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GWにいかが? 【2021年版】 いまどきの大学生が選ぶ、障がい等を取り扱った映画 16選

2021/04/27

はじめに

 昨日は、アメリカ・ロサンゼルスにて、世界最高峰の映画の祭典「第93回 アカデミー賞 授賞式」が開催されていましたね。
 水内の担当する障がい学入門にあたる授業、2020年度「特別支援教育学1」の課題として、大学1年生の受講者たちが、これまで見た映画の中で、障がい等を取り扱ったものを一つ取り上げ、推薦文を書いてみようということを行いました。洋画・邦画・アニメ問わず様々な作品について、若い感性を通して観て感じた、率直でステキな推薦文が集まりました!
 GWにも関わらずコロナ禍で、引き続きStay Homeが求められる中、ここにリストされた映画を見てみてはいかがでしょうか。
 

【ご注意】
・各作品は、描かれた時代背景や、作品として意識しすぎるための誇張表現などのため、障がいや疾患などの名称、障がいのある人の状況が、現代の感覚からは異なるものもあります。
・あらすじや映画の詳細、視聴方法などについては、Amazon Primeのページをご参照ください。
・本noteは学生の課題レポートに準拠して作成しております。もし著作権などに抵触する記載やリンクがありましたら、本ページの管理者である水内までお知らせください。削除・修正いたします。
           水内研究室HP http://www3.u-toyama.ac.jp/mizuuchi/

1.『7番房の奇跡』

 私はこの映画を観て、父と娘の深い親子愛、そして房の仲間たちの不器用ながらも愛しい優しさにとても感動した。障害=涙頂戴という感じではなく、強い絆でお互いを思い合っている親子愛そのものに心を打たれ涙する作品であり、障害も誇張せず、自然に描かれている感じが良かった。また、ヨングの素直で優しく天使のように純粋な心がナチュラルに表現されており、娘のイェスンのチャーミングな姿にも心を惹きつけられた。最初、房の仲間たちや警察課長はヨングのことを見下し、暴力を振るうこともあったが、彼らも周りの人を第一に思うヨングの姿や、イェスンとの深い親子愛に次第に惹きつけられていく。犯罪に手を染めてしまった過去のある彼らも、根底には優しい心を持っていることがよく伝わり、その姿が愛おしく感じられた。
 だが、ヨングは運命の裁判の最終弁論で無実の罪を認めてしまったために、確かな証拠もないまま、死刑判決まで持っていかれるという非常に劣悪な冤罪には腹立たしさを覚えた。警察課長もヨングは犯人ではないと分かっていながらも、警察署長や上層部の権力に逆らうことができず、結局は何の罪もないヨングの刑を実行してしまうその結末があまりにも切なすぎた。しかし、時を超え、弁護士として美しく成長したイェスンが、父の無罪を晴らし、父があの時、本当に守りたかったものを知り涙を流す場面は深く感動した。          
 この映画は、笑いあり涙ありのとても素敵な映画であり、見た後は涙とともに心がほっと温かくなる。そんな“7番房の奇跡”を多くの人に見てもらいたいと思う。(A. I.)

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 この映画は、2013年に公開された韓国映画で、実話をもとにした作品だ。韓国では歴代8位の観客動員数を記録し、韓国でのアカデミー賞とされる大鐘賞を4部門で受賞している評価の高い作品だ。映画のあらすじとしては、知的障害が6歳の父親イ・ヨングが、しっかり者の6才の娘イェスンが欲しがっている黄色いランドセルをプレゼントするために毎日仕事を頑張っている中、突然の事件が起きた。ある日、ヨングは道に倒れている少女と2人きりのところを目撃され、幼児誘拐・殺人の罪で逮捕される。ヨングは「家に帰りたい」の一点張りで話が通じず、刑務所に収監されてしまう。娘はひとり寂しく父を思い、塀の中では父が娘に会いたいと思いを馳せている中、ある大作戦が決行され、、、知的障害のある父親とその娘の強い絆を描いた切なくも悲しい物語である。
 この映画の主人公は知的障害のある方だが、邦画によくあるような、障害が招く悲劇を描き、観客の涙を誘うような映画ではない。主人公とその娘の家族愛や、主人公を取りまく人々の熱い思いから、思わずポロッと泣けてくるような映画だといえる。物語が一筋縄でいかないところも観客が感情移入してしまう理由の1つではないか。映画の中には、警察官が、主人公で知的障害の影響で上手く話せなかったり、判断能力が乏しかったりすることを利用して、都合の良いように誘導尋問や暴力を行った。障害のある方に対する差別が描かれているシーンもあり、改めて社会においての障害のある方の立ち位置や居場所の確保について考えさせられた。また、どちらかというと女の人が好みそうなストーリーであるように感じるため、個人的にはカップルやファミリーで観ると良いのかな、と感じた。重い内容を扱っているが、コメディ要素もあるため、気負いすぎることなく見ることができたと思う。
 私は、この映画をNetflixで観た。残念ながらAmazonプライムではお金を払わないと視聴できないとあった。だが、アクション映画でハラハラした心に沁みるお話だと思うので、ぜひ観ていただきたい作品だ。 (M. T.)


