【抗ウイルス対策】お茶・緑茶の驚くべき健康効果
日本人が古来から飲み続けてきたのが、お茶・緑茶です。
お茶・緑茶には体に対して数々のよい成分が含まれていますが、残念ながら近年日本人はあまりお茶・緑茶を飲まなくなっています。
今回は、お茶・緑茶に含まれる優れた成分3つを解説して、お茶・緑茶の健康効果を再認識していただきたいと思います。
(記事の文末に動画を添付しています)
抗ウイルス、抗インフルエンザ
お茶・緑茶に含まれる成分、1つ目はカテキンです。
カテキンはポリフェノールの1種です。
カテキンの働きでよく知られているのが抗菌作用、抗ウイルス作用です。
カテキンにもいくつかの種類がありますが、その内の一つエピガロカテキンガレートは粘膜の免疫力を向上させます。
カテキンはウイルスにくっついて、ウイルスが細胞の中に入るのを妨げます。
インフルエンザの予防効果に関する研究はいくつかあります。
静岡県立大学薬学部による、静岡県内9校の小学生2663人を対象とした研究調査では、
1日1〜2杯お茶を飲む小学生は、1日1杯未満の小学生と比べて38%インフルエンザの発症率が低い。
3〜5杯飲む小学生は46%発症率が低かった、という結果が出ています。
また、昭和大学の細菌学の研究論文でも、インフルエンザA型およびB型の感染予防効果があることがわかっています。
カテキンには肥満抑制効果も!
カテキンは、活性酸素を除去する強い抗酸化作用も持っています。
これによる抗がん作用も注目されています。
さらに、むし歯の原因でもあるミュータンス菌を抑える作用があり、お茶に含まれるフッ素の作用とも相まってむし歯予防に働きます。
近年注目されているのが、カテキンの肥満抑制作用です。
カテキンが肥満を防ぐ仕組みは2つ。
①脂質由来のエネルギー消費を高めることで、中性脂肪を減らすこと
②脂質消化酵素(膵リパーゼ)の働きを下げることで、脂質の吸収を抑えること
それ以外にもカテキンは、
血圧、血糖値、LDLコレステロール値の抑制作用
抗アレルギー作用
紫外線の吸収作用
等の働きで、各種生活習慣病の予防にも貢献します。
カテキンは、太陽光を浴びれば浴びるほど増えます。
茶畑に一定時間の覆いをする抹茶や玉露に比べて、煎茶の方が多くなります。
テアニンがあるから緑茶は“うまい”
お茶・緑茶に含まれる成分、2つ目はテアニンです。
テアニンは、お茶・緑茶に含まれるアミノ酸の1種で“うまみ成分”でもあります。
テアニンは、脳神経機能の調整役を果たします。
脳の神経細胞に作用して、
リラックス効果や安眠効果
さらに
うつ症状や統合失調症の緩和効果
が期待できます。
また、お茶・緑茶には似たような働きを持つGABA(γアミノ酪酸)も微量ながら含まれています。
気持ちを落ち着かせたい時には、うってつけの飲み物と言えます。
テアニンはカテキンとは逆に、日光に当たり過ぎると減ってしまいます。
そのため、煎茶よりも抹茶や玉露に多く含まれます。
同じ煎茶でも、4〜5月に摘み取られる一番茶には、二番茶の3倍のテアニンが含まれます。
だから、あのような“うまみ”が残るのです。
6〜7月に摘み取られる二番茶は、テアニンが減りカテキンが増えるので、苦味や渋味が強くなります。
8〜9月に摘み取られる三番茶は、家庭用茶葉として販売するのは難しくなります。
おもに、ペットボトル飲料などに使われています。
カフェインはデメリットばかりではない
お茶・緑茶に含まれる成分、3つ目はカフェインです。
「えっ、カフェインって、あの眠れなくなるじゃないの?」
と不思議に思うかもしれません。
たしかにカフェインは、一長一短の側面を持っています。
脳の中枢神経を刺激して頭をスッキリさせるのはプラスです。
しかし、覚醒作用、興奮作用も同時にあるので、飲む量や飲む時間帯によっては夜、眠れない人も出てきます。
けれども、カフェインの覚醒作用、興奮作用を和らげてくれるのが、先ほどのテアニンです。
脳を使った作業をする時には、カフェインとテアニンが絶妙なバランスで働いてくれます。
集中力が高まり作業の正確性が上がり、記憶力も上がります。
カフェインは、玉露や上級煎茶に多く含まれます。
ただし、カフェインには
①利尿作用があり体内の水分を出してしまうこと
②胃への刺激が強いこと
から、やはりお茶・緑茶の飲み過ぎには注意が必要です。
それ以外の栄養素
お茶・緑茶にはそれ以外にも、
ビタミンC
ビタミンB2
葉酸
ビタミンE
ビタミンK
マグネシウム
亜鉛
銅
セレン
マンガン
βカロテン
などが含まれます。
この中でとくに多いのが、ビタミンCです。
ビタミンCは熱に弱いビタミンですが、お茶のビタミンCはカテキンに守られているので、壊れにくい性質があります。
タンニンは鉄の吸収を阻害する?
「お茶・緑茶に含まれるタンニンが鉄(鉄分)の吸収を妨げる」
ということが長いあいだ言われてきました。
そもそもタンニンとは、カテキンの別名です。
そして、鉄の吸収阻害については見直されています。
関西大学食品工学研究室のラットを使った研究結果として、
『茶系飲料の鉄栄養に及ぼす直接的な影響はきわめて小さい。
バランスのとれた食事で一般的な飲用量であれば神経質になる必要はない』
と書かれています。
まとめ
お茶・緑茶に含まれる成分、1つ目はカテキンです。
カテキンは、
抗菌作用
抗ウイルス作用
むし歯予防
肥満抑制
血圧、血糖値、LDLコレステロール値の抑制作用
抗アレルギー作用
紫外線の吸収作用
などの働きがあります。
お茶2つ目の成分、テアニンは、
リラックス効果や安眠効果
うつ症状や統合失調症の緩和効果
が期待できます。
お茶3つ目の成分、カフェインは、
脳の覚醒作用、興奮作用がありますが、
それを和らげてくれるのが、
テアニンです。
脳を使う時には
カフェインとテアニンが絶妙なバランスで働いて、集中力が高まり作業の正確性が上がり、記憶力も上がります。
ただし、カフェインは利尿作用があり、胃への刺激が強いことから、やはりお茶・緑茶の飲み過ぎには注意が必要です。
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