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サプリ必要ない栄養素5選【前編】

皆さんのサプリ棚にはいくつのサプリが並んでいますか? 

「この栄養素はよさそうだ。じゃあサプリを買おう。」
こんな感じで一つ、また一つとサプリが増えていって、気がついたら20個、30個、それ以上の数になっていませんか? 

サプリは、調味料やスパイスではありません。
たしかに、このnoteではサプリの記事を多数アップしています。
けれども、サプリの専門サイトではありません。

分子栄養学では、サプリは必須アイテムであることも事実です。
分子栄養学の書籍や記事でもサプリは必ず登場します。

そのため、サプリが多いほど健康になれると勘違いしてしまいがちです。
しかし、それではけっして健康になれません。

私が言い続けているのは
「まずは食事から。
食事からでは十分な量を摂れない栄養素は、サプリの力を借りる」
ということです。

この記事では、あらためてそのことを説明した上で、超重要な栄養素ではあるけど、サプリに頼らず食事から摂ることが可能な栄養素5つを解説します。
(前編では2つ)

なお、この記事で言うサプリはその栄養素単独サプリのことで、マルチビタミンミネラルに含まれる分は該当しません。

また、私がサプリは必要ないと言うのは、とくに症状などない場合を前提にしています。
その点もご了承ください。

なぜ食事が大切なのか

私が考える理由は2つです。

①サプリは総合力で自然の食べ物には敵わない   

例えば、
ビタミンCのサプリであればビタミンC、
鉄サプリであれば鉄しか栄養素は含まれていません。

しかし、自然の食材には、まだ発見されていないものまで含めると、数十とか百を超える栄養素が詰まっています。

ピーマンならビタミンC、ニンジンはβカロテンがよく知られていますが、ビタミンCやβカロテンだけ含まれているのではありません。
動物であれ植物であれ、生命が宿っていて生きるための活動を行う必要があるので、無数の栄養素が連携して働く必要があるからです。

私たち人間も、生きていくためにはマイナーな栄養素も含めて幅広く栄養を摂る必要があります。
その意味で、まずは自然の食材を幅広く食べて、それを栄養源のベースにすることが大切です。

(食事から摂れるはずの栄養素までサプリに頼っていては)
食事内容がどうしても疎かになる

人は本質的には「楽をしたい」「省きたい」と考えて、それが可能であればそちらに流れていきがちです。
程度の差こそあれ、皆さん忙しいと思いますし、そんな中で毎日のレシピを考えて作るのは、本当に大変だと思います。

世の中には、そんな人の要望に応えてくれる、便利な食事や食品が溢れています。
外食やテイクアウト、あるいは加工食品(冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品など)です。

しかし、そういった便利な食事や食品は、総じて栄養価が低くなります。
美味しいことが最優先で、栄養価は二の次です。
加工食品は、加工工場での洗浄、殺菌、撹拌等で栄養素が失われてしまいます。

さらに、悪しき油(トランス脂肪酸、パーム油、酸化油)や食品添加物が間違いなく入っています。
ほとんどの場合、かなりの量で。

栄養が足りない点は、部分的にサプリでカバーできます。
しかし、悪しき油と食品添加物を排除することはできません。

食事で健康になるためには「何の栄養素をどれだけ入れるか」
とともに「悪いものをいかにして入れないか」ということも同じくらい重要です。 

そうなると、やはり原点回帰で食事を見直し、食事から摂れる栄養素は食事から摂取するべきです。 

サプリが必要ない栄養素①タンパク質

言うまでもなく、タンパク質はもっとも重要な栄養素です。
筋肉、皮膚、頭髪、臓器、血管、血液、酵素、その材料はみんなタンパク質です。

ビタミンもミネラルも、タンパク質あってこその栄養素。
まずは、タンパク質が不足しないよう十分に摂取することが先決です。

にもかかわらず、タンパク質のサプリ、
アミノ酸やプロテインに頼ることを私は良しとしません。

理由は単純で、タンパク質は玉子、大豆食品、肉類、魚介類を中心に食事から摂れるはずだからです。
けっしてハードルは低くはありませんが、朝昼晩3食に分けて摂れば、クリアできない難易度ではありません。