2.『聲の形』

 私がおすすめする映画は「聲の形」です。この映画は、初め連載が見送られた漫画であったのに、どうしても読んでほしいと感じた編集者が、講談社の法務部および弁護士、さらに全日本ろうあ連盟とも協議を重ねた結果、連載が決まり多くの反響を得て映画化した作品です。小学生の頃に聴覚に障害を持つ少女と、少女をいじめてしまったことから孤立してしまった少年が高校生になって再び出会い、改めて関わりを持っていく中でお互いの気持ちに向き合い、壁にぶつかりながらも距離を縮めていくというストーリーになっています。
 この作品の魅力は、聴覚に障害を持つ少女と、その少女となんとかコミュニケーションをとろうとする少年だけでなく、様々な人物が登場して人と人が自分の気持ちを伝え合うことの難しさを考えさせられる点にあります。聴覚に障害のある少女を少年と一緒になっていじめていた子や、人間不信になってしまった主人公の少年を友人と慕い、共に辛いことを乗り越えようとしてくれる子など、物語をより深めているキャラクターがたくさんいます。それぞれのキャラクターに過去があり、「いじめ」について深く考えさせられる場面が多くあります。この映画は、聴覚に障害のある人との関わり方だけでなく、現代にある様々な問題について色々と気づかされることが多いです。「君に生きるのを手伝ってほしい」という言葉の意味が切なくも心に染み渡る作品です。
 この作品の名前である「聲の形」は、作者が「聲」の字は「声と手と耳」が組み合わさってできているという説があることを知ったことと、「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味を込めて、声ではなく「聲」という字を使っています。このことも踏まえて、是非この映画を観てみてほしいです。(M. Y.)

3.『ワンダー 君は太陽』

 この映画は、トリーチャー・コリンズ症候群と呼ばれる遺伝子疾患をもち、人とは違う顔で生まれてきて27回もの手術を経験している10歳のオギー・プルマンという少年が周囲の人の生き方や世界をも変えていく話である。
 オギーは、いつも顔を隠すために宇宙飛行士のヘルメットをかぶっていたが、母親の勧めで5年生から学校に通い始め、外の世界に出て行くようになる。学校では壮絶ないじめを受けるも、次第にオギーがもつ優しさや魅力に気づく生徒があらわれるようになる。また、オギーをとりまく友人や姉などそれぞれの物語があり、オギーが太陽として描かれており、その周りを回る惑星である周囲の人々にも焦点が当てられている点もポイントである。いじめの場面など重いところもあるが、それ以上に、友人や家族のあたたかさを感じられる、明るくユーモアあふれる作品だ。人は見た目だけで人を判断してしまいがちだが、内面を見て、オギーに関わっていく生徒たちの行動力やオギーの優しさから学ぶことが多くあるのではないかと思う。私が印象に残った言葉は「最も魅力的である人とは自分自身の魅力で多くの人の心を動かす力を持っている」という言葉であり、これはオギーのことを指していると分かる。それとともに終了式で奇跡が起こる。それは、オギーが、最も優秀な生徒に送られるヘンリー・ビーチャー賞という賞を受賞することである。オギーや彼を取り巻く全ての人にとって忘れられない日々を描く感動の作品だ。
 この映画では、最初の方から「普通」という言葉が多く使われているが、私は、人々に普通とはどういうことかを考えさせているようにも感じた。これは、障害について描くことで感動を誘うようなものではなく、とても楽しい気持ちで見ることができた。障害があることは、なにも特別なことではないと感じるような作品であった。(K. Y.)

