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コーヒーの勉強 Vol.2「栽培条件」

栽培条件について

 コーヒーのほとんどは、熱帯・亜熱帯のコーヒーベルト内で栽培されています。しかし、気候条件や地形、高度、土質などにより、その風味はさまざまです。また、アラビカとロブスタでも、適切な栽培条件は大きく異なります。今回は、コーヒー栽培の基本的な部分をまとめていこうと思います。

気候条件

 アラビカ種は高温多湿を嫌い、低温が長く続いてもダメージを被ります。そのため熱帯・亜熱帯の標高1000〜2000mの急峻な山の斜面で栽培されています。たいしてロブスタ種は、標高1000m以下の低地で栽培されています。雨は平均して降ることが望ましく、年間降雨量は1000〜2000mm前後だと言われています。そして日光は適度に必要なものの、直接の強い日差しに弱いため、日中霧が発生するような地形や、昼と夜の寒暖差が激しい地形が望ましいです。また、直射日光を避けるため、シェードツリーとしてバナナやとうもろこし、マンゴーを植える場合もあるようです。

地形と高度

 一般に高山地のコーヒーほど良質とされています。グアテマラなどでは、標高がそのままコーヒー豆の格付けとなっています。上記のように、高山地では、交通や栽培管理、運搬などの面で困難を伴いますが、寒暖差や日光を遮る霧などが発生しやすく、コーヒーをじっくりと熟成させることができるため、良質なコーヒー栽培が可能となります。しかし、ジャマイカ島のブルーマウンテンやハワイ・コナといった高級コーヒーは必ずしも高地で取れるわけではありません。良い気候条件に恵まれれば高品質のコーヒーが採れる場合もあります。ヨーロッパ諸国は高山地のコーヒーを非常に高く評価してきました。一定のコーヒー豆から抽出されるコーヒー液の量が多いことも、高山地が好評な理由の一つのようです。

土質

 コーヒー栽培に適した土質は、窒素やリン、カリウムを豊富に含んだ肥沃な火山灰土質で、水捌けがよく、pH4.5〜6.0の弱酸性が良いとされています。エチオピアのアビシニア高原はまさしく上記のような土地であり、自然とこのような土壌条件が目安になったようです。他にも、ブラジルの高原地帯(テラロッシャと呼ばれる肥沃な赤土)、中米の高地、南米のアンデス山脈の周辺、アフリカの高原地帯、西インド諸島、スマトラ・ジャワなどがあり、どれも水捌けの良い肥沃な土壌に恵まれています。土質はコーヒーの味にも微妙な影響を与え、酸性の強い土壌で収穫されたコーヒーは酸味が強くなると言われています。また、ブラジルのリオデジャネイロ周辺の土壌はヨード臭が強く、収穫の際に身を地面に叩き落とすため、リオ臭と呼ばれる独特の臭みがつきます。


「栽培条件」を勉強して

 今回、コーヒー豆の栽培条件についてまとめてみましたが、さらに詳しく知りたいという気持ちになりました。特に、大まかには同じような条件のもと栽培されているにもかかわらず、地域ごとに味が異なる要因は何なのかが気になります。土地ごとの特徴「テロワール」について、生産者やバイヤーなどはどのように確認しているのかを勉強してみたいです。また、コーヒーを飲む際に私たち消費者が知ることのできる情報は限られていることも認識しました。最近のコーヒー屋は、豆の地域や標高、生産者の名前などを紹介しているところもありますが、当然、その土地の土質などには触れません。しかし、生産者やその支援をする団体などの中には、その細部にまで情熱を持ちこだわっている人がいるのかなと想像します。そんな方々に感謝しながら、さらに勉強に励みたいと思います。

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