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【vs ガン】驚異のミネラル[セレン]は「摂らなきゃ損!」な栄養素です。
先週末に、ガン予防に関する記事を公開しました。
ガン予防に役立つ栄養素はさまざまですが、今回はその中から、きわめて知名度が低いセレンを少しでも知っていただきたく、取り上げました。
セレンというミネラルがいかに重要なのか。
また、セレンが不足するとどのような症状が出やすくなるのかということを解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)
セレンが不足すると
まずは、セレンが不足した場合にどのような症状が出やすくなるのか、ざっと挙げてみます。
・心筋症
・筋力低下
・筋萎縮
・爪の白色化高血圧
・乳がん
・前立腺がん
・肺がん
・大腸がん
・関節炎
・多発性硬化症
・肉体疲労
・過労
・精神の減退
・更年期症状
・甲状腺腫
・甲状腺機能低下
・クレチン症
・精子減少
・流産
これを見るだけでも大切なミネラルであることが理解できます。
が、その割には一般的には知られていないように思えます。
私も17年前、栄養学を勉強し始めるまでは、聞いたこともありませんでした。
ところが勉強を始めると、セレンがいかに重要なミネラルなのかが分かって来ました。
セレンは毒物だった
それだけ重要なミネラルであるにもかかわらず知名度が低いのには、一応理由があります。
一応、その理由も知っておいてください。
セレンそのものは19世紀前半には発見されていました。
しかし、当時は産業の場から発生する有害物質、毒物としての扱いでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1646988214517-BSJBAQFIO4.jpg?width=1200)
セレンは、あくまでも生体に悪い影響を及ぼす物質であって、その取り扱い方や中毒予防のための研究の方が先行しました。
セレンが人間の体に不可欠な栄養素であることが分かってきたのは、それから1世紀以上も経った20世紀後半になります。
セレンが一般に知られていない理由の一つは、ここにあります。
セレンは重要なミネラルには違いありません。
ただ、だからといって闇雲に摂取してしまうとマイナス面、中毒症状を起こすという一面もあります。
ですから、セレンはその意味でも、しっかり勉強しなければいけない栄養素だということになります。
前置きがかなり長くなりましたが、あらためてセレンの役割について解説します。
セレンの数ある仕事の中で、主なものは下の6つです。
![](https://assets.st-note.com/img/1646981802319-kzRYcXooHZ.jpg?width=1200)
今回は、その中の②③④⑥について解説します。
抗酸化作用
セレンは、体内で発生する活性酸素を除去して、体を傷つける炎症を防ぎます。
セレンは2通りの抗酸化作用を持ちます。
1つは、セレン単独での抗酸化作用。
ビタミンCやビタミンEの抗酸化作用よりも、ずっと強力です。
![](https://assets.st-note.com/img/1646981741904-HqvflShZWH.jpg?width=1200)
もう1つは、元々体に備わっている抗酸化酵素、グルタチオンペルオキシターゼの構成分子(補酵素)の役割をします。
![](https://assets.st-note.com/img/1646979333329-22NX0iIU99.jpg?width=1200)
上の図では、アポ酵素がグルタチオンペルオキシターゼ、補酵素がセレンです。
また、セレンの抗酸化作用は、ビタミンEも一緒に摂っていると相乗効果が期待できます。
甲状腺機能の正常化
セレンは、甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)をより活性型であるトリヨードチロニン(T3)に変換するためにも必要な物質です。
![](https://assets.st-note.com/img/1646981717583-YXpPnrR5Ks.jpg?width=1200)
甲状腺の機能低下は、
・むくみ
・全身の倦怠感
・体の冷え
・皮膚が乾燥する
・食欲はないのに体重が増える
・月経の異常
といった症状を招きます。
重金属の解毒と排出を促す
具体的には、水銀、カドミウム、鉛、ヒソといった有害金属のことを指します。重金属を100%なくすということではありませんが、これは非常に大切なことです。
水銀、カドミウム、鉛、ヒソは有害ミネラルとも言われます。
有害ミネラルは、マグネシウム亜鉛など、有益なミネラルの働く場所に先回りして入ってしまい働けなくしてしまいます。
ですから、有害ミネラルを取り除くことは、有益ミネラル(必須ミネラル)をしっかり摂取するのと同じぐらい大切なことです。
ガン予防
そして、セレンの役割で、今もっとも注目されているのはコレでしょう。
なかでも、乳がん、前立腺がん、肺がん、大腸がんにおける効果がとくに高いようです。
具体的に、ガンに対するセレンの作用は、次のようなものです。
1,ガン細胞をアポトーシス(自然死)に追い込む
2,P 53(ガン抑制遺伝子の代表的なもの)の活性化
※この作用は、亜鉛と協調して働きます(下図)
![](https://assets.st-note.com/img/1646987640655-cLA046uNdt.jpg?width=1200)
3,新生血管の抑制
※新生血管=ガン細胞の栄養の取り込みと転移する経路
このような作用によって、セレンはガン予防に働きます。
なお、セレンの必要摂取量、そして大切な上限量、セレンはどのような食材に含まれるのか、サプリメントを使う場合の注意点については【セレンの必要量と上限量】という記事を近々公開します。
まとめ
セレンが不足した場合に起きやすい症状として、ザッと挙げても20前後はあります(冒頭部分)。
セレンが、いかに大切なミネラルであることが理解できます。
が、セレンは当初は産業の場から発生する有害物質、毒物としての扱いであったため、栄養素としての研究が遅れました。
それが知名度が低い理由かもしれません。
セレンの数ある役割の中で、代表的なもの4つに絞ると、
①強力な抗酸化作用
②甲状腺機能の正常化
③水銀、カドミウム、鉛、ヒソといった重金属の解毒と排出を促す
④ガン予防、とくに乳がん、前立腺がん、肺がん、大腸がんの予防効果
これだけでも、セレンが重要なミネラルであることに納得いただけたかと思います。
この記事の内容については、動画もアップしています。合わせてご覧ください。
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