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観光動画の動画制作で成果につなげるにはどうすればいいですか?

質問:「観光動画の動画制作で成果につなげるにはどうすればいいですか?」
答え:「動画の役割を理解することが重要です」

よく自治体・DMOの担当者の方で動画のプロモーションを検討している方、過去に動画のプロモーションを実施したけれども効果を感じられなかった方、動画プロモーションの仕様書を書き始めている段階でよく伺う質問です。結構、仕様書をみていてもこれは役割がごっちゃになっていて、これは動画制作しても成果につながらないだろうな...と思うものもよく散見されます。

動画といってもざっくり2種類ある

動画と一口に言っても観光系の動画はざっくり2つあります。①カメラマン、編集者が制作するプロモーション動画、②YouTuberが制作するプロモーション動画。それぞれの使い分けについてお話しましょう。

①カメラマン、編集者が制作するプロモーション動画

認知 or 理解の促進で使うケースが多いです。「認知」を促進する動画でいうと、30秒〜2分程度で視聴者のアテンション(興味関心)を惹いてウェブサイトに誘引して接客してアクション(来訪、購買)を促すパターンが主流です。離脱を防ぐためにテンポが早く、ドローンショットを多用して視聴者を引きつける設計にしているものが多いです。また、制作しただけだと再生数が伸びないことが多いので広告を活用して視聴を促していくことがセオリーとなります。

「認知」を獲得する目的の動画参考例

「理解」を促進する動画はウェブサイトに組み込み、サービスのHow toであったりその観光施設の世界観や特長をユーザー視点でみせて購買、来訪につなげていくことを目的としています。30秒〜2分程度で視聴者が来訪、購入しようとしているところの一押しをしていくイメージですね。

「理解」を促進する目的の動画参考例

②YouTuberが制作するプロモーション動画

ファンに対して認知 and 理解を促進することができるのがYouTuberが制作するプロモーション動画のポイントです。10分程度の尺でファンに対して深い情報を届けることができます(どこで、いくらで、どのような体験ができるのか等)。影響力のあるYouTuberが発信すれば広く認知を取るところから、認知を促すところまでを促進することが可能です。

YouTuberの動画プロモーション事例

各種動画の費用感について

動画の役割がわかったところで、気になるのが費用感だと思います。解説ブログを書いてますのでこちらをご覧いただけますと幸いです。

動画の使い分けポイント

ではどうやって動画を使い分けするのか。それぞれ一長一短がありますので解説します。

認知 or 理解を促す観光プロモーション動画

メリット
①クリエイティブをコントロールしやすい
絵コンテ等で制作イメージができた段階から制作に移るためできあがった動画がイメージしやすいため発注者の意図を汲みやすいです。

②各種プラットフォームにあった動画が作りやすい
ソーシャルメディアのプラットフォームによって、タテ型、ヨコ型の動画が望ましい、尺は●分が望ましいなどがあるため、複数の動画プラットフォーム向けに配信した編集がしやすいです。

デメリット◆
①動画をそのまま公開しても再生数を獲得できるのはごくごく稀
フォロワー、ファンがアカウントについていなければ、動画を公開しても再生数につながりにくいことが多いです。多くの自治体で起きている現象としては、立派な動画は作ったけれども再生されない。ということです。かならず情報発信とセットで予算組をすることが必要になります。

②発注者視点の動画になってしまい刺さらない動画になってしまう
これも往々にしてあることですが、発注者が良いと思っていることはユーザー視点では良くないケースも多々あります。テレビを見ていて皆さんもCM見たくないと思うのと同じで、YouTubeをみていて広告出てきても発注者の広告色が強く出ていてスキップされてしまうという結果になってしまいます。

なので、クリエイティブを制作する際には「発注者視点ではなく」「視聴者はどう感じるのか?」非常に重要になります。

認知 and 理解を促す観光YouTuberの動画

メリット
①コアファンにリーチできる
旅好きのフォロワー、ファンがたくさんいるので、ターゲットである旅好きファンにリーチしていくことができます。離脱する確立の低い熱量の高いファンに対して情報発信ができるので質が高いです(動画の視聴時間が広告よりも圧倒的に長い傾向があります)。

②視聴者視点で刺さるクリエイティブが作れる
YouTuberは常にフォロワー、ファンに刺さるのか?という視点で動画を作るため、視聴者視点で面白い、しっかり視聴者に見てもらえる動画となるケースが多いです。広告だけれども広告らしくない楽しめる内容に仕立てる動画を作ることができます。

デメリット
①クリエイティブに対するコントロールがしづらい
YouTuberはフォロワー、ファン視点で動画を作るため、時に発注者側からするともっとこういうことを言って欲しい、こういう内容を入れて欲しいというリクエストがフォロワー、ファンにとってプラスに働かない場合はそのリクエストを受けられない場合があります。そのため、クリエイティブの全てをコントロールした動画を作りたい場合は、YouTuberの動画ではなく、カメラマン、編集者が制作する動画をオススメします。

②尺が長いものが多く、特定の目的に絞る場合はフィットしない
How to系の動画などは認知ではなく理解を促進することが目的となります。そのため、目的を絞って、ピンポイントにわかりやすく、短く伝えていくことがポイントです。こういった理解促進すること形式が決まっている動画についてはYouTuber動画ではなく、編集者が制作する動画をオススメします。

まとめ

今回は、効果的な観光動画の集客プロモーションって何ですか?という問いの解説をしました。ざっくり2つの動画の種類があり、メリット、デメリットについて解説しました。初めて観光のプロモーション担当になった方、動画に関する仕様書を作成しようとしていた方のお役に立てますと幸いです。

お問い合わせ先

自治体・DMOさんであれば、こちら(https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/expert-haken.html)から中川智博を専門家として指名いただけますと無償で助言させていただくことが可能です。また、お急ぎでしたらメール(tomohiro@tokyocreative.jp)までご連絡いただけますと幸いです。

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