4.『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

 オススメしたい映画は『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』です。私の中でとても印象的なお話だったので紹介します。
 筋ジストロフィーという病気がある鹿野靖明さんと、その鹿野さんをサポートするたくさんのボランティアの方々との物語です。鹿野さんの生き方ももちろんですが、関わっていくボランティアの方々が変化していく様子も印象的です。
 鹿野さんの様子から障がいがある、ないに関わらず、すべての人にとって「自分のしたいことをすること」「自分の気持ちを大切にすること」はとても重要なのだと思いました。また、誰かのサポートをすることとサポートしてもらうことの関係性とは一方的なものではないことであるなと感じられました。
 私はこのお話を、本で読みました。高校3年生の時に、図書室で「こんな夜更けにバナナかよ」という題名が目にとまり読みました。読書が得意でない私が珍しくのめりこんで読んだお話でした。地上波で放送していたので録画したのですが、まだ見ることができていないのではやく録画を見たいです。(N. H.)

5.『5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜』

 私が皆さんに紹介したい映画は、「5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜」です。見ようと思ったきっかけが、サムネイルの俳優さんが私の大好きな、ハリーポッターの主役であるダニエル・ラドクリフにそっくりだったからです。だから見たのですが、始まってからびっくり、全くの別人でした。それでもかっこいい。すごく鍛えられたから体をしていて、イケメンマッチョなんです。笑
 そんな主役のサリヤのは大学生で将来の夢は超一流のホテルマンになること。そのためレストランのホールでバイトをしながら技術を磨いていて、上司にも期待の新人と言われるほどの優秀な生徒でした。切磋琢磨と働いて修行をする日々の中、先天性の疾患のため急激な網膜剥離が起こってしまい、いきなり目が見えなくなるんです。医師には手術をしても健常者の5パーセントしか見えない、家族にもホテルマンは諦めた方がいいと説得される中、それでも夢を叶えるためにドイツの有名ホテルに研修生として、障がい者であることを隠して面接を受けます。研修内容はホテルの客室のベッドメイク、掃除、キッチンでのお皿洗いに納品作業、レストランのホールなど、目が見えなくてどうやってクリアするの!?というような試練ばかり。1番最初の研修、ベッドメイクでペアになったアレックスに早速ルーペを使ってることをバレてしまいます。アレックス、「上に報告するぞ」と厳しい発言をしたあと、「俺はそんなにゲス野郎じゃないぜ〜」とすぐに助けてくれます。それからサリーとアレックスは仲良くなり、アレックスに助けてもらいながら試練をひとつずつクリアしていきます。彼、ほんっっとうにいい性格をしているんです。我が道をゆくというか、楽観的というか。悪さもするけど、お前できないの?じゃあ俺がやってやるよ!!と言ってくれる人なんです。そんな友人に恵まれたサリヤ、恋人も出来ちゃいます。目の色がとっても素敵な女性。声を聞いて一目惚れをしたんです。この女性との恋の発展も見ていてすごくドキドキです。研修も折り返し地点の頃、やはり障がい者にはどうしても乗り越えられない壁が立ちはだかります。結婚式の会場で1番のイベントとも言えるウェディングケーキが運ばれていることに気づかず、そこに体当たり。結婚式は当然中止になってしまいます。担当上司にもクビを言い渡され、ドラッグ漬けの日々の始まりです。アレックスも呆れて2人、距離があいてしまいます。そんなある日、サリヤは入院する怪我をおうことに。「障がいには勝てないんだよ……」と嘆く姿に心がギュッと締め付けられました。お見舞いにきたアレックスとも和解し、再びホテルマンを目指し、クビを言い渡した上司に最終試験を受けられるよう直接2人で頼みにいきます。その後、どうなったかは……映画、見てみてください、ほんっとに面白いから!!
 主役はサリヤだけど、少しやさぐれて自由奔放なアレックス、難民で食器洗いをしているおじさんに、調理場の強面シェフ、そして恋人に、いろんな人が出てきて、サリヤを助けてくれる人にもその人の困難があって、いろんな人生の織り交ざったストーリーになっています。視覚障害を重く語るのではなく、こんな面白いこともあるんだよと気負わずに見られる作品です。(Y. K.)

