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薬を入れる

今、パートナーが飲む薬を入れながらこのnoteを書いています。今パートナーが飲んでいる薬の量はおよそ30種類。痛み止めから吐き気止めまでたくさんの種類の薬を飲んでいます。その薬を1人で管理するには難しく、あまりにも量が多すぎるため、ピルボックスの中に薬を詰めている最中です。

タイトルを読んで「薬を入れる」ってなんだろう?と思った人もいるでしょうね。薬の管理と言うのはなかなか大変なものです。特に数が多いと飲み忘れ等が発生し、日常生活に支障をきたします。その飲み忘れ等を防ぐためにもピルボックスで管理をしているわけです。

「本人がしっかりと管理すればいいじゃないか」そんな声も聞こえますが、実はそれが難しいのです。それというのも筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)、この病気の特徴の1つとしてブレインフォグというのがあります。ブレインは脳みそ、フォグは霧っていう意味ですね。そう思考に霧がかかってしまうのです。その状態で薬の管理するのは、かなり難易度が高いものです。

正直、私も大変です(笑)しかし、これをやらないとパートナーの体調は一気に崩れてしまいます。一体どうやって薬を入れながら、このnoteを書いているんだと思った方もいらっしゃるかもしれません。音声入力ってやつを使ってます。音声入力のおかげで、こうして作業しながらnoteを書けるわけです。

本当ならば、薬を入れ終わった後に落ち着いてnoteを書けばいいんでしょうけども、なんとなく実験的に薬を入れている様を実況中継してみたくなったわけです。もちろん、後で手直しをしますが、基本的には音声入力でうまくいかなかった部分を直す位なもので、ライブ感を感じてもらえればいいかなと思います。

まぁ、実況中継を始めたわけですが、緊張感が半端ありません。いつもよりも丁寧に作業しています。人間はマルチタスクができないということが科学的な論文でわかっていることはご存じだと思いますが、これも1種のマルチタスクなので、少々危ういところがあります。

でも、こうやって薬を入れていると、パートナーが患っている病気の大変さがよくわかるような気がします。と言うのも、悲しいことに人と言うものは、共感でしかその人の辛さや悲しさを知ることはできません。ましてや痛みなど私には想像することしかできないのです。パートナーの痛みや辛さ、私には想像することしかできないのです。

薬を入れながら、思考をしながら、そして音声として自分の心を入力するというのは、なかなかにトリッキーでちょっと集中力が途切れると違うところに薬を入れそうになります。だから、いつもより丁寧に丁寧に薬を入れています。

私がパートナーにしてあげられることなんて、本当に数少ないことばかりです。どちらかと言えば私が助けてもらってばっかりで、申し訳ない気分というかもっと何かできることがあるんじゃないのかなと考える時もあります。

さて、お昼の分まで薬が入れ終りました。本当なら1週間分を一気に入れたいところなんですけども、なかなか集中力がもたないためにこの頃は小分けにして3日分ないしは4日分の薬を入れるようにしています。次に取り掛かるのは夕飯後の薬です。普段よりかなり時間がかかってます。それなら音声入力を止めて薬に入れることだけに集中したほうがいいんじゃないのかとそのように考える方もいるでしょう。実は私もそう思っています。だって効率を考えたら薬を入れた後にnoteを書いた方が、明らかに書くスピードも薬を入れるスピードも早いはずなんです。でもなんででしょう?この薬を入れると言う状況を臨場感とともに記録しておきたかったんですよね。

記録と言うのはいろいろな形があると思います。基本的には後から記録をつけるというのが多いかと思いますが、今回は実況生中継で記録をつけています。薬を入れること。それは数少ない、私がパートナーにできる手助けの1つ。心を込めて、なんて事は言いませんが、一つ一つ丁寧にやっているのは確かですね。もしかすると、日常生活の中で1番丁寧に気を遣ってやっていることかもしれません。

パートナーの薬を扱うこと、それはパートナーの体調を預かることと一緒です。さて、もう少しで入れるのが終わりそうです。今は寝る前の薬を手に持っています。寝る前の薬には睡眠導入剤や痛み止めの薬が入っています。これらの薬を飲むことによって、パートナーはほんの少しでも痛みを軽減した状態で眠ることができるのです。とても緊張します。入れ忘れがないかどうかを確認しながら入れていきます。

だんだんと口数が減ってきましたが、薬を入れるのももう終わりです。今回は4日分入れてみました。さぁ、最後の1つです。今日はすごい緊張しました。多分二度と薬を入れながらの実況中継はやらないと思います。やけに神経を使いました。

ということで、今回はこの辺で失礼します。最後にピルボックスの中にピルケースを入れてフィニッシュです。お付き合いくださり、どうもありがとうございました。それでは〜。


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