また、別の理由を述べるとコスパが悪すぎます。
流通しているアミノ酸とプロテインのほとんどは、5グラムのタンパク質を摂るのに100円以上のコストがかかります。

それがどれだけ割高なのかは、玉子と納豆で比較すれば分かります。

Mサイズの玉子1個には約6、4gのタンパク質が含まれます。
玉子1個は30円もしません。

50g入り納豆1パックには約8、3gのタンパク質が含まれます。
納豆も、国産大豆の商品でも1パック約50円です。

さらに、自然の食品である玉子や納豆には、タンパク質以外にあらゆる栄養素を含んでいます。

さまざまなビタミンとミネラル、レシチンという良質な油。
それに加えて納豆には、食物繊維、納豆菌、ナットウキナーゼなどが含まれます。

タンパク質はサプリから摂取するよりも、食べ物から摂取する方がコスパ的にも栄養価的にも勝ります。
この物価高の時代に、けっして安いとは言えないアミノ酸やプロテインを続けなくても、自然の食品から十分に賄えます。

もっとも、おもに中高年の方はこのようにおっしゃるかもしれません。
「消化がなかなか追いつかないのでサプリで補っている」。
それは一理ありますし、全否定するものではありません。

それでも、消化が追いつかない分をサプリで補うより、食べ物の消化そのものを高める方が体には優しいです。
理由は、未消化分のタンパク質は、アンモニア化合物として腸の中で毒素を撒き散らし、腸内環境を悪化させるからです。

消化する量を増やしつつ、未消化分を少しでも減らすことが重要です。

タンパク質の消化を高める方法、または消化酵素サプリの記事もアップしています。
タンパク質の消化に苦戦している方はお読みになってください。

サプリが必要ない栄養素②ビタミンD


ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて丈夫な骨を維持することで知られていました。
が、近年は免疫力向上に欠かせないことで注目度大のビタミンです。

とくにウイルスに対する免疫効果は大きく、インフルエンザや風邪のみならず、例のウイルスの時も、私を含めて知っている人はビタミンDをせっせと摂っていました。

極めて重要なビタミンDですが、パンデミックのような非常時は別として、通常はやはりサプリに頼らずに食事から摂るべきビタミンだと考えています。

ビタミンDが含まれる食べ物は、活性度が高いビタミンD3に限れば、ほぼ魚介類に絞られます。
ビタミンDのイメージが強い干し椎茸やキクラゲに含まれるのは、活性度が高くないビタミンD2です。

日本人の魚介類の摂取量が年々減っていることがビタミンD不足の大きな理由だと推測できます。

魚介類以外では、日光を浴びてビタミンD3を体内合成できます。
しかし、日光浴を極端に敬遠する人が多いことも、ビタミンD不足を助長している一因です。

イギリス政府から発表されたガイドラインです。
骨粗鬆症予防にとどまらず、免疫力の増強、免疫力の調整など、ビタミンDが持つ幅広い効果を十二分に発揮させるためには、1日2000IU(50μg)は摂取することが推奨されています。 

けれども私は、ビタミンD個別サプリを飲んでいません。

その理由は、お魚と日光浴から少なくとも10μgはビタミンDを得ていること。
それに加えて、マルチビタミンから50μgを摂取しているからです。

私が飲んでいる、
Life Extention[Two Per Day]
にはビタミンD3が50μg含まれています。

食事分と合わせると60μg前後。
ビタミンD3は60μgも摂ればOKです。

ビタミンDサプリを否定はしませんが、積極的には薦めていません。
その理由は、ビタミンDの単位がμgだからです。

μgはmgの千分の一。
例えば50μgをmgに直すと0、5mgです。

それを錠剤にすると絶対につまめません。

そのため、飲みやすくするためにかさ増しをします。
使われるのは添加物です。

例として、ネイチャーメイド・ビタミンDの場合。

ビタミンD 25μgに対して錠剤の内容量が245mg。

計算すると、ビタミンDは全体の0.01%、
逆に添加物が99.99%。
つまり、ほぼ100%が添加物です。

もちろん、添加物とは言っても有害なものではありません。
とはいえ、ごく微量のビタミンDのために、ほぼ100%別のものを飲まされている事実には変わりません。

私がビタミンD個別サプリを積極的には薦めていないのは、このようなややマニアックな理由もあります。

参考までに、μg単位の栄養素、サプリは、ビタミンDのほかビタミンB12、葉酸、ビタミンK、セレンなどがあります。

【後編】に続きます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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