見出し画像

食事から感じる大人の階段

ご褒美の甘いもの

 先日の週末、母とベランダ掃除をしました。私はマンションの2階に住んでおり、近くにバスの停留所があるため、排気ガスなどが非常に多く汚れやすくなっています。そのため定期的にベランダの掃除をおこなっているのですが、暑くなってきたこの時期に、ホース、ブラシなどを使い久しぶりの掃除を行いました。約半年ぶりというのもあり、汚れはしっかり溜まっていて、掃除は二人がかりで1時間半ほどかかりました。掃除が終わり、頑張った自分に何かご褒美をしようと思いついたのが、モロゾフのワッフルとパフェでした。


いつものご褒美

 現在ではあまり甘いものはたくさん食べないのですが、昔は甘いものが大好きな子供でした。特にモロゾフのワッフルとパフェは大好きで、ご褒美の日に家族で食べに行くことが何度かありました。ワッフルはアーモンドが練り込まれており、その香ばしさやパリッとした食感がたまりません。そのワッフルのホール一枚に、バター、メープルシロップをかけ、トッピングのバニラアイスと共に頬張ります。温かさと冷たさ、香ばしさと甘さと風味のバランスが最高です。パフェはチョコムースをベースにしたもので、こちらにもバニラアイスが入っています。チョコムースとバニラを同時に食べた時の幸福感は何者にも変え難く、合間に挟むイチゴの酸味がとても良いアクセントになります。この2品をいつも食べており、今回も最高のご褒美だとワクワクしながらモロゾフのカフェに足を運びました。


大人の階段を登る

 小さい頃に感じたご褒美の幸せを思い出しながら、カフェに足を運び注文をしました。そしてワッフルを食べ、パフェを食べながら少しずつ感じてくるのです。「ちょっと重いな…」と。上記の通り、ワッフルもパフェも完全に甘味に振り切っており、一度に2つを平らげるのはかなりしんどいのです。これには正直、ショックを感じました。小さい頃には幸せでいっぱいだったあのご褒美が、今では味わえなくなってしまった、と気がついたのです。体の何が変わったのかはわかりません。ですが、甘いものへの耐性がなくなってきているのです。「これが大人の階段を登るということなのか…」としみじみと悲しくなりました。


味覚の変化を楽しむ

 今回、甘いものをたくさん食べられなくなったということに悲しみを覚えましたが、この機会に考えて見ると、大人になったからこそ美味しいと感じられるようになったものもたくさんあることに気づきました。例えば、ワサビやコーヒーなどはその代表です。一度味わってダメだったものが、ふたたび味わうと感じ方が異なり、楽しめるようになってきました。そしてアルコール類も、大人だからこそ嗜めるものです。さまざまなものを飲み、その世界の広さに楽しさを覚えるようになりました。そして、同じ食べ物の中でも、回転寿司と回らない寿司屋の違いなど、品質の違いに少し気がつくようになりました。これも、良いものを良いものと感じる感性が成熟してきたのかなと大人になったことを実感します。
 大人になって感じる味覚の変化は、いいことも悪いこともあるんだなと気づくことができました。過去も現在も、どちらも自分であり、自らの変化を楽しみながら日々を過ごし、さらに成熟した大人になれたらいいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?