浦和レッズは選手の特徴を生かすサッカーで再びACLへ~2020戦力分析~

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 2019シーズンはリーグ戦では結果が残せず、14位に終わった。しかし、ACLでは準優勝と実力があることは間違いない。布陣を4-4-2に変え、型にとらわれることなく選手の良さを引き出すサッカーをしたい。昨シーズンの悔しさを味わった選手と少数精鋭の新加入選手とともにもう一度高みを目指す。


戦力分析

浦和レッズ


盤石の体制を整えたGK・DF

 正守護神は今シーズンからキャプテンに任命されたGK西川周作。安定したセービングとリーグトップクラスの足元のスキルはチームに欠かせない。
 注目は2種登録のGK鈴木彩艶。189㎝の高さを生かしたダイナミックなセービングが持ち味で、飛び級でU-20W杯にも選出された。まだ17歳と非常に若く、将来が楽しみな選手だ。

※2種登録・・・トップチームの公式戦に出場可能なユース所属選手

 3バックから4バックへと本格的に移行するであろうディフェンスライン。センターバックのポジションが3から2に減ることでスタメン争いは激化する。
 所属していたDF岩波拓也DF鈴木大輔DF槙野智章DFマウリシオと新加入のDFトーマス・デンが高いレベルでしのぎを削る。
 現時点では岩波が正確なフィードや安定したビルドアップ力でDFラインの軸になりそうだ。その相棒に誰が起用されるのか見どころである。
 サイドバックは右にDF橋岡大樹、左にDF山中亮輔がスタメンを張るだろう。
 橋岡は粘り強い対人守備と182㎝の高さを生かした空中戦が持ち味。東京オリンピックイヤーということもあり、一戦一戦にかける思いは強い。走り幅跳び選手の従兄弟と揃ってオリンピック選手になることができるか。
 山中はリーグトップクラスの左足の精度を誇る。鋭く落ちる高速クロスや強烈な弾丸シュートで相手ゴールを襲う。背中のスペースを守る守備に少々難はあるが、守備を補うほどのゴールやアシストで結果を残し、チームに貢献したい。
 豊富な経験と両サイドでプレー可能なDF宇賀神友弥が控えているのは長丁場のリーグ戦を戦う上で非常に心強い。


攻守に貢献するボランチ

 ボランチはゲームメイクとスルーパスが得意なMF柏木陽介とカバーエリアが広くボール奪取力が優れたMF青木拓矢、総合力が高いMFエヴェルトンが軸として考えられる。
 そこに割って入るのが3年目のMF柴戸海。ボールホルダーに対して素早く間合いを詰めるプレスとバイタルエリアへの飛び出しで攻守に貢献できる。開幕スタメンを勝ち取った勢いをそのままに年間を通して主力として活躍したい。
 注目は青森山田高校から加入したMF武田英寿。左足のプレースキックやミドルシュートはJ1でどれだけ通用するのか見どころのひとつ。ボランチでの出場を狙うならば、守備力の強化は必須だろう。また、相手をかわすドリブルでゴールに向かうこともできるため、サイドハーフでの起用も考えられる。ただ、選手権大会で輝きを放ったのはトップ下。トップ下で見せたプレーを発揮しやすいのは現状のフォーメーションだと2トップの一角、セカンドトップなのだろう。


突破で流れを引き寄せるサイドハーフ

 右のMF関根貴大は切れ味抜群の切り返しと細かなステップワークでサイドを切り裂くドリブラー。1対1の局面で突破ができるため、重要な存在だ。
 左のFW武藤雄樹は個人技での突破ではなく、左SBとの連携や裏への抜け出しでの突破ができる選手。豊富な運動量で前からのプレスや下がりながらの守備でチームに貢献する。
 FWファブリシオやFWマルティノスは独力でゴールを狙えるため、試合の流れを変えるジョーカーとしての起用が増えそうだ。
 期待したいのはMF汰木康也。昨シーズンは十分な出場機会を得られなかった。しかし、最も得意としている左サイドハーフのポジションがあるシステムへの変更はきっと追い風になるはず。ドリブルとパスを織り交ぜ、リズムの良い攻撃で左サイドを活性化させられるか。開幕戦ではアシストも記録。スタメン定着を狙う。


レオナルド加入よって戦力アップに成功した2トップ

 浦和レッズのエースは言わずもがなFW興梠慎三だ。味方に時間を与えるキープとマーカーを一瞬で置き去りにする抜け出し、抜群のシュートセンスは衰えを知らない。研ぎ澄まされたゴールへの嗅覚で9年連続2桁得点の記録に挑む。
 興梠の相方には今シーズンの目玉補強であるFWレオナルドが起用されるだろう。J3、J2ともに得点王を獲得した22歳のストライカーは、高い決定力と多彩な得点パターンでどんな場面からでもゴールを狙える。前人未到の3つの異なるカテゴリーで3年連続の得点王なるか。
 復活の兆しを見せるのがFW杉本健勇。昨シーズンは2得点に終わり、結果は残せなかった。だが、高さやテクニックなど大きなポテンシャルを秘めていることは間違いない。1トップから2トップになったことで、自分の良さを発揮しやすくなった。ゴールという目に見える結果で自分の力を証明したい。 



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