ウェアラブルガジェットから想像する未来の世界
Oura Ringというものを買いまして、これが劇的に生活のスタイルを改善してくれそうなのです。それは非常にいいことなのですが、このガジェットを1ヶ月つけてみて考えたことがあるので、そのへんのことについても書いていきます。
Oura Ringの概要
Oura Ringは睡眠をトラッキングする指輪型のウェアラブルガジェット。Fitbitといったの時計型デバイスと違い、身体(指)との接地しているので、その分精度が高いと感じる。今まで使っていたFitbitだとしっかり検知できてない日も多々あった。
実際、米国の論文でもOura Ringの精度が科学的に証明されている。ラボ環境で行う睡眠ポリグラフ検査と比較したところ、睡眠の検知精度は96%の正確性で一致。睡眠のステージのカテゴライズにはまだまだ改善の余地はあるが(カテゴライズの精度はだいたい60%前後)、とても有望なデバイスである、と結論づけている。
指輪の内側に「体温計」「赤外線センサー」「加速度計・ジャイロスコープ」のセンサーを搭載。これが心拍数、体温、呼吸数、身体の動きを検知し、睡眠の質をスコアリングをしてくれる。専用のアプリとBluetoothで接続するので、いつでもiPhoneでスコアの確認が可能。
1ヶ月つけてみてどうだったか?
睡眠のスコアリングのほかに、1日の体調を測る「Readiness」や、活動量を示す「Activity」についても0 - 100でスコアリングしてくれる。1ヶ月つけてみて感じたのが、これらの数値が思っていた以上に自分の生活に影響を及ぼしてきたことだ。
Readinessは、前日の睡眠とActivitlyの質から判断してスコアリングされる。最近では睡眠の質を上げることよりもむしろ、このスコアを伸ばすことに夢中だ。
具体的な数値として表示されるので、どちらかと言えばゲーム感覚に近い。昨日もこのReadinessスコアを上げるために、足りていなかったActivityを増やした。晩飯後にも関わらず散歩に出かけたのだ。就寝時間も一定の方がいいと言われるので、自然と寝る時間も定まってきた。
神→人→データへシフト
「Oura Ringに生活が左右されてるな」この記事を書いているうちに、ふと思った。
世界的ベストセラーとなった「サピエンス全史」の著者であり歴史学者のユバル・ノア・ハラリ氏。彼は2作目の「ホモ・デウスで」で、次のことを述べている。
データが神になる時代
数百年前までの人類は空想上の「神」を信じてきた。神は全治全能であり、神の言うことを聞いておけば間違いはない。と信じて生きてきた。
やがて医療・科学が発達し、さらには民主主義が主流になる。そんな世の中では神ではなく「自分」を信じるスタンスに変わる。
自分の内なる声を聞いて、自分のやりたいことを追求しなさい。と、よく耳にする。民主主義では、一人ひとりの意見、つまり個人が一番大事であるとされる。
しかし、AI x ビッグデータが世界を牛耳るようになる世界においては、その潮目が変わる。とハラリ氏は語る。「自分を信じることから、データを信じるようになる」
実は、もうすでにそういう時代に入りつつある。気づけばYouTubeからレコメンドされる動画を見ていたりする。朝の通勤のドライブではGoogleマップのナビゲーションの指示に従い、できるだけ渋滞を避けるようにする。
Amazonのからレコメンドされる本を購入するのも、Netflixで「あなたにおすすめ」の動画を選択するのもまさにそう。
なぜ、アルゴリズムに従うのか?それは、アルゴリズムに従うことでベネフィットが得られると考える人が多くなってきたからだ。だからぼくらは、データに、アルゴリズムに指示に促されて行動するようになってきたのである。
まとめ
今後はOura Ringのようなウェアラブルガジェットがますます増えていくだろうと思ってます。
今はあくまで「良質なアドバイス」と捉えて、自分の意思で動いているつもりでいる。
しかし、これからもっとデータが収集されるようになり、より正確な決定ができると感じ始めると、アドバイスの域を超えて「データに従う」ようにぼくらの行動は変わっていくのではないだろうか。
そしていつの頃からか、自分が持っていると考えている意思さえもアルゴリズムに決められる時代がくるのかもしれない。
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