コロナ禍における日本への出入国事情

オランダでは新型コロナウイルスによる死者数がはじめて0人を記録しました。ヨーロッパ全体をみても、6月15日以降、ある程度制限はしつつも、経済活動をもとに戻そうという流れになりつつあります。

カフェ・レストランでの食事も解禁された他、シェンゲン協定圏内の移動も自由にできるようになりました。

シェンゲン協定
加盟しているヨーロッパの国家間において、出入国検査なしで国境を超えることを許可する協定のこと。欧州連合(EU)とはまた別の協定で、たとえば以前までEUに属していた英国はシェンゲン協定には加盟してない。その反対にEUに加盟していないスイスは、シェンゲン協定には加盟している。

予断ですが、他にも共通通貨(EURO)を採用しているEU加盟国もあれば、採用していない加盟国もあったりと、ヨーロッパの構造はとても複雑。歴史的背景も加えると、欧州外の人間からすると混迷を極めます。

一方、シェンゲン協定圏外からの出入国はまだまだ規制が厳しい状況です。ビジネスや旅行目的となれば、入国は今でも制限されています。

ただし、永久居住者やレジデント(居住地)が欧州内にある場合は、協定圏外からの入国も認めているそうです。

たとえば仕事も住居もオランダにある場合は、シェンゲン協定圏外である日本からの入国も可能になります。

そんな中で、ふと目に留まったのがこちらの記事。

日本へ入国できずに困っている外国人労働者の方が多数いるという内容です。

イギリス国籍の32歳のKady(仮名)さんは大阪でコピーライターの仕事をしていましたが、2019年の12月に所用でイギリスに帰国。2020年5月に日本に戻ってくる予定だったそうですが、新型コロナウイルスの影響で、今もなお日本へ入国できずにいるそうです。

というのも日本政府は永住権や労働ビザを持っていようが関係なく、外国籍であるすべての人々の日本入国を禁止しているからです。今のところ日本へ入国できるのは日本のパスポート保持者だけ。

Kadyさんと同じ理由で日本に入国できない方は300百万人にものぼるという話です。

日本は感染者数も死者数も圧倒的に少ない国なので、確かに海外からの入国者に対して警戒するのは理解できます。水際での対策を徹底的に行うのも正しい行為だと思います。

日本国籍の我々であっても、PCR検査を受け、陰性の結果が出たとしても、公共交通機関を使えません。自宅やホテルには自力で向かい、さらにそこで14日間の自主隔離を求められます。

しかしながら、入国可否を日本国籍保持者とそうでない者とで分けるのは、賢明な判断でないように思います。根拠がよくわかりません。

せめて居住しているのかどうか、ビザがあるかどうかで判断するべきではないでしょうか。

記事のおわりには、日本の移民政策に対するコメントも記載されていました。記事によると、

2019年の4月に日本政府は特定技能ビザという新しいタイプの在留資格を創設。今まで認められなかった産業分野(建設、農業)で就労できるビザで、現時点でこのビザで受け入れた外国労働者の人数は3,987人。
これは初年度の受け入れ人数目標である3万2800 - 4万7550人の10%前後の水準です。

要するに「日本で働く魅力がなくなってきているんじゃない?」ということです。

今回の外国人国籍の人々に対する入国対応で”日本離れ”が、それにますます拍車をかけるかもしれません。




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