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#49 『現場には仕事と無駄の2つしかないと思え』

"無駄にもいろいろありますが、トヨタでは手待ち、二度(三度)手間、やり直し、不良、運搬、つくり過ぎの無駄を徹底して削減してまいりました。"

本日は、元トヨタ自動車株式会社名誉会長で、現在は相談役を務める、張富士夫さんの「仕事と無駄」についてのお話です。1999年から2005年までトヨタ自動車の社長、それから2012年まで会長を務め、従来の車種を次々と廃止し、多くの新車種を発表してトヨタの業績を伸ばした経営者です。

今回のお話は、張さんの師匠であり、世界でも有名な「トヨタ生産方式」を体系化した人物である、大野耐一さんから「現場には仕事と無駄しかない」と教えられたと語られています。「世界のトヨタ」と呼ばれる要因に、無駄を徹底的になくすことがあるというのがわかります。

"無駄の削減については先輩からうるさく言われたものですが、中でもトヨタのものづくりの一番の特徴は、最後にあげたつくり過ぎの無駄を省いていくところにあるでしょう。つくり過ぎの無駄を省くことが、ジャスト・イン・タイムのものづくりの鍵を握っているのです。"


「ジャスト・イン・タイム」とは「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」という製造業の生産管理システムのことで、前述したトヨタ生産方式に関わる部分です。生産プロセスを効率的にすることで、より良いものづくりをし続けてきたからこそ、日本だけでなく世界でもトップクラスの自動車メーカーになったのだと思います。

仕事をしている時にどれだけ生産性や効率を考えて仕事ができているでしょうか。日々仕事をしていると、いつもやっていることが当たり前になっていて、無駄が生じているかどうか考える時間をつくれていないことの方が多いのではないかと思います。

毎日1%の改善をすると1年後には38倍の成果がでるというのがあります。昨日よりも今日、今日よりも明日、と日々成長し続けることです。そのような意識を持って、日々の仕事に無駄は生じていないか、より生産性を上げるために何が必要かを徹底的に考えることが仕事をする上では大切ですね。

特に、時間に対しての意識は持っておきたいと思います。1時間でできること、アウトプットできることは何か。自分主導や自分の仕事ではなく、相手主導や相手の仕事に対してどのくらい時間を使ってしまっているか。

1日24時間という時間を自分モードで仕事や生活ができるかどうか、その時間で人や社会のためになることができるか
、を追求して過ごしていきたいと思います。


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/02/18 『現場には仕事と無駄の2つしかないと思え』
張富士夫 トヨタ自動車相談役
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※Photo by Science in HD on Unsplash