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OriHime

オリィ研究所が制作した、OriHimeをご存じでしょうか。OriHimeとは、カメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、インターネットを通して操作が可能な分身ロボットです。 「行きたい場所」にこのOriHimeを置くことで、身体に障害があったり、入院していたり、どこか遠い場所にいたりしても、その人がその場にいるようなコミュニケーションが可能になります。 では、OriHimeは障害者雇用の場でどのように活かされているのでしょうか。 例えば、OriHimeを遠隔操作し

    • メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用

        前回、障害のある方が雇用に参加する一つの形として、超短時間雇用モデルについて紹介しました。今回は、「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の二つの雇用を通じて、様々な背景を持つ人が働くことのできる雇用制度の在り方について考えていきたいと思います。 現行の日本型雇用システム  現在、日本の雇用慣行においては、新卒採用後、ひとつの企業にフルタイムで任期の定めなく長期雇用される「常用雇用」が一般的です。そして、常用雇用において、賃金は職務の内容や成績と無関係に、年齢に応じ

      • 「超短時間雇用」とは

        現在、日本型の雇用では、多くの企業が学校を卒業したばかりの若者を新卒一括採用し、定年まで、週40時間働き続けるという雇用スタイルが一般的です。しかし、このような雇用スタイルは、健康な成人男性を暗黙の内に想定しており、それ以外(例えば障害のある人)を排除してしまう可能性があります。  そして、障害者雇用促進法においては、障害者の職業的自立を促進するという法の趣旨から、事業主に雇用義務が課せられているのは、週所定労働時間が20時間以上の労働者となっています。 しかし、障

        • これから始まる「就労選択支援」

           2024年4月より、改正障害者総合支援法が施行されます。今回の改正ではどの様な変化があるのか。特に、障害者の就労について焦点を当てて紹介していきたいと思います。  これまで、障害者総合支援法で定められていた就労に関する制度は、①就労移行支援、②就労継続支援A型、③就労継続支援B型、④就労定着支援の4つでした。これに加え、今回の障害者総合支援法の改正では、新たに「就労選択支援」という制度が創設されます。  では、新たに創設される「就労選択支援」はどのような制度で、障害者の

          「福祉型カレッジ」について

           知的障害のある方の高等部卒業後の進路として、①企業就労、②福祉型就労、③生活介護のうちのどれかを選ぶ方が多いように感じます。しかし、高等部を卒業した知的障害者に「進学」という選択肢があっても良いと思いませんか?  ということで本日は、知的障害者の進路として、「福祉型カレッジ」を紹介します。  「福祉型カレッジ」とは、「自立訓練+就労移行支援」「自立訓練+就労継続支援B型」といった形態をとる多機能型事業所のことで、障害のある若者が社会で活躍するための力をつけるために、最長

          「福祉型カレッジ」について

          障害者就業・生活支援センターについて

          障害のある方が職業生活における自立を図るために、障害者総合支援法などにより様々な制度が定められ、利用できるようになっています。しかし、「どの事業がどんな支援を行っているのか、あまりよく分からない…」ということもあるかもしれません。  今回は、数ある障害者の就労支援事業の中で、障害者就業・生活支援センター、通称「なかぽつセンター」についてご紹介します。  なかぽつセンターは、「障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う」ことを目的に、全国337か

          障害者就業・生活支援センターについて