ありのままで愛されることはもちろんできるけれど、ありのままって「今の自分」ってことではない。

ありのままのあなたでいいんだよ、という言葉が多くなった気がします。
世の中の言葉の割合的に。ありのままでいいよ、ありのままで愛されよう、ありのままで愛してくれる相手と云々。

わたしもね、そう思う。ありのままでいいんだと。
でも結構「ありのまま」っていう言葉を都合よく受け取ってしまって逆に苦しんでいる人も見る。
都合よく受け取ると逆に苦しくなるって、一見不思議だけどよくよく考えると納得がいくと思う。

あのね、たぶん「ありのまま」を勘違いしている人は案外多いんじゃないかと思います。

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ありのままって、怠惰な自分のことじゃない。自堕落な自分のことじゃない。くすんだ今の自分のことを言うんじゃない。
ありのままっていうのは、「輝いている自分」のこと。本来持つ輝きをきちんと放っている状態のこと。
ありのままで、っていうのは、「他の誰か／自分以外の何かになろうとするな」っていう意味なのであって、「くすんだまま面倒くさくて磨いていない自分」っていうことじゃないです。

そういう前提に立つと、果たして今の自分はちゃんとありのままの自分をやれているのだろうか。

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ありのままの自分を好きになってほしいと渇望することって、実はすごく大きなパラドクスを抱えていると思う。

まずね、誰かに「ありのままの自分を受け入れてほしい、好いてほしい」って渇望する状況って、「自分では自分のこと好きでいられないから、誰かに好いてほしい」っていう気持ちがあるんです。自覚しているかどうかは別として。でもね、やっぱり自分で自分を好きになれないとき、自分はくすんでる状態なんですよね。そりゃそうだ。きらっきらに輝いているとき、たぶん輝くこと自体で満足している。「自分を好きになれない」とか、そういう思考すら湧いてこない。何かに没頭してるとき、自分のことって考えますか。わたしは考えてないなぁ。たぶん。

ありのままを愛してほしいなら、めちゃくちゃ当たり前なんですが「ありのままが魅力的な状態」にならなきゃいけない。
つまり、くすんだ状態の自分を磨いて、本来持っている輝きを取り戻さなきゃいけない。それがどんな色の輝きだったとしても、きちんと輝いていればそれを魅力的に思う人が現れて、もちろん「ありのまま」で愛してもらうことはできます。

でもありのままが美しく輝いて魅力的になったとき、もはや「ありのままの自分を好いてほしい」という渇望はなくなっているはず。

そこには他者による承認を必要としないくらいに自分に自信を持った自分がいるから。自分を認められる自分がいるし、承認できるから。他者に「ありのまま自分を受け入れてほしい」という依存をする必要もなくなるから。

不思議と、輝けば輝くほど「ありのままを愛してほしい」という渇望はなくなるし、しかもその渇望はなくなるのに、その輝きに惹かれて人が集まってくる。
だからね、もう、あれです。渇望して「ほしいほしい」って思っているよりも、きちんと輝いちゃったほうがはやい。笑

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くすんだまま何かを貼り付けたり塗りたくったりして、自分以外の誰かになる必要はないです。その点においては「ありのままでいい」です。

だけど、磨け、ってこと。
自分自身を、くすませておくな、ってこと。

ありのままの自分、ありのままのあなた、っていうのは、本来きちんと美しさと輝きを兼ね備えた存在なんだっていうこと。ありのままの状態っていうのは、その人自身の魅力が充分に引き出された状態のことだっていうこと。

そうは言っても磨き方がわからない、って思う人もたくさんいると思う。
はじめから自分の魅力の核をわかっている人なんて、むしろめちゃくちゃ少ないと思います。
そういうときは、自分を好きかどうかなんてわからないくらい、何かに没頭してみるといいと思うんです。あるいは、いろいろな人の考えに触れてみることもいいと思う。とりあえず、自分を自分の中に閉じ込めてしまうのではなくて、自分を外に出してあげること。外のものと触れさせてあげること。

意外とね、自分の持ってるものって、わからないですから。外に出てみないと。
そのうち、自分が持っているものに気付く。あれ、これって実は全然当たり前のことじゃないんだ。あれ、これって実はすごく希少な持ち物だったんだ、って。

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大丈夫、って言いたい。
何が大丈夫かって、「今のままで大丈夫」っていうことではなくて、「それぞれに、絶対にそれぞれの輝きと魅力を持っているから、大丈夫」っていうこと。
輝きも魅力もない人間なんていません。まだ自分の輝きや魅力を見たことがないんだとしたら、それはまだまだ可能性があるんだってこと。これからいっぱい光るよ。今よりずっと。

だから、磨こう。もったいないから。
いっしょに磨いてこ。

友井蒼子 (@aokotomoi) | Twitter