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コミュニケーションツールが進化していく世界について考えてみた

Datadogという企業があります。この企業について研究してますと、彼らの事業を通して少し先の世界についても考えていました。今回はその話をします。

Datadog Inc.とは

2010年設立、ニューヨーク拠点のスタートアップ。クラウド時代の監視アプリケーションサービスを提供している企業で2019年に上場。

SaaSベースのデータ分析プラットフォームを介してサーバー、データベース、ツール、およびサービスの監視できるようにするのが彼らのサービス。

24時間リアルタイムで稼働するWebサービスが増えた昨今、DevOps(Dev: ソフトウェア開発、Ops: 運用)ツールを用いて、相互にコミュニケーションをとりながら開発していく手法が主流になってきた。

しかし開発・運用間のコミュニケーションは難航する。それぞれの役割は全く逆のベクトルに向かってるし、そもそもお互いの取り組みについての理解度が乏しいからだ。

Devの役割が“システムに新しい機能を追加する”である一方、Opsの役割は“システムの安定稼働”である。そのため、Devが新しい機能を追加したくても、Opsはシステムの安定稼働のために変更を加えたがらない、という対立構造が作られてしまっていた。

この問題を解決するのがDatadog。彼らのサービスを使えば、サーバーやログ、データベースなどさまざまな情報を一つのダッシュボードに表示することができるので、お互いの取り組みの理解度を深めることができるのだ。

その結果、企業としてのバリューを高められるというのがこのサービスの一番のポイント。

コミュニケーションツールの使い方

この事業を噛み砕いて表すと、開発と運用の「コミュニケーションツール」を提供して問題解決を図っている言える。

一方には当たり前に使われる用語が、他方にはちんぷんかんぷんな呪文となる。そんなお互いの理解度の差を縮めてくれるのがこのツール。

Datadogのように専門的な分野の言葉を「翻訳」するコミュニケーションツールは、今後はわれわれの生活インフラにも展開されると予測している。

今わたしは「Oura Ring」という睡眠の質をスコアリングする指輪型ウェアラブルガジェットを身につけている。

このリングに埋め込まれたセンサーが脈拍、呼吸数、体温や身体の動きを検知することで、睡眠の質、体調の良し悪しなんかも点数化してくれる。

今はその使い道しかないが、Oura Ringのようなサービスは、これからはたとえば医療分野でも使われるようになるかもしれない。

Oura Ringのようなウェアラブルガジェットを身につける、あるいは極小サイズのチップを身体に埋め込むことで、生活を営む上で関わるすべての変数・情報(脈拍、呼吸数、体温のほか、食べたものや飲んだもの、排便のタイミング、エクササイズの種類)を記録し、モニタリングできる時代がくる。

しかし、どれだけ膨大な情報があったとしてその情報を理解し、行動に落とし込めなければ意味がない。そこでDatadogのようなコミュニケーションツールが登場する。

そのツールを使えば、医者と簡単に情報共有ができる。問診よりも正確に病状を認識することができるし、医者が話している言葉も我々一般人が理解できるようになる。遠隔でも可能になるし、治療すること以外にも、病気の予防にだって使うこともできる。

実際、コロナウイルスに対してはもそんなことを取り組んでいる研究がある。Oura Ringが取得する生体情報でコロナ感染者の早期発見ができるという。

まとめ

Datadogという企業を通して、未来をちょっとだけ考えてみました。こういった世界がいつ訪れるかはわからないけど、方向性としては大きくは外れてないとは思います。というか既にそんな時代になりつつあるのかも。

すべての活動がデータに残されてしまうのはやや怖い気がしますが、客観的な指標から物事を判断することは合理的なことなので、わたしは比較的ポジティブに捉えています。

しかし、これが果たして不合理なわれわれ人類にとってプラスに働くのか、マイナスに働くのかは分かりません。

そもそも合理的な判断に従えば、お酒やたばこも合法になるべきではない。なんてことを書いておきながら、先週の土曜日にお酒を飲み過ぎたせいで、日曜日を台無しにしちゃった不合理な自分も意外と嫌いじゃないんですけどね。

あぁなんて矛盾、でもこれが簡単にはやめられない。だって人間だもの。


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