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路地裏に「法律事務所」を開設した話

はじめまして、齊藤友紀といいます。弁護士です。

プロサッカークラブを運営している鹿島アントラーズ(メルカリから出向中)で、経営戦略、主に地域の再生や新しいテクノロジーの実装(あとは法務・契約まわりほぼ全部)を担当しながら、官庁や他の企業などで、AI技術やデータに関するルールの議論やビジネスの推進に加わったり、スタートアップを支援したりしています。

唐突ですが、今日(2020年2月1日)、上野動物園にほど近い路地裏で「法律事務所」を開設しました。名前は、法律事務所LAB-01(ラボワン)といいます。なお、社内外の仕事は辞めません。これまでどおり全力で。

大きいきっかけは、昨年、経済産業省で開かれていた「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」の「法務機能強化 実装WG」に、一委員として参加させていただき、一橋大学の軽部先生、サントリー取締役の有竹さん、前花王執行役員の杉山さん、シティライツ法律事務所の水野さん、Airbnbの渡部さんなどといった立場や経験、見方を異にする方々と、何度も議論する機会を得たことでした。

その成果である令和報告書の内容には賛否両論あり、自分を含む各委員にも同じところがありますが、ただ、企業の中で「法務」が果たすべき役割と現状のそれとの間には(残念ながら)差があって、法務機能に何らかの不全があるという点では、みな同じ意見をもっていたように思います。

たとえば、法律や契約といったルールは、関係者の利害を調整するためにその間に引かれた「線」なわけですが、そうした「線」を引き、その結果としてビジネスを推進し、より大きなsocial goodを実現するために、自分たちはもっと積極的な役割を果たすべきではないか、とか。

ここまできて、自分の中にムズムズする部分が生まれてきました。言葉でハードボールを投げて、このまま終わるのは気持ち悪いな、と。

ここまで言った以上、アクションを起こしていくよ

なんて話をしていたら、Wantedly 法務の植田貴之さんや、ByteDance 公共政策シニアマネージャー(前メルカリ)の望月健太さん(NY州弁護士)のように、賛同してくれる仲間が集まってきました。

ところで、リーガルのプロの役割、社会的な意義って、なんでしょうか。

法律相談に応えたり、契約書や意見書を書いたり、訴訟などで代理をしたりするのは、役割に基づくアプローチであって、役割そのものではありません。私たちが考える役割は、広く、社会的な課題へのソリューションを提供することです。テクノロジーが発展するにつれ、選択可能なアプローチはきっと変わっていきます。リーガルのプロが担うべき役割の本質が、これから一層問われてくるはずです。

アプローチは、これまで自明と思われてきたものを離れて、もっと自由であっていい、と考えます。スキルや時間、資金などの資源があり、それを実行する意欲と意志がある限りは。それだったら、

弁護士業をやらない弁護士だって、いたっていいじゃない

って話題から、シリコンバレーの風に吹かれて弁護士業を辞めて、既に起業していた冨田啓輔さん(Tommy)も、「法律事務所」のスタートアップを一緒につくりたい!とLAB-01に加わってくれました。

話はちょっと逸れますが、弁護士として追求すべきものを悩み、新しいチャレンジに踏み出せずにいるなら、ぜひLAB-01に遊びにきてください。

LAB-01は、東大と東京芸大のちょうど間のあたりにある路地裏から、新しい街づくりを始める「花園アレイ」という実験的な地域プロジェクトの一環でもあります(テナント1号です)。今後は、大学発スタートアップのインキュベーションにも、協力していきたいと思っています。

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東京下町の路地裏で、streetwiseなプロの集まるチームをつくっていきます。

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