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【勝者のメンタリティ】Jリーグ第15節 ベガルタ仙台vs.大分トリニータ

大分トリニータに、足りないもの。それは、端的に言えば勝者のメンタリティと呼ばれるものだろう。

鳥栖に土壇場で追いつき、逆転まではあと一歩届かなかったが、PKをもし決めていれば勝てたゲームだった。
今節だってそうだ。開始早々に先制されるも、すぐに追いつき、前半は大分が完全に支配し、まさに大分のゲームだった。だが、蓋を開けてみれば、後半には失速し最終的に勝ち点3をゲットしたのは、大分ではない。ホームの仙台だった。

キャプテンの関口が交代する際に、ピッチの選手を鼓舞していた姿は、印象的で今の大分トリニータにああいう選手はいるのだろうか。
ああいう選手がいれば勝てたのかと言われればそうではないかもしれない。でも、何かが足りないのは明らかである。

勝てた試合、勝たなければいけない試合だったと試合後のインタビュー等で片野坂監督がよくコメントしているのは印象的だ。確かにここまで勝てていないのが現状ではあるが、戦術の浸透もあってかチームは上向きつつある。あと少し、あと一歩のところで手が届かない。今シーズンのトリニータには少なくともそんな印象を持つ。

試合結果

ベガルタ仙台2−1大分トリニータ

【得点者】
ベガルタ仙台
5’西村
75’加藤
大分トリニータ
12’長沢

【選手交代】
ベガルタ仙台
45’照山→真瀬
65’氣田→加藤
76’赤崎→フェリペ カルドーザー
90’富田→アピアタウィア 久
90’関口→松下

大分トリニータ
64’渡邊→藤本
83’町田→小出
83’松本→井上
83’エンリケ→高澤

スタメン

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スタメンは上図のとおり。
仙台は、前節から3人の入れ替え。真瀬と上岡と加藤に代わって、照山、赤崎、富田がスタメンに名を連ねた。
対する大分は、2人入れ替え。高澤、小出に代わって長沢とエンリケがスタメンに名を連ねた。エンリケはリーグ戦初スタメン。三竿、エンリケ、坂の3バックは個人的に心待ちにしていたし、現状これがベストに思えた。

完璧な試合運びでも

大分は序盤から幅を使ったオートマティックに攻撃を構築できていたが、ミスにより、カウンターを受けてしまい開始5分に先制を許してしまった。
相手自陣で渡邊と下田が被ってしまい、ミスを4年間髭を剃ってないというファギーニョが掻っ攫い氣田、赤崎と素早く繋ぎエンリケが飛び込んであけたスペースに西村が左サイドからダイヤゴナルに抜け出し、ポープの頭上を超える技ありループシュートを決められてしまい仙台が先手を決めた。フォギーニョは運動量が豊富で、まだコンディションが上がってないのか、プレーの精度はいまいちではあったが厄介な選手だった。

大分もボール保持のフェーズで、仙台陣地に人数をかけている状態で渡邊と下田のミスから失点。意思疎通ができていれば、防ぐことができた失点でもあるが、仙台のカウンターも鋭利ですばやかったなと。大分もボール保持のフェーズで、仙台陣地に人数をかけてしまっていて、あっという間にゴール前まで運ばれてしまった。やむ終えず持ち場を離れたエンリケも赤崎を潰しきれず、後手を踏んでしまう痛恨のミス。思い切りのいい守備はいいのだが、出たからには潰しきらないと守備に大きな穴をあけてしまうわけなので。

先制は許してしまったが、大分は再現性のある攻撃で仙台ゴールを脅かす。仙台の守備は4-4-2で、2トップの脇から三竿、坂で前進して、サイドで優位性をつくって、ピッチを広く使い相手を動かす大分のフットボール。WBが大外で高い位置をとって、シャドーの選手がチャンネル(CBとSB間のスペース)に侵入して、深い位置からの折り返しの攻撃には再現性があり、仙台に対して入念に準備をしていたんだなと。

また、三竿と坂のビルドアップ能力が高杉くんなので、戦術兵器となっていて。エンリケも後もう少しハマれば恐ろしいほど脅威になることは間違いなしで、今シーズンの人選をみればこの3人がベストな選択だろう。
対する仙台はチームとしてうまく機能していないのか、ボール保持の局面でのミスは多く、整理されてないように思える。

そんなこんなで、大分は先制されてから僅か7分で同点に追いついた。羽田が自分のミスを自分でとり返し、右サイドからはやいテンポで一気に逆!に展開すると、三竿からのミドルパスを受けた香川が、アーリークロスをあげ、ニヤの長沢に仙台の選手2人が釣られ、ドフリーの町田がダイレクトで合わせたが、ヤクブスウォビィクのスーパーセーブにストップされてしまうも、長沢がこぼれ球を流し込み、速攻のカウンターで速攻で追いついた大分。そして、長沢は2試合連続のゴール。ニヤで囮として機能し、最後に決めるあたりは流石というか。長沢様様である。

その勢いそのまま、前半は大分が完全に支配したものの、肝心の追加点は相変わらず入らない。何度も決定機を迎えたが入らない。サッカーの女神様に見放されているのかと思ってしまうほどである。
やはり、決定力不足は顕著であり、ワンチャンスものにできるFWの獲得は必須であるなと。背番号10の復帰も待ち遠しい。。

完璧に近い前半を終えた大分。後半こそ追加点を奪いにいきたいところではあるが、そううまくいかないのがフットボールである。
仙台は、照山にかえて真瀬を投入し、流れをかえにでた。また、後半から明確にプレス、ボール保持の局面に狙いがみえたというか、前半曖昧だった部分をハーフタイムに修正し、クリアにしてきたように思える。その修正が功を奏したのか、後半は仙台に攻め込まれてしまうシーンが目立つ。後半にリズムを崩されてしまった大分は渡邊に代えて藤本を投入する。仙台も氣田に代えて加藤を投入し、選手交代で勝ち点3を手繰り寄せたのは仙台だった。
75分に左サイドを、吉野の縦パスを真瀬にフリックされ、真瀬についた香川の背後に富田が抜け出し、フリーの状態で折り返され、ペナルティアリアで坂の背後かうまーく飛び出した加藤が頭で押し込み仙台が逆転に成功した。この得点が決勝点となり、降格圏勢勝負を制したのは仙台。

前半完璧に近い形で終えた大分だったが、最後に笑ったのは仙台だった。フットボールはつくづく分からない難しいものであると考えさせられるなと。大分は、絶対に負けてはならない戦いに敗れてしまった。せめて勝ち点1でも持ちかえることができれば御の字ではあったが。

まだまだ厳しい連戦は続く。もう後がない崖っぷちの状態なのは間違いない。とにかく前を向いてチームとしてやれることをやっていくしかない。

次節は、中3日で横浜FMをホームに迎える。
勝つしかねぇだろ!!


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