ミシャ体制3年目の北海道コンサドーレ札幌が目指す先~2020戦力分析~

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   2018シーズンの4位から10位とリーグ戦では思うような結果を残せなかった2019シーズン。しかし、ルヴァンカップでは優勝まであと一歩のところまで迫った。着実に成長を示している北海道コンサドーレ札幌は初のタイトル奪取に燃える。

戦力分析

北海道コンサドーレ札幌

守護神ク・ソンユンとチャナティップのお友達

 昨年夢だったA代表デビューを飾った韓国人GKク・ソンユンは195㎝の高さと優れた反射神経でシュートストップを連発。今シーズンもビッグセーブでピンチを救い、最後尾から攻撃的なチームを支える。
 2ndGKは京都サンガから完全移籍に移行したGK菅野孝憲。34歳を迎えたベテランが抜群の落ち着きを見せ、安心感を与える。トレーニングでのお手本のような姿勢は欠かせない。
 ベルギー2部のルーベンから1年間の期限付き移籍で加入したタイ代表GKカウィン・タンマサッチャーナンは注目すべき存在だ。タイ代表では64試合に出場していて、2017年まで在籍したムアトンではMFチャナティップと同僚だった。183㎝と小柄ではあるが、足元の技術が優れているためミシャ式のサッカーにフィットしそうだ。


不動の3人と大型ルーキー田中駿汰

 対人守備の強さを持ちながら、得点に関われる得点力を問われる3バックの右と左のポジション。
 左のDF福森晃斗は黄金の左足から放たれるピンポイントパスは攻撃における重要な役割を担う。プレースキックの精度もリーグトップクラス。ゴールやアシストでサポーターを魅了する。
 A代表に初招集されたDF進藤亮佑は右のスタメンだ。ディフェンダー離れの得点力で昨シーズン6ゴールを記録。「なぜそこに進藤」を合言葉に、今シーズンもチームの重要な得点源として活躍する。
 攻撃的な選手を生かしながら、ディフェンスを管理する3バックの中央はDFキムミンテが務めそうだ。左右のCBが高い位置を取ることで生まれたスペースをカバーする能力が高く、危機察知や試合の流れを読む力が優れている。
 キムミンテやMF宮澤裕樹などボランチからコンバートされ、機能したポジションである。よって大卒で既にA代表を経験している大型ルーキーMF田中駿汰に期待せずにはいられない。対人守備が強く、183㎝の高さがありながら正確なパスを出せる足元の技術も備えている。大学時代にセンターバックでプレーしているため適応に時間はかからないだろう。札幌でレギュラーポジションを掴むことができれば、東京五輪行きの扉が自ずと開かれる。 


”攻撃の生命線”ウイングバックの個人技

 相手陣内深い位置まで侵入し、クロスを供給するウイングバックは札幌野攻撃の生命線だ。
 軸になるのは左のFW菅大輝。ペトロヴィッチ監督に才能を見出された秘蔵っ子は馬力のあるドリブルとパンチの利いたクロスで左サイドからチャンスを作る。札幌の育成組織出身で、札幌から初の五輪戦士を出すべくサポーターからの期待は高い。数字に残る活躍を増やすことで五輪行きの切符を掴みたい。
 右は昨シーズンブレイクを果たしたMF白井康介のスタメン起用を予想する。サイドでマッチアップした相手を抜き去り、正確なクロスを供給し続けた。FWジェイFWドウグラス・オリヴェイラとホットラインを形成する。
 突破力があるMFルーカス・フェルナンデスMF中野嘉大、複数のポジションでプレー可能なMF早坂良太らが控えている。消耗が激しいポジションではあるが、長いシーズンを戦う上で必要な枚数を揃えた。
 また、青森山田高校の10番を背負い、選手権大会で活躍した2年目のMF檀崎竜孔はウイングバックに挑戦するようだ。ルヴァンカップで活躍することでリーグ戦の出場機会を獲得したいところ。


攻守に貢献するボランチ

 豊富な運動量で神出鬼没なMF荒野拓馬、優れたボール奪取力とセットプレーでターゲットになれるMF深井一希、正確なパスと的確なカバーで10番としてキャプテンとしてチームを引っ張るMF宮澤裕樹らとレベルの高い選手が一堂に会する。コンディションや戦術で起用する選手や組み合わせが異なると推測する。


ゴール前で躍動するシャドー

 バイタルエリアでスルーパスやシュートと決定的な仕事が求められるシャドー。
 細かいドリブルで相手をかわし、両足で精度の高いスルーパスが出せるMFチャナティップが攻撃のタクトを振る。愛くるしい笑顔と陽気な性格はピッチ内外で人気を集める存在だ。
 FW鈴木武蔵はタイミングの良い裏への抜け出しでパスを引き出し、単純なスピードの速さと巧みな身のこなしでカウンターでも威力を発揮する。
 昨シーズン1試合4ゴールを記録したFWアンデルソン・ロペスは決定力が高く、スーパーサブとして試合の流れを変える働きが期待できる。
 FW藤村怜FW金子拓郎らの成長も楽しみな要因のひとつ。昨シーズンルヴァンカップ準優勝の悔しさを晴らすためには若手の台頭は必須だ。


ボックス内で仕事ができるストライカー

 サイドからのクロスやスルーパスに反応するなどボックス内でのプレー機会が多い最前線には強さと高さ、ゴールが求められる。
 新加入のFWドウグラス・オリヴェイラは188㎝88㎏の体格を生かしたポストプレーやクロスボールを合わせるプレーがどのレベルでできるのか。早くピッチに立つ姿を見たいところ。
 イングランド代表経験を持つFWジェイ・ボスロイドも高さと強さを併せ持ち、ペナルティエリア内で絶対的な存在感を示す。年齢による衰えは隠せないが、クロスに対する入り方や合わせ方は職人技の域。豪快なヘディングシュートで最年長ストライカーが札幌を上位に導く。
 


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