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接待必勝法 〜粋なはからい〜

18時ごろ、
40代半ばくらいの男性がやって来た。

「あそこにある枝は何の枝ですか?」

見るとそれは桜。

「太陽の陽に光るで、陽光という名前の桜です」

「一本というより、一枝ずつのを8つ欲しいんです。短くていいんですけど、そんな買い方できますか?」

枝をみるとちょうどそれくらいの枝があったので、

「こちらでしたら、一本分のお値段で分けることができますよ。一つずつ短く分けていかれますか?」

と聞くと、

「はい、お願いします」

切って8つに分けている時、何かお料理に飾ったりするのですか?と聞いたら、

「いえ、宴会で使うんですけど、
春の知らせの花を箸もとに一つずつ置いていこうかと思っていて…
皆いいおじさんなので、
気づいてくれるかなーーーなんて」

サラリーマンかと思われるその男性の粋な計らいに、思わず感動して、

「今まで料亭の方でそういったおもてなしする方はいらっしゃいましたが、一般の方でされる方はお客様が初めてです。とても感動しました!」

と伝えると、

「嬉しいなぁ、また買いに来るよ!うまくいくように祈ってて!」

と去って行かれた。
きっと何か商談の接待なのかもしれません。
接待にこの粋な計らい。
必勝法かもしれません。


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