6.『パーフェクトワールド 君といる奇跡』

もう…うんざりなんだよ。綺麗ごとばっか並べて。
障害乗り越えるとか!受け入れるとか…無理なんだって…。
そんなの何年かかったってできることじゃないんだって。
……みんな平気じゃないけど、平気なふりして生きてるだけなんだって!
              ドラマ「パーフェクトワールド」第4話 渡辺晴人

 ドラマ「パーフェクトワールド」は、車いすユーザーの一級建築士鮎川樹と、高校時代の同級生川奈つぐみの純愛を描いたドラマです。互いの幸せを思えば思うほどすれ違う2人が、数多の困難と長い道のりを経て幸せをつかむストーリーもとっても素敵なのですが、今回は主役の2人ではなく、渡辺晴人という人物に焦点を当てたいと思います。
 晴人は叔父剛が営む建築事務所に勤める若者で、鮎川の後輩であり10年来の友人です。義足ユーザーの晴人は、一見自身の障害を明るく受け入れているように見えますが、足を痛めて医師から義足を着けないよう言われても無理して義足を着けたり、職場を早退して病院へ行くときも「家に帰る」と嘘をついたり、障害を必死に隠そうとします。
 晴人がある日、「自分は障害者だから建築士の試験を受けない」と言い出すと、剛は「鮎川だって努力して今があるんだ」「障害なんか乗り越えて、胸を張って生きていってほしい」と熱く語ります。上の台詞はそんな剛の言葉に晴人が感情を爆発させ、絞り出すように、訴えかけるように言った言葉です。
 晴人の言葉、表情、声からたくさんのことを考えさせられました。剛の言葉は晴人を思って言った言葉だったけれど、晴人にとっては「綺麗ごと」で、結果的に晴人の心を抉ってしまった。当事者本人にしかわからない気持ちがあることを忘れてはいけない、「障害なんか」なんて当事者以外の誰にも言えない、「わかっているつもり」になることが一番怖いと感じました。
 このシーン以外にも、車いすバスケット、様々な状況での車いすの使い方、幻肢痛、身体障害のある方が直面するかもしれない日常の中にある困難など。このドラマを通して触れられたものがたくさんあります。ぜひ観てみてください!(S. N.)

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 車椅子生活を送る下半身不随の障害のある人を主人公とした物語で映画にもドラマにもなっている。あらすじは、川奈という女性が高校時代の同級生で初恋の相手だった鮎川に大人になり偶然再会する。そこで川奈は大学時代に事故に遭い下半身が不随になり車椅子で生活を送る鮎川の姿を目にする。鮎川は、障害により、好きだったバスケットボールも諦め恋も諦め、色々なことを諦めるようになっていた。二人の再会により、お互い惹かれ合うが、好きという気持ちだけでは超えられない壁がたくさんあった。また、お互いを思い合うことで少しずつ気持ちがすれ違っていく。障害のある人、障害のある人を好きになる人、障害のある人の家族、障害のある人を好きになった人の家族、色んな人たちの色んな思い、考えが交差し合い惑わされながら真実の愛を見つけていくラブストーリー。
 このドラマのキャッチコピーに「いつかこのドラマがただのありふれたラブストーリーになりますように」と書かれている。私はこの言葉がすごく心に響いた。偏見や差別がなくなっていない世の中であることを意味していると考えられ、それによって、障害のある人は諦めてしまっていることもある。「障害があるから」と言って可能性を捨ててしまわないように、支援やサポートをし、障害が個性となる世の中になってほしい。私がこのドラマを見たときは、障害について勉強しておらず、興味や関心もあまりない頃で、ただ、こういう人もいるんだ、とか外からの目線でしか見ていなかったけど、障害について勉強し、見方、考え方も変わってきた今、あらゆる視点からもう一度見てみようと思った。(W. S.)

