腸内でマルチに働く水溶性食物繊維は腸活に欠かせません
腸活に欠かせない食物繊維には、
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
今回は、水溶性食物繊維が腸内環境の改善にどのように働くのかを解説します。
なかでも、便秘対策における効果と、不溶性食物繊維との役割の違いについてフォーカスします。
(記事の文末に動画を貼っています)
水溶性食物繊維はスゴい!
まず、水溶性食物繊維の主な働き4つをご覧下さい。
・便通改善
・善玉菌を増やす
・血糖値・コレステロール値抑制
・有害物質の排除
すべて腸の中で仕事をします。
食物繊維は、水溶性も不溶性も腸で消化吸収されません。
そのため、かなり以前、食物繊維は「不要なもの」で栄養素としての扱いではありませんでした。
しかし、消化されないからこそ腸の中でいい仕事をします。
今では、タンパク質、糖質、脂質(3大)ビタミン、ミネラル(5大)に次ぐ、
6番目の栄養素と言われています。
図に戻ります。
今回の記事では左側の2つ、腸内環境の改善に絞って話を進めます。
水溶性食物繊維はビフィズス菌を増やす
まずは「善玉菌を増やす」から。
ここでの善玉菌は、主にビフィズス菌です。
水溶性食物繊維はビフィズス菌のエサになって、腸内のビフィズス菌を増やします。
「ビフィズス菌を増やす」ことが大切なのは、ビフィズス菌を元から含む自然の食品がないからです。
ビフィズス菌入りのヨーグルトは、メーカーが製造過程で添加したものです。
そこからビフィズス菌を摂ってもよいのですが・・・
乳製品を敬遠している人にとっては、ビフィズス菌を食品から入れるという選択肢は基本的になく、今あるビフィズス菌を増やす以外にありません。
だから、水溶性食物繊維の存在が欠かせなません。
「便秘には食物繊維」の落とし穴
次に、「便通改善」に対する水溶性食物繊維の働きです。
便秘でお悩みの人は多いかと思います。
便秘解消には食物繊維ということで、とにかく野菜をたっぷり食べている人もいるかもしれません。
しかし、そこには落とし穴があります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を区別して摂る必要があります。
大腸における水溶性食物繊維の働きは
「水分を吸収して便を柔らかくする」。
一方で、不溶性食物繊維は
「便の水分を保持し数倍から数十倍に体積を増加。腸壁を刺激する」。
多くの書籍やネット記事にある表記です。
これを読むと、
「水溶性も不溶性も便通改善には必要であり、区別せずにしっかり摂ることが大切だ」とも思えます。
優先順位を間違えるとヤバい!
ところが、必ずしもそうではないことが分かってきました。
上半分、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、それぞれの役割については概ね同じことが書かれています。
が、左下を見て下さい。
「(不溶性食物繊維は)多すぎると硬い便が増えて便秘悪化」と書いてあります。
そうなんです。少し言い換えると、
「水溶性を十分に摂らずに不溶性ばかり摂っていると、便が硬くなって便秘が悪化する」。
そして、多くの野菜に含まれる食物繊維が不溶性であるために、
「食物繊維を摂っているのに便秘が一向によくならない」という落とし穴にハマります。
水溶性も不溶性も大切だけど、優先順位があります。
便秘の人「とにかく出ない」という人は、まず意識して水溶性食物繊維を摂って下さい。
上の図をもう一度見ると、理想的なバランスは2:1と書いてあります。
水溶性を意識して摂ってはじめて2:1、意識しなければ比率がもっと開いてしまうことを意味します。
何と言っても海藻類
水溶性食物繊維が多く含まれる食品です。
どちらかというと左側が重要です。
何と言っても海藻類。
寒天、ひじき、ワカメ、モズク、昆布です。
私が住む沖縄では、モズクやアーサ(あおさ)を日常的に食べますし、昆布を炒めて食べる(クーブイリチー)習慣があります。
海藻類から十分な水溶性食物繊維を摂ることができます。
水溶性食物繊維が多い野菜は、
ゴボウ、アボカド、オクラ、モロヘイヤ、春菊です。
とくに、ゴボウに多い水溶性食物繊維のイヌリンは、大腸で善玉菌を強力に増やします。
それ以外で付け加えるならば、「茹でた」大根です。
大麦は外せない!
もう一つ、ここには抜けていますが、グラム当たりの水溶性食物繊維がもっとも多いのは大麦です。
食料品店では押し麦、丸麦、もち麦などの商品で販売されています。
海藻類、水溶性が多い野菜と一緒に大麦を食べ続ければ、ほぼ間違いなく便秘は解消するはずです。
大麦に関しては、下の記事をお読みください。
サプリもあるにはあるが・・・
水溶性食物繊維にもサプリがあります。
例えばイヌリン、オオバコ、アカシア繊維といったサプリがあります。
が、すぐサプリに飛び付かずに、まずは食事からの摂取で最大限の努力をしてみてください。
食事からの摂取ではどうしても不足しがちな栄養素をサプリで補う、というのが原則です。
安易にサプリに頼る習慣が身についてしまうと、食事が疎かになる、考えなくなってしまいます。
海藻類、水溶性食物繊維が多い野菜、大麦などを食べても全く便秘が解消しない場合に、サプリを検討してみてください。
まとめ
水溶性食物繊維が腸内環境を改善するという役割。
1つ目の役割は、善玉菌を増やすこと。
水溶性食物繊維が善玉菌、とくにビフィズス菌のエサになって腸内のビフィズス菌を増やします。
2つ目の役割は便通改善。
水溶性食物繊維が水分を吸収して便を柔らかくし、大腸の通りをよくします。
注意点は、水溶性を十分に摂らずに不溶性ばかり摂っていると、便が硬くなって便秘が悪化することです。
不溶性食物繊維とは区別して、水溶性食物繊維を優先的に摂ってください。
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