新生トリニータに期待すること

チームの要が抜けた。

大分は、シーズン終了後に片野坂体制の骨組みとも言える、鈴木、岩田が抜けた。チーム得点王のスピードスター田中達也も抜け、ムードメーカーの三平も抜けた。

周知の事実ではあると思うが、これらの選手が片野坂体制の大分を支えてきたのは言うまでもない。

何度も救われてきたし、苦しい時も彼らがいるから大丈夫だと思えた。そんな選手らが抜ければ、またチームを再構築しなければならない。選手が大きく入れ替わったことで、また新しい大分をみれるだろう。

長沢を筆頭に下田、渡邉などの新たな選手がきた。コロナ禍でどこのチームも厳しい台所事情で、大きな補強はできないと思っていたが、彼らの移籍金のお陰で補強ができた。

新シーズンの布陣

新シーズンの布陣はこんな形になるだろうか。新体制発表会で片野坂監督が新シーズンも3-4-3をベースに考えていると言っていたが、気になる点で言えば、北九州から加入した福森は右と左どちらで考えているのか。鈴木、岩田のポジションには誰を起用するのかは気になる。

続いて、各ポジションごとに昨シーズンとの比較をしてみる。

FW編

【IN
藤本（鹿屋体育大）
長沢（仙台）
渡邊（新潟）

【OUT】
知念（川崎）
渡（福岡）
三平（岐阜）

まず、攻撃に関していうと、昨シーズンより期待できるのではないだろうか。大分の特徴はサイド攻撃で、クロスも多い。ボックス内での動きが一級品の長沢がいれば自ずと得点は増えるだろうし、得点力のあるアタッカーの渡邊もきた。野村や町田と呼吸が合えば、脅威となってくれるだろう。

また、個人的には昨シーズンJ1初挑戦ながら、6点とった高澤に期待したい。新シーズンは、シャドーが主戦場になるのかトップなのかは、分からないが2年目ということで、J1の環境、片野坂監督の戦術に慣れていることは大きく頼りになる。長沢とともに、得点を量産して大分の得点力不足を解消してくれることに期待したい。

MF編

【IN】
弓馬（大分Uー18）
井上（福岡大）
下田（川崎)

【OUT】
前田（愛媛）
小手川（松本）
小塚（川崎）
田中（浦和）
島川（鳥栖）

Jリーグ王者の川崎から下田北斗がきた。下田獲得はサポーターを大いに賑わせた。昨シーズンは、川崎のスカッドが異次元で、出場機会が少なかったが、実力はJ1トップクラスであることは間違いない。運動量が豊富で、キックの精度が高く左利き。左利きの選手は大きなアクセントになる。長谷川、小林との化学反応に期待したい。また、新シーズンからは昨シーズン特別指定選手として福岡大から加入した井上も加わる。彼のスピードにも注目だ。

個人的に期待しているのは、小林。昨シーズンは、怪我かコンディディション不良だったのか分からないが、終盤になってようやく復帰。実力については言うことはないだろう、ベテランとしてチームを引っ張っていってほしい。

DF編

【IN】
上夷（京都）
坂（湘南）
福森（北九州）
黒崎（栃木）

【OUT】
星（新潟）
岩田（横浜FM）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鈴木（清水）
高橋（V大分）

心配な面で言えば、やはり守備だろうか。守備の要の鈴木と岩田が抜けたのだから、簡単に穴を埋めることは出来ない。また、大分の場合、後方の選手にもかなりのビルドアップ能力が求められる。役割は多岐に渡り、新加入の選手は慣れるのには時間が必要だ。

最終ラインには、坂、上夷、黒崎と3人の選手を補強した。（黒崎はCBで考えているのかは分からないが。）実力は既に証明済みなので、早くにフィットしてくれれば心強い。

個人的に期待する選手は、昨シーズンルーキーながら、CBでもボランチでもプレーできるユーティリティー性を見せた羽田だ。新シーズンの主戦場がCBになるのかは分からないが、鈴木に代わりDFリーダーとして最終ライン牽引してくれるはずだ。

GK編

【IN】
ポープウィリアム（川崎）
西川（藤枝東高）

【OUT】
ムンキョンゴン

大分の絶対的な守護神である高木の牙城を崩す選手は現れるだろうか。昨シーズンは、ムンキョンゴンが高木からスタメンを奪った時期もあったが、やはり選ばれたのは高木。彼のビルドアップ能力の高さは片野坂監督のサッカーを体現するには必要不可欠だからだ。昨シーズン、出番のなかった吉田舜と完全体として再び大分にやってきたポープ。おそらくこの3選手で正GKの座を争うことになる。　　　　　個人的には、完全体のポープに期待したい。(笑)　上背もあり、昨シーズン岡山でスタメンとして1シーズン戦えたのは自信になったであろう。

終わりに

主力がゴッソリと抜けたが、ポジティブに捉えると新しいトリニータをみれるという楽しみもある。新しく獲得してきた選手たちが嵌れば、上位も狙える。昨シーズン期待に応えられたとは言えない、知念や渡などをみればシーズンが始まるまではどうなるのかは予想がつかないが、大分はまた形を変えながら前に進んでいくしかない。