7.『僕はラジオ』

 Amazonプライムビデオで見ることができる「僕はラジオ」という作品について紹介したいと思います。普段はNetflixでよく動画を観ています。なぜなら、私は洋楽や洋画が好きで、好きな海外のアーティストさんのドキュメンタリー番組やライブ映像がNetflixのみで観ることができるからです。また、Netflixオリジナル作品などがたくさんあり、とても面白いです。ですが、今回は友達から「この作品いいよ!」と教えてもらい、気になったのですがNetflixでは観ることができなかったので、Amazonプライムビデオを久しぶりに利用して観てみました。
 この作品を観た時に、ラジオは本当に優しすぎるなと感じました。自分がクリスマスに貰ったたくさんのプレゼントを近所の人の家の前に置いて配っていたのです。プレゼントを配っているのを不審に思った警察官はラジオのことを捕まえて監獄の中に入れてしまいましたが…ラジオのことを知っている人がいて、なんとか彼は出ることができました。また、ラジオはいじめられて辛い思いをしたにも拘わらず、誰にいじめられたかコーチに聞かれたときに一切答えようとしませんでした。結局、コーチは他の人からラジオをいじめた人を聞き出して怒りますが、ラジオはその人に「コーチに怒られてごめんね、すごく怒ってた」と謝ったのです。ここまでできる人はなかなかいないと思います。ラジオの優しさは本当にすごいなと思いました。
 コーチの何があってもラジオを支えようとする姿は、とても良いなあと感じました。もっとこのような人がたくさんいたらなあと…。また、最後にコーチは「我々がラジオから学んでいる」「ラジオの優しさは我々が持っていないものだ」と言いました。このように、周囲の人たちが理解しようとすることは、いろんな人たちが生きやすい社会を築いていくためにも大切なことだと感じました。また、周りから必要な支援を受けることで、障がいのある方はいろんなことができるようになるから、偏見や差別を持たずにお互いに支え合っていくことが今の社会に求められていることなのかなと思いました。
 この作品を見て、いろいろ考えさせられたなぁと思いました。実話だということにも驚きました。まだ見たことのない作品もたくさんあるので、時間がある時に見ていきたいです! (S. T)

8.『リトル・ミス・サンシャイン』

 私は、映画をみることがあまり好きなほうではないです。まず、時間と行動の制限が決められてしまうことが苦手です。前もって映画を見る日を作っておかないと見ようとはなりません。そして、どのようなジャンルでも終わった後にどっと来る感情の疲れが一番苦手かもしれません。
 そんな私がおすすめする映画は、「リトル・ミス・サンシャイン」です。
 映画祭などで賞も受賞していることから有名な映画かもしれませんが、映画を普段から見ずに興味のない私は良く分からずに見たのです。父の影響で見ました。父は、とにかくフォルクスワーゲンの車が大好きです(ずっとフォルクスワーゲンの車に乗っています。)。この映画には日本で「ワーゲンバス」として親しまれている黄色いフォルクスワーゲンT2マイクロバスが出てきます。主役のような存在感を持っており、広告を見て父がDVDを購入したので家にあり、見る機会がありました。私もワーゲンバスのかわいらしいフォルムやレトロな雰囲気が大好きです。
 この映画を簡単に説明すると、様々な問題を抱えた家族が娘のミスコンのためにボロボロのワーゲンバスで旅をして、そこでも様々な問題を乗り越えながら絆を取り戻すホームロードムービーというところです。
 まずその家族が個性あふれて面白いのです。やたら勝ち組にこだわって成功論を強制するパパ。個性あふれる家族を一生懸命まとめるママ。ミスコンに出たい少しぽっちゃりの娘。有名な学者で、同性愛者で失恋し自殺未遂を起こしたおじさん。薬物が大好きなおじいちゃん。そして、私が一番好きなのはお兄ちゃんです。このお兄ちゃんは、ニーチェを尊敬していて、パイロットになる夢があり、その夢を達成するまで誰とも喋らないと自分で決め、一言もしゃべらず、筆談で会話し、家族もそれを受け入れます。しかし、旅の途中で、声を出してしまうのです。なぜなら、旅の途中で色覚異常であることに気づき、パイロットの夢をあきらめざる負えない状況になってしまい、絶望したからです(吹き替え版では、色盲や色弱と言っていますが、現在は色覚異常や色覚多様性と呼ばれています)。この映画を初めて見たときは、お兄ちゃんが叫ぶシーンをおもしろおかしく、家族の慰めを愛らしく見ていましたが、今思い返せば、色覚異常は見ている世界がそのままなので気づかずに生活することができる人もいて、職業によってはあきらめなければならないこともあるのだと印象に残りました。
 ありえないぶっとんだ内容も含めながら、面白く、楽しく、最後にはほっこりできるようなシリアスすぎず、コメディーすぎない映画になっています。家族が自然に一致団結する様子やどのような家族でも受け入れ、愛する様子もいいなと思います。なにか、感動させようとするのではなく、自然に心に入ってくるような感じです。
 映画が苦手な私がオススメする映画、ぜひ見てみてください!!!
 最後まで読んでくださりありがとうございました。 (Y. M.)

