#08 『独創力を発揮するための三条件』 - 糸川英夫の教え
"糸川先生は、誰も考えなかったことを考えるのが大好きなんですよね。でもその基盤には、自分が正当に継がなきゃいけないものを、物凄くしっかり勉強しているということがあるわけです。その上に立って、初めて独創力が生まれてくるんだなと"
今回のお話は、日本の宇宙開発・ロケット開発の父と言われる、糸川英夫さんの「独創力」を、弟子の的川さんが説明しています。独創力とは、「新しいものを生み出す能力」のことですが、糸川さんが出されている本「独創力」では、サブタイトルが「他人のできないことをやる」となっています。
ロケットや宇宙に関する研究開発は、2021年現在も未知への挑戦的なところを感じますが、糸川さんが活動していた時代は、より未知の挑戦であったと思います。だからこそ、「他人のできないことをやる」という信念を持って、現在に続くロケットや宇宙の道をつくってきた功績は本当にすごいことだと思います。
お話の中では「独創力」を発揮する3つの条件として、的川さんの言葉でこのように表現しています。(それぞれのタイトルはお話を読んだ上で、私の独断と偏見でつけています。)
①強い意志を持つ
"「人間には意志というものがあって、自分はこれをやりたい、という思いにどこまでも固執しなければいけない。」と。いったんやりたいと思ったことは、絶対にやり遂げるという気持ちがなければ、やっぱり何もできません。一度決心したことは、石にしがみついてでもやり遂げる強い意志が必要だ"
②過去の偉人に学ぶ
"過去にどんな人がいて、何をやったかを徹底的に学習しないとダメだ、と。アインシュタインは、ニュートンのことを徹底的に学習して、ニュートンが考えることはすべて分かるという状態にまでなった。そうやって初めて、ニュートンの分からないことが分かるようになった"
③人とのネットワークを築く
"自分が何か独創力のある凄い仕事をしたと思っていても、世の中が認めなければそのまま埋もれてしまうことになる。世に認められるためには、他の人とのネットワークをしっかり築いてよい関係をつくっておくことが大事です"
3つの条件を読んでシンプルに思ったことは、「真っ直ぐ」だなと。余計な感情や無駄なことが全くない考え方だと思いました。「独創力」と聞くと新しいものだったり、誰も生み出していないものを生み出すという意味合いから、天才的な閃きやアイデアがあって、それを行うために多彩なスキルや技術があって...みたいな。
しかし、糸川さんの3条件は非常にシンプル。「意志」と「学習」と「関係構築」。どこまでも固執する強い「意志」、過去や偉人をすべて分かるまでの徹底的な「学習」、世の中に認めてもらうための「関係構築」。
一方で、シンプルであるが故の難しさがあると思いました。人間ですから、どうしてもネガティブな感情や楽なことに流されてしまいます。そのため、「継続すること」が人生において、人間が活動するにおいて、なにより難しいことであります。「継続は力なり」という言葉あるように、地道な努力を続けることでしか未来は切り開けない。
では、継続するために何が必要なのか?
信念
これに尽きるなと思います。自身が存在する意義、成し遂げるべきミッション、ありたい姿、目指したいこと、自分が信じるもの...。こういったものを持って、日々行動するかしないか、行動し続けられるかたった一回の行動で終わるか。
2021年がスタートして1週間が経ちましたが、私は今年、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』を読んで、「1日1考」をしようと決めました。もういくつか、意志を持って継続できることをいま考えています。今回の「意志」と「学習」と「関係構築」の3つはヒントにしたいと思いました。
ちなみに、私の存在意義やありたい姿はこちらです。
【Mission】
見えないものを見えるようにする。
【Vision】
言葉と行動に一貫性と必然性を。
昨年末に2020年の振り返りと2021年の方向性を整理している中で、定義したミッションとビジョンです。この信念に沿って、「独創力」- 他人のできないことをやる - を思考・学習・実行していく2021年にしていきます!
最後に、今回のお話を読んで、私の好きな言葉が浮かびました。
"愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ"
-ドイツ初代宰相 オットー・フォン・ビスマルク
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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/01/08 『独創力を発揮するための三条件』 - 糸川英夫の教え
的川泰宣 宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授・技術参与
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