【Vol.10】私が公務員による公務員のためのイベントをやる理由
いやー、なんとか無事に終わりました、OMO Niigata Vol.2。
結果はと言えば...
参加者:54名 (自治体職員29名、民間12名、学生13名)
見学:29名
ゲスト:11名 (コーチ7名、審査員4名)
スタッフ:7名 (ファシリテーター1名、オーガナイザー3名、スタッフ1名、ケータリング1名、カメラ小僧1名)
というわけで、総勢100名を超える関係者が集まってくれた。
お忙しい中、個人的なわがままに付き合ってくれた皆様、本当にありがとうございました。
で、まだ集計しきれていないけど、終了後の振り返りシートや、Facebookでの参加者の投稿などを見る限り、Vol.1よりも間違いなく満足度は高い!
いやー、主催者冥利につきる!
てなわけで、なぜそのような結果になったのか、簡単に振り返ってみたいと思う。
Point.1 主催者の"Pain"が始まりだった
ファシリテーションでも度々出てきた、誰の痛み(Pain)を解消したいのか、ということだが、この場合は主催者本人のPain、つまり、私の直面する課題から始まった企画である、ということ。
それは、
働き方改革
である。
結論だけ言えば、この制度の施行をきっかけに、私は公務員を辞めることを選択した。
なにせ安定感があってクビにならないと評判の公務員。それを辞めることが最良の選択かどうかは、実際辞めてみないと分からないし、賛否両論あるのは重々承知の上だが、1人の職業人として、この組織でこれ以上いるのは難しい、とリアルに思えるほどに、仕事では追い詰められていた。
時には働かなくても給料もらえるんでしょとまで言われる公務員の職場だが、本気で仕事に取り組もうとすればするほど、組織のあるべき姿を考えれば考えるほど、1人の人間として心を蝕まれてしまった。
働き方改革では、急に、かつ一方的に超勤(残業)に規制がかかった。
しかし、業務は減らず、内部の会議は増えるばかり。
指示も、内容のクオリティを上げろというような前向きなものではなく、それどころか、なぜ取材先がAではなくBなのかを考え、内部のみで議論するのが何よりも重要であるとのことで、役所としては、クレームが100%来ない広報を目指すべきだと言われ、さすがに絶望した。
私はプロではあると思っているが、神ではない。神ではない以上、100%クレームが来ない広報をするというのは無理だし、そのために内部で議論を尽くし、上に説明するのが重要な仕事だ、とはっきり言われてしまった。
それなら、もはや役所では県外向けの魅力発信なんてやらない方がよい。いや、やれない。
本当に悩んだ。アウトプットへのこだわりを捨てるのは、プロとして私が担当している以上、絶対にできない。
作業時間が足りない分は、残業をするわけにはいかないので家で作業をした。それが常態化していった。
んで、ぶっちゃけ不眠症になった。
これはもう、私1人のワガママの範囲を超えている、そう思った。だから、まずは仕事を辞めることにした。
そして、辞める前に、その痛みを、何らかの形で残そうと思った。
それも、マイナスな方向ではなく、プラスの方向で。
Point.2 ミッションを明確にした
私のミッションは、Vol.1から変わっていない。
公務員のマインドを、1人でもよいから前向きに変える
ということだ。
そして、前回に引き続き、起業イベント、Startup Weekendを下敷きにしたプログラムを考えた。
なぜなら、私自身がそのイベントによって変わった、という極めてソリッドな体験があったからだ。
やると決めてからすぐ、Vol.1からのプログラムアドバイザーである、アイディアパートナーズ山本氏に相談し、壁打ちをさせてもらった。
そこで、その手段として、副業解禁やパラレルキャリアという大きな流れを組み込むこと、地域課題解決の手法としてのNPO法人の立ち上げという設定にすることなど、今回のコアアイディアを生み出すことができた。
ゲストの方々も、私が個人的に会いたい人から声をかけた。
実際に会いに行って、思いを語った。
※一部できなかった方、すみません
だからこそ、Painが、ミッションが伝わった。
Point.3 ビジョンがあった
そのビジョンとは、
公務員も民間も学生も関係なく、1人の人間として地域のためにやりたいことにいっしょに取り組める社会を創る
ということ。
まあ、言葉にするとくさいんだけど、要は、
高いレベルでワガママを実現できるやつらがたくさんいる
ということかな。
高いレベルってのは、ワガママの及ぼす影響や社会的価値をちゃんと考えたり、企画力や実行力を伴っていたり、まあそういうこと。
だから、民間や学生からも参加費を取ることにした。
その代わり、ミッションである、変えたい対象の公務員とは少し立場や関わり方を変えた。
よかったのは、民間や学生にも、公務員のマインドが変わり、協働できるようになったら、というビジョンに共感してくれる方がいて、さらに言えば、そのためにはまず公務員の側を変える必要があるということも理解してくれたのだと思う。
だからこそ対価を払いつつも公務員をリーダーに据えてサポートに回ってくれたのだろう。
ビジョンには、ステイクホルダーの巻き込み方を変える力がある。
あと、これは私が公務員を辞めてもソーシャルな活動を通じて公務員の方と協働できるのか、という実験でもあった。
結果としては、少なくとも今回のイベント参加者とは、十分協働できるチャンスはありそうだ。
というわけで、OMOでも度々出ていたキーワードに沿って、簡単ではあるが振り返ってみた。
前回は、気合いは入っていたけど、正直空回っていた部分も大いにあった。
今回は、たぶん上記の3つのポイントがブレることがなかったから、結果につながったのだと思う。※Vol.1の経験があったからというのは言うまでもない。1st Step超大事。
ちなみに、この取り組みをどう継続させていくかは、また違う立場で考えてみたいのだが、ひとまずは役人のことを考えるのはおやすみかな...。
ただし、これからの時代のレバレッジポイントになるのは役人(役所という組織ではなく、個人としての役人)であることは間違いないと思う。
だから、このイベントに感化されて、同じようなビジョンを持った方が引き継いでくれたらすごく嬉しいような気もするし、でも、私なんか全然いらないくらいにみんなが進化してくれたら、それはそれでちょいと寂しいような気もする。
いずれにせよ、私の人生はこれからもトライ&エラーであることは間違いないと思う。
エラーを恐れず、トライすることを忘れずに、そして次の挑戦者のトライを応援できるように。
チキン野郎とマウント野郎にだけはならないように。
備忘録として残しておくので、私がチキン野郎やマウント野郎になっていたら、ぜひこの記事を見せてやってください。
それでは、皆さまありがとうございました!!
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