9.『図書館戦争』

 検閲が行われており、不適とされた本が取り上げられる世界で、本を守るために戦う「図書隊」の姿が描かれている。主人公は、図書隊の中でもエリートだけが選ばれる「図書特殊部隊」に所属する笠原郁。彼女を取り巻く個性豊かなメンバーとともに、図書館内外で起きる様々な事件が取り上げられている。特に、笠原の教官をつとめる堂上篤はとても厳しいのだが、実は笠原が図書隊に入るきっかけとなった隊員である。しかし、笠原はそれに気づいておらず、その憧れの隊員を「王子様」と慕いつつ堂上には反抗しながら成長していく姿が描かれている。
 そのような背景がある中、このドラマでは、同じ図書特殊部隊の教官である小牧幹久と長年の付き合いがある近所の高校生、中澤鞠江が事件に巻き込まれてしまう。鞠江は、中学三年生の時に突発性難聴になり、聴覚障がいがある。鞠江は小牧に恋心を抱いており、頻繁に小牧の勤める図書館に通っているのだが、ある日小牧が勧めた本は聴覚障がいのある主人公を描いたものだった。それが、障がいがある鞠江に勧めるのはふさわしくないと同級生の間で噂になり、検閲をする「良化隊」に伝わる。その結果、障害者に配慮していないという理由で小牧が拘束されてしまい、彼を助け出すために動く図書隊の姿が描かれている。
 鞠江の同級生たちがもっていた障がいがある人への「かわいそう」という偏見や差別、良化隊の障がいについて正しい知識をもたないままの拘束など、一人ひとりを理解していないことや、障がいを一つに括り偏ったイメージをもつことが誤っていることが表されていると私は考える。どの世代にも見てほしい一作だ。
 (映画は二作ありアクション満載で、原作の本もとても面白いので気になったら是非見てみてください。) (H. T.)

10.『レインツリーの国』

 レインツリーの国には、聴覚障害を隠しながら生きていた20歳のひとみと、社会人3年目の伸行が、サイトを通して出会い、伸行はひとみと仲良くなりたいと思うが、ひとみは障害者と健常者の隔たりを感じて心を閉ざしており、しかし最終的には伸行がひとみの明るい人生を導いたという映画である。2人はサイトで知り合い、伸行はひとみに恋をした。伸行は会いたいと思うが、ひとみは頑なに断る。ひとみが合うことを決意し、2人が会ったものの、会話がかみ合わず違和感があった。そこでエレベーターに乗ったとき重量オーバーのブザーがなった。しかしブザーの音をひとみは無視したため、伸行は𠮟りつけた。その時ひとみの耳に補聴器が見えた。伸行はひとみが聴覚障害者であるということを、そこで初めて知った。ひとみは感音性難聴である。感音性難聴とは、生まれつきでも後天的でも起こりうる、音がぼやけて聞こえたり、正しく聞き取れなかったりする症状である。それを知られたくなかったため補聴器を隠していたのだ。ひとみは傷つき、立ち去ってしまったが、伸行は縁を切りたくなかったため、メールを送り続けた。そこから伸行なりに障害について真剣に考え、ひとみに髪を切って、補聴器を隠さないことを提案した。ひとみは最初受け入れられなかったが、ついに髪を切る決断をした。そしてひとみは伸行のおかげで、障害を隠さず普通の幸せを手に入れることができた。髪を切ったことで、自分らしく生きる、ありのままの自分を受け入れて前向きに生きるということができるようになったのではないか。また、健常者との隔たりを感じて悩んでいる人もいるということも忘れてはいけないと感じた。障害があっても、普通の人のような生活をしたいという気持ちがあるのは当たり前である。障害者を特別扱いしている世の中だからこそ、ひとみのように障害を隠す努力をしている人もいる。伸行の懸命な姿と、ひとみの勇気が描かれている、感動的かつ障害について考えさせられる映画をぜひ見てほしい。(A. I.)

