見出し画像

#58 『ストレスに負けない生き方』

"医療社会学者のアーロン・アントノフスキーが強制収容所から生還した人たちの健康調査を継続的に行ったところ、一部の人たちはとても長生きしたことが分かりました。そしてその人たちは、共通して次の3つの特性を持っていたと報告しています。"

本日は、精神科医・医学博士で、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授の松崎一葉さんの「ストレスに負けない生き方」についてのお話です。松崎さんは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員や企業の精神科産業医として国内外で活躍しています。

今回のお話は、医療社会学者であるアーロン・アントノフスキー博士によって提唱された特性が紹介されています。詳しい内容は、この本を出版している致知出版社のページに載っています。

1.有意味感
辛いこと、面白みを感じれないことに対しても、意味を見出せる感覚。望まない部署に配属されても、「将来何かの役に立つかもしれないし」と思って前向きに取り組めること。

2.全体把握感
先を見通す力。先を見て心の段取りが取れること。パニックになる前に助けの要請を出せることで、自分もチームも円滑に仕事が回せる。

3.経験的処理可能感
初めて手掛ける仕事でも、過去の経験からこの程度まではできるはず、でもその先は未知のゾーンだと冷静に読める。その未知のゾーンも、あの時の仕事の経験を応用すればできるかなとか、あの人に手伝ってもらえそうだなと把握できる感覚。

この3つの特性や感覚を持っていることで、ストレスに強く生きることができる。有意味感は考え方や捉え方、つまり思考を自身でコントロールすること。全体把握感は目の前のことだけでなく、全体の流れや状況を客観的・俯瞰的に見ることや、予測・準備をすること。そして、経験的処理可能感は自分のこれまでの経験を内省し、抽象化することで違う物事との共通点と異質点を発見すること。個人的にはそのような解釈をしました。

そして、この3つの特性は過去・現在・未来の3つの時間軸で捉えていることがあると思いました。有意味感は現在、全体把握感は現在から未来、経験的処理可能感は過去から現在。ストレスに負けない生き方としては、3つの時間軸で物事を捉えることが大切なのかなと今回のお話を読んで気づきました。


============
書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/02/27 『ストレスに負けない生き方』
松崎一葉 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授
============

※Image by Avi Chomotovski from Pixabay