で大激怒!
もう何を言っても止まらない。

■車内で大暴れ

ゴミ箱を投げる
ティッシュを全部出す
服を引っ張って切る
車内のボタンをひたすら押す
とにかく全部投げる
大泣き
叫ぶ
暴れる
運転中に助手席でこんな様子になった。

泣き叫ぶことは今までにもあって、窓を開けたりすると世間の人に見られるからと止まるのだが、今回は止まらない。
なんとか車をコンビニの駐車場に止めてなだめるが全く落ち着く様子もない。
発作が起きたときの頓服があるので服薬を勧めるが吐き出してしまう。

仕方がないので車内から避難して30分ほど遠くで見守っていた。
徐々に落ち着きを取り戻して、車内では涙を流すだけになっていた。
そこで頓服を服薬してもらい、20分ほどで眠りに入った。
そして予定していたショッピングモールにたどり着いた。

この時の状況を病院で話したところ、ドクターから「それは警察か救急車を呼んで良い状況だったよ」とアドバイスをもらえた。
そうか、、、と思った。
彼女のサポートをしてきてここまでの状況になったのはこれまでに3回。そのうちの1回がこの地獄の誕生日だ。

その後は、メイクのお店に行き、プロにメイクをしてもらう初経験。
雰囲気の違う大人っぽい雰囲気の服を買ってトータルコーディネート。
予約はしていないし、クルーズではないけれどレストランで食事。

予定のプランを過ごすことができた。

■学んだこと

誕生日のプランが満足いかないものだったのかどうかよりも、
▼予定がわからなかったこと
▼彼女のイメージがあったこと
▼感情表現の方法が未熟なところ
こんな問題が浮き彫りになる大きな事件だった。

障害のサポートは日々勉強で本当に少しずつの進みだし、
波が上がる下がるの繰り返しだと実感した。

継続15日目
ご覧くださりありがとうございました。

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