4/5 はじめての白モツ調理

 自分の中で豚コマ肉ブームがきているのだけれど、当然ながら、豚コマしか食べないわけではなくて。隙間隙間で、いろいろ食べている。
 口にいれるものに関してはあんまり冒険はしない方で、放っておかれると好きで調理が簡単でおいしいものばかり選んで食べてしまう。そんな自分を自覚しているので、野菜に関しては、見たことのない野菜を見つけたら、積極的に試してみるようにしている(とはいえ、その野菜の調理法なんかを調べるだけのやる気があるモードなときに限る)。野菜は、どんなものを買ってもハズレがなく、大抵おいしく食べられる。その点、お肉は、自分にとってのハズレがときどきあるから難しい。匂いが受けつけないとか、食感がどうにも気持ち悪いとか。多分、自分の食材知識や調理技術のなさのせいなのだけれど。

 そんなわたしが、先週、初めて自分で白モツを調理した。焼き肉屋さんに行けばホルモンも食べるし、モツ煮も好きだし、ときどき旦那さんが「ホルモンが食べたくなった」と自分で材料を調達してきて夕飯をつくってくれることもあったのだけれど、今まで自分でつくってみようと思ったことはなかったのだ。ホルモン系は、下処理を上手にやらないと臭みが出て食べられたものじゃないと聞いたことがあって、自分にはできる気がしないでいた。ところが、先々週、後輩と行った中華料理屋さんで出てきた『ホルモンの辛炒め』が箸が止まらないおいしさで、「これを家で食べたい!」と思って、初めてのモツ調理に挑戦することにした。

 近所の精肉屋さんで白モツを買って帰り、ネットで下処理の方法を調べたら『20分でできる』というのを見つけて、旦那さんの『帰る』コールがかかってからの準備で余裕だな、と判断し、いざ、『帰る』コールがきて台所に立ったら。

 全然20分では終わらなかった。最終的に夕飯ができあがるまで1時間半かかった。
 白モツの脂、すごかった。ひっぱるくらいじゃ全然きれいに取れなかったし、ぎっとぎとのぬっるぬるだった(手肌にはよさそうかも?)。血管が生々しくて、「もともと、生き物なんだよな……生きてたものを食べてるんだよな」なんて、普段はあまり意識していないけれど、当たり前のことを考えた。脂分を取り除いたら、量が3分の1くらいになった。

 一生懸命脂を指で取り除いている最中に旦那さんが帰ってきて、「夕飯の支度、まだ全然できてない……」と泣きついたら、「モツは下処理済を買ってくると楽だよ」と教えてくれた。なるほど。
 終わらない作業で半泣きになっていたわたしに、仕事から帰ってきてくたくたなはずの旦那さんが手伝いを申し出てくれたけれど、さすがに悪いと断って最後までひとりでやり遂げた。

 ほとんど泣きながらつくったモツ炒めは、こってりとごはんがすすむ出来に仕上がっていて、よかった。毎日食べたい、というほどハマるものではなかったけれど、ふた月にいっぺんくらい食べたくなるかな、と思った。そのときは、すんごいがんばりたい気分! というわけでなければ、下処理済のものを買って帰ってこよう、と忘れないように心のメモ帳に書き留めた。

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