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#310 『不可能を可能にする気持ちでやれ』

本日は、順天堂大学医学部小児外科・小児泌尿殖器外科主任教授の山髙篤行さんの「不可能を可能にする気持ちでやれ」についてのお話です。

"私はちゃらんぽらんに生きてきて、2年間浪人して拾われるように順天堂大学に入ることができましてね。そんなに体が大きいほうではないのですが、ラグビー部に勧誘されたんですよ。最初はラグビーっていうのは、不良少年の更生のためのスポーツだと思っていました。でも初めてみたら、なぜか分からないんですけど、学年で最初にレギュラーになってやろうと思うようになっていって、私の人生で初めて燃えられるものに出会えたんです。ですから、練習は厳しかったですけど、途中でやめたいと思ったことは一度もありませんでした。"
"周囲からは宮野武先生が小児外科の教授になられたから、僕も小児外科の道に進んだと思っている人がいるんですけど、この他にもっと大きな理由がありましてね。5,6年生の頃にポリクリ(病院実習)で回っている時に、実は初めて小児外科というものがあることを知って、実際に臨床現場も見て感動したんです。それに一般外科よりもいろんな臓器を扱えるので、これは面白そうだと。...よし、自分は小児外科の手術を誰よりもうまくなってやろうと思って入局しました。そこで初めて宮野先生の手術を見たのですが、非常にうまくて、そこでも感動した。"
"私の人生は、ラグビーと小児外科の2つの出会えたことだけでラッキーだったなと思っているんですよ。よくラグビーの練習で「不可能を可能にしろ」と言われていて、医者になってからも「小児外科の仕事は神様のやり残されたことへの挑戦だから、不可能を可能にする気持ちでやれ」って言われていましたね。"
"宮野先生は非常に英語がうまくて、手術の時にはよく「Don't trust anybody, Don't believe anybody.」、要するに手術で俺が言っていることさえも信用するな、誰も信用するな、と。それに「Seeing is believing.」。百聞は一見に如かず、ですね。どんな症状であっても一例でも多く見ておくことが大事で、自分で見てないものは信用するなということを強調されていました。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/11/06 『不可能を可能にする気持ちでやれ』
山髙篤行 順天堂大学医学部小児外科・小児泌尿殖器外科主任教授
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※Photo by Francesco Califano on Unsplash