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#356 『27歳までに決断する』

本日は、指揮者の西本智実さんの「27歳までに決断する」についてのお話です。世界で数少ない女性指揮者である西本さんはオーケストラはもちろんのこと、オペラ指揮でも高い評価を受けている世界的指揮者です。大阪音楽大学作曲学科を卒業後、ロシア国立サンクトペテルブルク音楽院に留学、1998年に指揮者として国内デビューをします。その後はロシアやドイツなどヨーロッパを中心に活動します。


"私は幼い頃に音楽教育が始まりましたが、趣味なのか職業としてその道を歩いていけるのかを見極めたく、「27歳までに決断!」と決めていたんです。それで1996年、26歳の秋にロシアの国立サンクトペテルブルク音楽大学院に留学しました。実力次第でオーケストラを指揮する時間が決められるので、みんな必死で勉強します。仲間であり同時にライバルになるので常にプレッシャーに晒される環境でした。"
"現在でも女性指揮者の数は世界中の指揮者の0.1%にも満たないと思います。筋力的にも女性指揮者のほとんどが合唱団や小編成楽団の指揮を任されます。ところがロシアはオーケストラも歌劇場も大きな組織が多い!音が細くならないように、リハーサル時でも絶対に半袖は着ませんでした。若い頃は一回の公演で3キロも体重が減ってしまったので、体幹をしっかりさせるために体も鍛えました。"
"激動期のロシアでの経験は、いまではかけがえのないものだったと思います。無我夢中の私に場を与えようと、押し上げ引き上げてくださり、2004年、34歳の時に外国人で初めて名門ロシア国立交響楽団、旧レニングラード国立歌劇場の指揮者として招聘されました。ロシア以外にもヨーロッパ各地で指揮をし、2010年にアメリカでの活動が始まりました。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/12/22 『27歳までに決断する』
西本智実 指揮者
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※Photo by Manuel Nägeli on Unsplash