11.『英国王のスピーチ』

 「英国王のスピーチ」を見た感想を一言で表すと、清々しい映画でした!
 最初は、吃音症を患う国王の困難が描かれた重たい映画かなあ?と思っていたのですが、全然そんなことはなくて、むしろ熱い友情物語で爽やかな気持ちになりました!笑
 王族から見たライオネルは、医師免許のないただの平民ですが、ジョージ6世にとっては弱い部分も全て受け入れてくれるかけがえのない親友です。
吃音に関して、どれだけ発音矯正の知識があっても、表面上の訓練でどうにかなることはなく、親身に寄り添うことが互いの成長につながることに改めて気づきました。相手のことを知り、信頼関係を築く必要性は、特別支援教育や学校教育に通じる所があると思い、心に残る場面が沢山ありました。
 ちなみに、私が1番感動したシーンは、ライオネルが、演説前の不安で押しつぶされそうなジョージ6世に対して、「忍耐強く、誰よりも勇敢だ」と鼓舞するシーンで、2人ともかカッコ良すぎました!!
 最後の演説シーンも感動するので是非見てください! (S. Y.)

12.『カッコーの巣の上で』

“You’ re coming with me”の意図を探って
 洋画を一つ選んだ。「カッコーの巣の上で」である。2013年に行われた「午前十時の映画祭」でも公開されており、記憶の片隅にタイトルだけ残っていた。
 舞台は1963年のアメリカ、オレゴン州。15歳の少女をレイプした罪に問われた主人公マクマーフィは刑務所での労働から逃れるため、精神病を偽って精神病院に入院する場面から物語は始まる。彼以外の入院患者は不安障害と吃音のビリー、妄想癖のあるマティーニ、知的障害とADHDのチェスウィック、欲求不満なゲイのハーディング、好戦的なマックス、てんかん患者のジムなど個性豊かな障害者たちである。そして、物語のカギを握る、ろうあ者のチーフ。マクマーフィとチーフの交流が私の心を締め付けた。きっと他の視聴者も同じではないだろうか。
 この映画で注目したいのが「障害者」への病院の対応とマクマーフィの行動の対比である。病院側はルーティンと称して集団精神療法を行ったり、軽度の患者には決まった時間に病院のバスで外出させたりする厳重管理を行っている。一方、マクマーフィはろうあ者チーフをバスケの仲間に入れたり(その子「も」楽しめて、他の子も楽しい)、病院のバスを運転して仲間たちを釣りに連れて行ったりする(船上で仲間に役割を与え、自己肯定感が上がる様子が描かれる)。管理への反発と自由への渇望が伝わってくる。また、電気けいれん療法や現代では禁忌とされるロボトミー手術の描写が時代を感じさせる。撮影が行われた病院は実在し、病院関係者もエキストラで出演したらしい。
 病気を詐称したマクマーフィの結末は本編を見て確認してもらいたい。チーフが最後に言った“You’re coming with me”の一言で私の涙腺は決壊した。
 ちなみに私は患者間の心のやりとりで感動したのだが、アメリカ人の友人は「この映画は好きじゃない。胸糞悪い。ただ原作は読んだ」と言い切った。鑑賞した人がどちらの側につくか気になるところである。一応、アカデミー賞の5部門を総なめにしているので、名作であることに間違いはないと思うのだが… (Y. Y.)

