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23年アドベントカレンダー、お付き合い頂けまして、本当にありがとうございます。少しでも楽…
作業部屋の床に転がって、サーシャとモモはじっと動けないでいる。 恐怖で乱れた息は、徐…
ただやり過ごすだけでは、テイムズ河の怪事から、サーシャの頭は離れられないようだった。 …
「探偵って、何故こんなに謎の解明に手間がかかるのかしら」 図書館で借りてきた本から顔を…
僕は幼い頃、駅でテロに巻き込まれたことがある。 それなりの大事件だったから、多分覚え…
最初の少女が亡くなったのは、彼女が九歳になる前の月のことだった。 珍しく乳母と一緒に…
僕の部屋の押し入れの中には、人を殺して食った犬が住んでいる。 少なくとも、そういう噂をされている。 本当に食ったのか、実際にはわからない。食べられたとされる遺体は発見が遅かったため損傷が激しくて、肉をちょっと齧られていたくらいなら、わからない状態だった。事件発覚から三週間も過ぎた今となっては、例え犬を解剖しても、証拠は出まい。 犬は、名前をトーティという。 小さな黒いピンシャーなのに、「サビネコ」と呼ばれていた。 亡くなった伯母の飼い犬だった。正確な年齢はわからな
息子が年頃になってきたので、そろそろ本気で将来を考えるべきかと思い、転校先の見学にやっ…
僕は昔から絶滅した動物が大好きで、特に恐竜と鳥の中間に位置するであろう恐鳥類だけは、い…
空を覆う雲は薄いのに、妙に暗い日曜日の午後のことだった。 わたしは外出用のノートパソ…
手塩にかけて育てた愛弟子が、「やっぱり普通の人間になる」と進路を変えて、しばらくになる…
わたしの田舎にはほとんど知られていないのだが、世界遺産で知られるダードルドアのアーチ石…
ある冬の日の午後、お茶請けに出したぶどうの中に、呪いを見つけた。 スーパーで買ったパ…
雨が降ると、カブラチョが山から下りてくる。 道路にへばりついて、身体を乾かそうとするのである。 そうなるともう、仕事にならない。 この辺りは山からも海からも近く、資源も豊かだから住人の生活にゆとりがある。大抵の人々はカブラチョが道を塞いでいるな、と見ると、「じゃあ今日は休むか」とおおらかに対処しているようである。 カブラチョは農作物を荒らさないし、他の野生動物への影響も少ない。休暇の言い訳にするくらいしか、役に立たない生き物なのだ。 でもわたしはあまり、カブラチョ