13.『振り子』

 芸人の「鉄拳」の代表作である振り子が映画化された。
 1976年、主人公・長谷川大介は道で絡まれている高校生・サキを助けたことで彼女と知り合い、行動を共にするようになる。高校を卒業した後も仲を深めていった2人は、やがて結婚を決意しサキの両親に挨拶に行き、結婚をした。ある日たまたま時計屋によった二人は、「振り子時計は夫婦みたいなもんだ」と言う店主の言葉に、2人はその時計を買う決意をし、二人で温かい家庭を築こうと決心する。やがて大介は以前から夢であったバイク屋を経営するが、他会社に騙され経営が困難になり借金まで背負ってしまう。会社に再就職した大介だったが、新しい職場でうまくいかずストレスばかりがたまっていきサキに強く当たるようになる。やがて浮気にまで手を出す大介だったが、気にする素振りも見せず大介に尽くすサキだったが、ある日脳梗塞を起こし倒れてしまう。命はとりとめたものの後遺症が残り、記憶を失い寝たきり状態になる。これまでの言動を悔い改めた大介はサキとの時間を大切にしながら、愛するサキの記憶を取り戻す努力をするが待っていたのは予想外の結末だった…。昭和から平成…「振り子時計」が刻んだ夫婦の歴史。涙必須の心温まるストーリーに注目。 (R. I.)

14.『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

 愛する人と同じ時間を過ごせないという悲しい運命を背負ったベンジャミンが周りの人に助けられながらも一生懸命生きていく姿に元気付けられます。元気にはしゃぐ老人の姿、認知症を患う少年。人は見た目ではないということを具現化していう映画だなと思いました。(M. M.)

15.『ファインディング・ニモ』

 私が紹介する映画は「ファインディング・ニモ」というディズニーがお送りする冒険ファンタジーな作品です。続編にあたる「ファインディング・ドリー」という作品もぜひご覧ください。 (Y. I.)

〈主な登場人物〉
ニモ
 左右のヒレの大きさが違うためうまく泳ぐことができないカクレクマノミのお魚。物語ではお魚の学校やお父さんであるマーリンたちからうまく泳げないことを心配されて落ち込んでしまいます。しかし、ある日みんなに自分に度胸があることを見せつけようとして、人間につかまってしまいます。ニモの行方はいかに⁉

マーリン(ニモのお父さん)
 ニモのお父さん。ニモのヒレが左右で異なるため過度に心配を寄せています。しかし、ニモがいなくなったことで旅に出てドリーと出会います。旅の中でマーリンが気づかされたことは…?

ドリー
 マーリンがニモを探す旅の途中で出会うナンヨウハギのお魚。ついさっき覚えたことを忘れてしまう面もある。しかし、ある動物とお話ができるらしい…?彼はいったい何者?続編のファインディング・ドリーではドリーのことがさらに詳しく描かれています。

16.『ATARU』

 私がおすすめする映画は中居正広さん主演の「ATARU」という映画です。元はドラマですが、映画から見始めても大丈夫です。
 中居正広が演じるサヴァン症候群の主人公アタルは、警視庁捜査一課に協力して様々な事件を解決していた。そんな中かつての同僚でありアタルにとって大切な存在である堀北真希が演じるマドカという女性に再会する。マドカは3歳の頃に交通事故で左脳を損傷しサヴァン症候群に似た症状をもつ。そして、マドカはこれまで自分達の能力を利用してきた大人達に罰を与えるために二人で史上最強の犯罪者になろうと誘うのだ。このようなとても面白く感動できる作品である。また、普段は食事や服装にとてもこだわりが強く子どもっぽい様子が多く見られるアタルだが、推理をするときには抜群の推理能力を発揮する。
 このような、アタルのギャップが最高なのでそこに注目して見て下さい! (N. W. )


おわりに

 いかがでしたでしょうか? 学生たちのコメントには、特別支援教育の授業を受けてから、当初見た時とはまた違った印象で作品を捉えたよ、というような意見もありましたね。
 ちなみに、水内は洋画を字幕で観るのが好きです(あ、有川浩の小説も好きです笑)。以下は過去に書いたある洋画を紹介するnote記事ですが、この映画はカウチポテトで観るにオススメですのでぜひ!


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